《解 説》
一 名古屋市内でパブを経営し、Xと同棲していた訴外Aは、平成四年六月ころ、訴外Bと交渉のうえ、メルセデスベンツ(以下「本件車両」という。)を代金二三七〇万円で購入し、右代金のうち二〇〇〇万円は他から借り、約五〇万円をXが出資し、残金はAの手持資金から支出した。
しかしAは、本...
《解 説》
一 本件は、広告の企画、制作等を営む会社を経営する被告人が、取引先の広告代理店を経営する被害者に対し、架空の広告主から折込広告の依頼があるかのように装い、被害者の会社がこの依頼を受け、被告人の会社がその下請けをし、後日広告主から広告代金が被害者の会社に支払われるなどと虚偽の説明...
《解 説》
一 本件は、YらがXの製造に係る商品の形態を模倣したとして、不正競争防止法二条一項三号に基づき、XがYらに対し損害賠償を請求した事案である。
XがY1の注文を受けて携帯液晶ゲーム機(本件第一商品)を製造しY1に販売したこと、Y2がこれをY1から買い受け日本国内で販売したこと、...
《解 説》
一 本件は、県の一般会計から工業用水道事業会計への支出が、地方自治法二四二条一項にいう「公金の支出」であるとして、同法二四二条の二第一項一号に基づきその差止めを請求した事案である。
原審(津地判平12・1・27本誌一〇三一号七九頁)は、本件訴えは不適法であるとして却下したのに...
《解 説》
本件は、X(大学教授、医師)の亡妻(開業医)がY(医師会)に自宅兼診療所である所有土地建物を公正証書遺言(本件遺言)により遺贈した(同遺言により、他の財産もほとんどX以外の者に遺贈等した。)のに対し、Xが本件遺言の無効確認訴訟(前訴)を提起し、これが一審及び控訴審で敗訴後、上告...
《解 説》
一 本件は、債務者会社の株主である債権者らが、商法二八〇条ノ一〇の株主の新株発行差止請求権を被保全権利として、新株発行の差止めを求めた仮処分命令申立事件である。
債務者会社は資本金四億九八〇〇万円、発行する株式総数二四〇万株、発行済株式総数九九万六〇〇〇株で、株主の大半が創業...
《解 説》
本件は、未成年者とその祖父母との間で、未成年者の親権者である実父母の代諾により養子縁組届出がされた後、右祖父が死亡したことから、その遺産分割について右祖母がした特別代理人選任の申立てを却下した事案である。
原審判は、右養子縁組の届出が、縁組の当事者間に真実社会通念上養親子と認...
《解 説》
一 本件は、Xの生活保護法に基づく保護開始申請に対してA福祉事務所長がした保護開始決定が違法であるなどとして、XがYに対し国家賠償法一条一項に基づく損害賠償を求めた事案である。一審及び原審ともにXの請求を棄却すべきものとしたため、Xが上告したが、上告状及びXが上告理由書提出期間...
《解 説》
一 原告は、熱転写プリンタに関する実用新案権(本件実用新案権)を有する。被告は、補助参加人から熱転写プリンタを購入し、これを組み込んだワードプロセサを販売している。本件は、原告が、被告に対し、被告の右ワードプロセサの販売行為が、本件実用新案権を侵害すると主張して、実施料相当額三...
《解 説》
一 本件は、上告期間内に上告人から上告状が提出され、上告期間経過後理由書提出期間内に、民訴法三一二条一項又は二項に規定する事由の記載のない上告受理申立理由書が提出されると共に、上告状を上告受理申立書として扱うことを求める趣旨の上申書が提出された事案である。
本決定は、提起され...
《解 説》
一 本件は、工事現場から現金四〇〇〇万円(一万円紙幣四〇〇〇枚)の入ったクーラーボックスを発見した右工事の下請業者の従業員が、右現金が遺失物法上の埋蔵物件ないし遺失物件にあたるとして、現金の返還者である被告に対し、遺失物法四条一項、一三条に基づき、報労金を請求した事案である。
...
《解 説》
一 本判決の意義
本判決は、オウム真理教(以下、単に「教団」という。)幹部であった被告人三名が教団代表者や教団幹部らと共謀して敢行した地下鉄サリン事件(殺人・同未遂)、自動小銃製造事件(武器等製造法違反)、落田事件(殺人)及び冨田事件(殺人・死体損壊)並びに教団幹部らと共謀の...
《解 説》
第一 事案の概要
一 被告は、鉄鋼の製造及び販売等を目的とする株式会社であり、原告らは、平成四年当時、被告の鶴見製作所に在籍し、日本鋼管重工労働組合(以下「組合」という。)の組合員であった。
被告は、昭和五五年一〇月、組合に対し、定年を順次五五歳から六〇歳に延長することを主な...
《解 説》
一 本件は、被告人が、パソコン通信を通じて、わいせつ図画及び児童ポルノを、販売したり販売目的で所持したとして、わいせつ図画販売及び同目的所持罪、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ法」という)違反の罪に問われた事案である。
本件...