《解 説》
一 本件は、市(Y3)から出向した社会福祉法人(Y2)の事務局長である男性(Y1)の、社会福祉法人の女性職員(X)に対する、(1)職務上の嫌がらせ(過大な業務を課すなど)と(2)身体接触(キス、着衣の中に手を入れて乳房等を触るなど)のほか、(3)Xの自宅での性的行為を含む一連の...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Xは当時二〇歳の短大生であり、Yは海外における語学の研修旅行の計画・斡旋等を業とする会社である。Xは、平成八年七月末ころ、Yが企画し募集した語学研修講座(平成八年八月一九日から九月一三日までのアメリカ合衆国ボストンのサマーコース、以下「本件...
《解 説》
一 X1は、妊娠したため、平成三年一〇月、Y1の経営する病院で診察を受け、その後経過観察を受けていたところ、平成四年六月一六日、陣痛が始ったため、同病院に入院し、翌一七日、鉗子分娩によりAを出産したが、Aに低酸素性脳障害が発症し、正常な精神運動発達が全く認められないまま、平成一...
《解 説》
一 X(原告・控訴人)は、昭和二〇年八月一四日、内地に本籍のある日本人女子Aの婚姻外の子として出生し、日本国籍を取得した。朝鮮人男子であるBは、昭和二五年九月八日、Xを認知した。Y(国。被告・被控訴人)は、Xは、右認知がされた結果、その後に平和条約が発効した時点で当然に日本国籍...
《解 説》
一 本件は、著名な音響機器メーカーであるY(旧商号はトリオ株式会社)の東京都目黒区所在の本社地区の庶務の仕事から八王子市所在の事業所の製造ラインへの転勤を命じられた女性従業員Xが、命令に従わずに右事業所へ出勤しなかったため、最終的に懲戒解雇されたことにつき、Yに対し、地位確認、...
《解 説》
一 本件は、証券会社である被告に雇用され、営業社員として勤務している原告ら二名が、被告から資格を降格されてこれに対応する職能給の号俸を引き下げるなどされたため、これによる減額分の給与等の支払を求める事案である。
二 本事案においては右のような減額措置の有効性が問題となったが、...
《解 説》
一 Xは、平成七年四月から平成一〇年八月まで、電子機器等の輸出入業務等を営むY1会社に勤務していた者であるが、平成一〇年四月ころ、Y1会社の情報技術部シニアマネージャーであったY2が、Y1会社内のXの事務用机の引出しに保管されていたXが撮影した写真のネガフィルム数葉を盗み出し、...
《解 説》
第一 紛争の社会的背景
一 大気汚染は、今も昔も、主に化石燃料の燃焼に由来する物質が大気中に排出されることによって都市部で発生するのであるが、昭和三〇~四〇年代においては、わが国の重工業が硫黄分の多い中東原油に依存していたとの事情から、わが国の代表的な工業都市では、かなり広い範...
《解 説》
一 本件の事案の概要は、次のとおりである(なお、詳細については、判文を参照されたい。)。
1 宗教法人日蓮正宗の被包括宗教法人Yの寺院規則では、代表役員は、日蓮正宗の管長(法主)の任命する住職を充てることとされていたところ、Xは、昭和四一年にYの住職に任命されてその代表役員と...
《解 説》
一 事案紹介
本件は、Y市立小学校第六学年に在籍していた男子生徒Aが、平成六年九月九日に担任教師Bから殴打され(本件殴打行為)、同日中に自宅付近の裏山で首をつって死亡しているのが発見されたことについて、Aの両親であるXらがYに対して、①Aは担任教師Bによる本件殴打行為が引きが...
《解 説》
一 本件は、急性腹症のためYの病院に入院して治療を受けていたXらの子のAが死亡したのはYの医師がAの急性虫垂炎の診断を誤り、腹膜炎に罹患させ、敗血症を発症させたためであるとして、XらからYに診療契約上の債務不履行による損害賠償を請求したのに対し、YがAの死亡はライ症侯群によるも...
《解 説》
一 本件の事案は次のとおりである。
政府系金融機関である原告の職員であり、その職員で組織されている労働組合(以下「本件組合」という。)の組合員一九名(補助参加人ら)は、組合活動を理由に原告から役職位の任用及び昇給・昇格について差別を受けたとして、東京都地方労働委員会(被告)に...