《解 説》
一 本件は、自動車同士の交通事故で受傷したAがその後死亡したので、Aの地位を相続したその妻及び両親であるXらが、加害者であるYに対し、民法七〇九条及び自賠法三条を理由として、本件事故によりAらが被った損害の賠償を求めた事件である。本件においては、Aの後遺障害による逸失利益を算定...
《解 説》
一 いわゆる地下鉄サリン事件の発生後、公安調査庁長官は、破壊活動防止法に基づいてオウム真理教に対する解散指定請求をしたが、被告(公安審査委員会)は、平成九年一月、「今後ある程度近接した時期に、継続又は反覆して暴力主義的破壊活動に及ぶ明らかなおそれがあると認めるに足りるだけの十分...
《解 説》
一 本件は、被告人は犯行当日の午前中、被告人とかねてからの顔見知りである中学生の被害者やその友人Aらから何かおごるようにとたかられたため、その夜、被害者の友人Aと中学校教諭が立ち話しているのを見つけ、被告人はAに対したかったことについて言いがかりをつけ、これを否定したAの右頬を...
《解 説》
X(原告、控訴人)は、昭和三八年中国において出生した中国国籍を有する外国人であるが、昭和六二年七月中国国内の医科大学を卒業し、同国内の病院に数か月間勤務した後来日し、以来日本に居住している者である。平成七年二月、Xが厚生大臣(当時、現在は厚生労働大臣)に対し、医師法に基づく医師...
《解 説》
一 被告ら(三名)は、それぞれ月刊誌Aの発行所、発売元、編集人であるが、その二〇〇〇年八月号において、大手出版社である原告の内部事情を暴露する記事を掲載したところ、原告が謝罪広告等請求訴訟を提起した。この前訴においては、八月号記事の記載内容が適切さを欠いていたことについて謝罪す...
《解 説》
一 本件は、Y1が開催したスキューバダイビング未経験者を対象とする講習会において、その海洋での講習会場に泳いで向かう途中で溺水し、重篤な後遺障害を負った受講生Xが、主催者Y1及び講師Y2に対し、損害賠償を請求する事案である。Xは、①Y2は常に受講生の動静を注視し、受講生に異常が...
《解 説》
一 不動産業者が土地所有者にビルを作らせ、ビルのオーナーとなった土地所有者からそのビルを一括して賃借(当初から転貸の承諾付きで、賃借年数は長期、賃料自動増額・最低賃料保証特約付きが多い)し、テナントを募って転貸する事業形態、いわゆるサブリースは、八〇年代中期以降大手不動産業者の...
《解 説》
一 Xは、交通事故により受傷したため、Y医院を訪れたところ、Yは、顎関節症、補綴物欠損と診断した上、咬合調整や金属製の義歯を用いた治療をした。その後、Xは、めまい、あご関節の不調、金属アレルギー反応による吐き気及び舌のひび割れ等が生じたと訴えて、A歯科を受診したところ、Yによる...
《解 説》
一 本件は、写真家Y1がY写真(判決の別紙写真二)を撮影し、Y2がY写真をカタログに掲載した行為が、写真家Xの撮影したX写真(判決の別紙写真一)に係る著作者人格権(同一性保持権)あるいは著作権(翻案権)を侵害するとして、Xが、Yらに対し、著作者人格権(同一性保持権)に基づき、損...
《解 説》
一 本件は、被告人が、当時の夫と共謀して、(1)当時一歳八か月の長女を殺害しようと決意し、二か月間以上にわたりその生育に必要なだけの飲食物を与えず、自宅において栄養失調に基づく全身衰弱により死亡させて殺害し、(2)深夜、当時一歳二か月の三女が泣き出したことから、同児を殺害しよう...
《解 説》
一 本件は、軽油の製造販売等を業とする被告会社の代表取締役である被告人が、他の者と共謀の上、被告会社の業務に関し、軽油を製造して販売しながら軽油引取税をほ脱したという地方税法違反の事案である。
二 軽油引取税は、道府県税として設けられた消費税の一種であり、道路特定財源としての...
《解 説》
一 本件は、松山市中央消防署の消防士(Y1)が、勤務時間中に、同署庁舎内で、上司である同署の署長を包丁で突き刺して殺害したことにつき、相続人ら(X1ないしX3)が、Y1とその使用者である松山市(Y2)に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。
二 本件の主たる争点は...
《解 説》
本件は、不動産競売手続における目的建物の買受人Aが民事執行法八三条に基づき建物賃借人Bに対する引渡命令の申立てをした事案である。
Bの有する建物賃借権は、本件不動産競売手続における最先順位の抵当権の設定登記がされた平成三年七月一九日より後の同年九月二九日に締結された期間を五年...