《解 説》
控訴人会社は、元従業員ら三名が設立した被控訴人会社に対し、右三名が、①在職中から控訴人会社の取次店を横取りすることを計画して実行したこと、②控訴人会社の取次店二店に対し、この二店との間の競業禁止条項の違反行為を惹起せしめて勧誘し、この二店との契約関係を失わせたこと、③控訴人会社...
《解 説》
一破産法三七四条は、破産財団に属する財産を隠匿するなどして総債権者の利益を害する行為を、詐欺破産罪として処罰する旨を定め、一号から四号に侵害行為を列挙している。その三号には、「法律の規定により作るべき商業帳簿を作らず、これに財産の現況を知るに足るべき記載を為さず又は不正の記載を...
《解 説》
一 本件は、学校法人である債務者Y1が設置する大学の教授である債権者らが、債務者Y1の理事会が債務者Y2を次期学長に選任した決議は、債務者Y1の学長選考規程に基づきされた選挙結果に現れた教授会の意思に反するから無効である旨主張して、学長に選任された債務者Y2の職務執行の停止を求...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、大分県下の市町村立小中学校又は県立学校等に勤務する教職員であり、大分県教職員組合等に所属するXらが、政府が昭和五七年度人事院勧告を不実施(全面凍結)したのに続き、昭和五八年度の人事院勧告も完全実施が見送られる情勢になったため、人事院勧告の全面実施を求め...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、本件土地(一筆の田。一二二二平方メートル)を、二〇年以上にわたって耕作などしてこれを時効取得したと主張する被控訴人(原告)が、本件土地の登記簿上の所有名義人T女(昭和三〇年一月二二日死亡)の相続人である控訴人ら(被告ら)に対して、その占有開始の時期であ...
《解 説》
一 本件の事案の概要は、以下のとおりである。
X1、X2及びX3は、いずれも被相続人Aの共同相続人九人のうちの一人である(平成六年三月二四日、被相続人Aの死亡により相続が開始した。)ところ、X1及びX2は、法定申告期限内の同年一一月二二日、天王寺税務署長に対し、相続税の申告を...
《解 説》
一 原告らは、マーシャル諸島共和国を被告として、同国との間でアメリカ合衆国の永住権を取得することを内容とする合意(本判決が「本件合意」とするもの)をし、対価を支払ったが、被告がその債務を履行しないため、本件合意を解除したと主張して、不当利得の返還を求めた。
二 本件においては...
《解 説》
一 本件は、待ち帰り弁当のフランチャイズ・システム(チェーン)のフランチャイザーである株式会社ほっかほっか亭総本部の「九州地域本部」の地位にあるYが、Xとの間のフランチャイズ契約(以下「本件地区本部契約」という。)について、平成九年一〇月二七日ころ、Xに対し、平成一〇年四月三〇...
《解 説》
一 X1は、平成九年三月三日、左精巣に痛みを感じたため、岡山市立市民病院を訪れ、診察を受けたところ、急性精巣上体炎(副睾丸炎)と診断され、同病院に入院した。
そして、同月七日、同病院において、X1は本件手術を受け、同月一五日、退院したが、右手術により左精巣は全て摘出されてしま...
《解 説》
一 事案の概要
被控訴人Y夫婦は、平成五年八月ころ、被控訴人Z会社との間で自宅の建替工事請負契約を締結し、幅員約五メートルの道路を挟んだ向かい側に居住する控訴人Xには、解体工事のためにはシートで囲ってするので、埃や大きな音は出さない旨説明した。そして、被控訴人Zが解体工事を主...
《解 説》
一 本件は、加熱蒸散殺虫方法(A特許)並びにそのための装置(吸液芯付容器、殺虫装置キット)及び蒸散される殺虫液のための蒸散性持続化剤に関する特許(B特許。なお、B特許はA特許から分割出願されたものである。)の各特許権を有するXが、キンチョーリキッドの名称の加熱蒸散型殺虫装置(以...
《解 説》
一 Yの妻である訴外Aは、平成一〇年五月三一日、訴外B会社から、子供のための学習用教材(以下「本件教材」という。)を、五二万六〇〇〇円で購入したが、その際、Aは、Xに対し、本件教材の購入費等を一括立替払いすることを委託した。
そこで、Xは、平成一〇年六月四日、B会社に対し、本...
《解 説》
一 Xは、チリ国内の訴外会社Aに対して、五回にわたり、商品を売却したが、その際、右商品をシンガポール港からチリ国イクイケ港まで輸送する海上運送をYに委託し、Yから船荷証券の発行を受けた。Xは、Aを名宛人とする為替手形を振り出し、船荷証券とともに荷為替を組み、為替取組銀行に買い取...
《解 説》
一 本件は、Y(広島県知事)が森林法一〇条の二に基いてした開発行為(養鶏場の建設)の許可処分につき許可区域の周辺に居住する多数の原告がその取消しを求める訴訟において、控訴提起の手数料の不足を理由に原審裁判長がした控訴状却下命令に対する許可抗告事件である。
Xらは、訴えの基礎と...
《解 説》
一 訴外A(昭和三年生)は、平成六年から脳梗塞症等で脳外科病院に入院し、手術を受けた後一旦退院したが、その後再発したため平成七年暮、Yの経営する「彦根中央病院」に入院し、大部屋(八人部屋)で療養・看護を受けていたところ、平成八年一月四日、精神分裂病で同病院に入院していた同室の訴...
《解 説》
一 本件は、被告人が、(一)高校時代から一方的に恋愛感情を抱いていた被害女性に対し、高校卒業後三年半以上経って、いきなり交際を申し入れる手紙を送り付けたが、交際を断られ、返事の手紙の中にストーカーなどと記載されていたことから恋愛感情を憎しみに転化させ、その母親からも陰湿な態度で...
《解 説》
一 訴外A(昭和二年生)は、平成七年一一月二七日、発熱、悪寒、戦慄が発生し、チアノーゼの状態となったため、Yの開設する病院に救急車で搬送され緊急入院した。
そして、Aは、入院後も症状が悪化し、悪寒、戦慄などの症状が顕著となり、苦悶状態、見当識障害が発生し、同年一二月五日、腎盂...
《解 説》
一 本件の概要は次のとおりである。
控訴人の子が自動車を購入するに際して被控訴人との間で立替払契約を締結し、その立替金支払債務について控訴人が連帯保証した。その後、控訴人の子について破産宣告がなされ、免責許可決定も確定したが、その免責申立てと前後して控訴人も破産申立てをし、破...
《解 説》
一 事案の概要
A市の市長であるYは、A市の職員であるBに対し、第三セクター方式でA市が設立したC社への出向を命じ、Bはこれにより専らC社の総支配人として勤務し、YはBに対し出向期間中少なくとも八七六万円の給与をA市の公金から支給した。C社は、第三セクター方式によって設立され...