《解 説》
一 訴外Aは、平成一〇年一月当時、九州ダンロップ販売株式会社に勤務していたが、同月四日に外出したまま所在不明となり、同年三月二八日、福岡市の漁港内岸壁付近の海中に転落していた車の中から遺体で発見された。
Aは、生前、Y1、Y2との間で、Aを被保険者とする生命保険契約を締結し、...
《解 説》
Xは、平成一二年八月三〇日、横浜地方裁判所川崎支部に対し、Y及びその代表者であるAに対し破産の申立てをしたところ、Yは、同年一二月一〇日、横浜地方裁判所に対し民事再生手続の開始を求める申立てをし、同裁判所は、同月一五日、Yにかかる右破産事件の手続を本件民事再生手続につき決定があ...
《解 説》
一 本件は、競走馬を所有する原告らが、その馬名を無断使用して競馬ゲームソフトを製作、販売した被告会社に対し、パブリシティ権の侵害を理由として、ゲームソフトの製作、販売の差止及び損害賠償を請求した事案である。
二 一審判決は、有名な競走馬は一定の顧客吸引力を有するので、その馬名...
《解 説》
一 本判決は,未就労の女子年少者の逸失利益の算定に当たって,男子労働者を含む全労働者の平均賃金を基礎収入としたものである。従来の実務では,年少者の属性に従って男子には男子労働者の,女子には女子労働者の平均賃金を用いるのが当然である,といった感があったが,奈良地葛城支判平12・5...
《解 説》
一 X、Yはいずれも訴外Aの債権者である。X、Yともに、訴外Aから、訴外AのB外七社に対する現在及び将来の債権の譲渡担保を受け、その旨を債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律(以下「債権譲渡特例法」という)に基づき登記し、対抗要件を具備した。ところで、登記の時期は、...
《解 説》
一 事案の概要は次のとおりである。X1は、平成四年七月三一日に、Yが経営するA歯科医院で診察を受け、同六年八月二〇日まで歯周病等の治療のため通院し、その間、Y及びその被用者であるB医師による治療を受けた。X1は、歯周病が悪化し、歯の痛み、出血が止まらなくなったのは、Yら医師が、...
《解 説》
一 本件は、被告会社の代表取締役である被告人が、被告会社の業務に関し、免許を受けないで、本邦内にある送金依頼人らから、大韓民国内にある受取人らへの送金の依頼を受け、送金資金として本邦通貨を受領した上、直接現金を大韓民国内に輸送せずに、同国在住の共犯者に対し、ファクシミリで送金依...
抵当不動産の賃借人が抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって賃料債権に物上代位権の行使としての差押えをした抵当権者に対抗することの可否(消極)
《解 説》
一 Xは、貸金業者であるところ、昭和五七年一二月八日、Yに対し、四〇万円を、弁済期日を昭和六〇年一二月七日、利息を日歩一九銭、遅延損害金を日歩二二銭と定めて貸し付けた。
そして、Yは、その後元金と利息を支払ったが、昭和五八年六月八日、同日支払うべき利息の支払を怠った。
そこ...
《解 説》
一 Xは、平成八年一〇月当時、Y2の設置する「横浜高等学校」の一学年に在籍し、柔道部に所属していたが、同月一五日、柔道部部室において雑巾がけをしていた際、上級生のY1によって前部からプロレス技をかけられたため、頭部から床に落下し、頸椎損傷の傷害を負った。
そこで、Xは、Y1に...
《解 説》
本件は、A漁業組合の組合員であるXら(原告、反訴被告)が、A漁業組合の組合長であるY(被告、反訴原告)に対し、Yには忠実義務違反があるとして、水産業協同組合法四四条が準用する商法二六七条に基づいてA漁業組合に対して損害賠償を支払うよう求め(本訴事件)、Yは、Xらの本訴提起が不法...
《解 説》
一 本件は、被告が森林法(平成一一年法律第八七号による改正前のもの。以下同じ。)一〇条の二に基づいてした開発行為の許可処分について、開発区域の周辺に居住し又は立木等を所有するなどする原告らが、その取消しを求めた行政訴訟である。本件開発許可は、山林をゴルフ場として造成するための開...
《解 説》
一 事案の概要
Y(被告、控訴人兼附帯被控訴人、上告人兼上告受理申立人)には、従業員で組織される労働組合として、従前からA組合があったが、その後B組合も結成された。A組合とYとは、ある年度のベースアップについて団体交渉を行い、金額については合意したものの、Yが協定書の記載に関...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、Xらが、その子Aが交通事故後搬送されたY病院の医師Bの医療過誤により死亡したと主張して、Yに対し不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。
Aは、自転車を運転中タクシーと接触して転倒し、頭部等を打撲し、頭蓋骨骨折を伴う急性硬膜外血腫の傷害を負った。...