《解 説》
一 本件の関係土地の位置関係は別紙図面1(=判文中の別紙図面三)、関係建物の位置関係はおおむね別紙図面2(=同四)のとおりである。甲のもと所有土地(旧八〇番三の土地)は、順次別紙図面1の八〇番一六の土地及び八〇番一七の土地(=被告所有土地。それぞれ被告店舗、第一アパート〔現在は...
《解 説》
一 当時二五歳の女性であるAが、かねてからYと同棲していたアパートの居室において、昼間の午後零時二〇分ころ、頚部に刃物による切創を負った上で焼死し、アパートの部屋が全焼するという事故が発生した。この事故について、刑事事件としては、Yに対する放火等の罪の嫌疑が不十分なものとして、...
《解 説》
一 本件の事案は次のとおりである。Xは、本件株券を親会社の事務室金庫内に保管していたが盗難に遭った。その翌日、金融業者であるY2は、Aから本件株券を取得し、さらに証券会社であるY1に本件株券の売却を委託した。その後、本件株券は、Y1の取次ぎにより、第三者に売却されたが、後に盗難...
《解 説》
一 訴訟の経過
本件は、長年会社人間的な生活をしてきた夫の定年後に、妻が離婚を求めた事件である。一審判決は、離婚を認めて、夫に対して、慰謝料二〇〇万円、財産分与として、現在夫の居住する建物の夫の持分全部(妻に残りの持分があるので、建物全部が妻のものになり、夫は退去を迫られる)...
《解 説》
一 本件は、金融業者である原告が一時払変額保険の保険金相当額を貸し付け、担保としてその解約返戻金請求権に質権を設定し、これについて被告から異議なき承諾を得ていたところ、右変額保険は、保険契約者に対し保険金等の運用についての特別勘定の指定権を与えるという内容を有しており、保険契約...
《解 説》
一 原告の母親である亡Aは、海外で心臓移植手術を受けた後、国内で免疫抑制剤の投与等による術後管理を受けていたが、約四年後、慢性拒絶反応により死亡した。
本件は、原告が、亡Aが死亡したのは、免疫抑制剤の投与量等につき、術後管理が不適切であったためであるとして、担当医師及びその所...
《解 説》
一 本件は、Y1会社主催のダイビングツアーに参加したAがダイビング中に死亡した事故について、Aの遺族であるXらが、ガイドダイバーであるY3に対しダイビング引率に必要な注意を怠った不法行為に基づき、Y1会社に対しダイビングツアー契約に基づく安全配慮義務違反又は使用者責任に基づき、...
《解 説》
本件は、しょうゆ、つゆ、だしの素などの指定商品について、「宝」、「タカラ」、「TAKARA」などの文字からなる登録商標権を有するXが、「タカラ本みりん入り」の表示を含むラベル(被告標章)を付して「だし」、「つゆ」を販売するYの行為は、Xの有する右商標権を侵害し、かつ不正競争防止...
《解 説》
一 Xは、平成一一年四月、外気を吸うため鎌倉市内の自宅前の公道に出たが、右手に杖、左手に公道上のミラーポールを掴んで佇立していたところ、Yが散歩に連れ出した飼い犬がXの背後からXに向って「ワァン」と一声吠えたため、犬の接近に驚愕し、左手をミラーポールから離して安定を失い、その場...
《解 説》
一 本件は、大阪地判平11・10・28本誌一〇二四号一九五頁の控訴審判決である。
事案の概要は、次のようなものである。控訴人らは、大阪府(以下、「府」という。)に居住する住民及び法人である。府は、被控訴人日本下水道事業団(以下、「被控訴人事業団」という。)に対し、下水道施設の...
最先順位の抵当権者に対抗することができる賃借権により競売不動産を占有する者が当該不動産に設定された抵当権の債務者である場合における引渡命令
《解 説》
一 本件は、控訴人(貸金業者)から貸付を受けていた被控訴人が、控訴人の取り立てた利息制限法所定の制限利率を超える約定利息部分は元本に充当されるべきであるから、合計四七万一〇三六円の過払金が生じているとして、控訴人に対し、その返還を求めたところ、控訴人が貸金業の規制等に関する法律...
《解 説》
一 Aはスリランカから来日して、在留資格のないまま土木作業員として就労していたが、原付自転車で走行中、Yの運転する自動車と接触する交通事故に遭って死亡した。本件は、Aの妻子でスリランカの国籍を有し同国に居住しているXらが、Yに対し自賠法三条に基づいて損害の賠償を求めた事案である...
《解 説》
一 事案の概要等
本件は、Yから受取人に対して振り出された後に盗取された約束手形を、Xが善意取得し、Yに対して当該手形金の支払を求めた事案であり、盗難の被害者である受取人が、Xが当該手形を善意取得した後に公示催告の申立てをして除権判決の言渡しを受けている点に特徴を有する。争点...
《解 説》
一 本件は、競売の基礎となった最先順位の抵当権者に対抗することができる賃借権によって競売不動産を占有する者が、この不動産に自己の債務を担保するために他の抵当権の設定を受けていた場合に、このような抵当債務者兼賃借人に引渡命令を発することができるか否かが争われた事案である。
二 ...