《解 説》
一 金融業者であるYから金銭を借受けたXは、Yの従業員から夜間自宅に訪問を受けて外に連れ出され、初対面の酒店店主に対し返済資金の借入れ申込みを強要され、暴行・暴言を加えられる等の違法な取立てを受けたとしてYに対し使用者責任に基づき慰謝料及び弁護士費用の支払を求めた。
これに対...
《解 説》
一 本件は、Y市長がA社に対してした開発行為の許可(本件許可)について、右許可に係る開発区域の近隣に居住するXらが、右許可に係る開発行為は、都市計画法(平成四年法律第八二号による改正前のもの。以下同じ。)三三条一項二号、九号及びC市宅地開発許可指導要綱に違反するなどと主張して、...
《解 説》
一 本件は、競売不動産の買受人が、民事執行法八三条に基づき、執行債務者に対する競売不動産の引渡命令の発付を求めた事件であり、競売の対象とされた土地上に競売対象外の建物等が存在する場合であっても、右土地の引渡命令を発することが許されるかどうかが争われた。
二 事案の概要
1 ...
《解 説》
一 本件訴訟は、(1) 国際電信電話株式会社(KDD)の代表取締役であったXが、日本大学教授で刑法学者であるYに対して、雑誌SAPIOの記事及び中公新書の文書によって名誉を毀損されたとして損害賠償を求めた本訴請求と、(2) Yが、Xとその弁護士Zに対し、謝罪の強要や不当な本訴事...
《解 説》
一 訴外Aは、平成八年一二月一四日、茨城県鹿島郡大洋村内の道路上を、普通貨物自動車を運転して走行中、訴外B運転の大型貨物自動車と衝突し、AとA運転の自動車に同乗していた訴外Cが死亡した。
そこで、Cの両親であるX1とX2は、A運転の自動車の所有者であるY1会社と加害運転者Aの...
《解 説》
一 本件は、旧住専の大口債務者であった末野興産(現マッセ)の代表取締役であった被告人Sが大がかりな資産隠しを図ったなどとしてマスコミをにぎわせた末野興産事件の刑事事件判決である。
本件は、犯罪事実が極めて多数の複雑な事案であるが、その概要は、被告人Sが、末野興産の幹部らと共謀...
《解 説》
一 セクシャル・ハラスメントをめぐる裁判例は後記のとおり近年目立って増加してきているが、セクシャル・ハラスメントとされる行為の有無自体が争われることも少なくない。本件は、外資系銀行Y1の支店長Y2が社宅において女性従業員X1を強姦したか、また、支店長室で女性従業員X2に対してわ...
《解 説》
Xは、書道家であり、Y1は、各種照明器具の製造、販売等を行う会社、Y2は、広告物、宣伝物の企画、制作等を行う会社である。Yらは、X著作に係る書三点(X各作品)をそれぞれ撮影した写真を照明器具の宣伝用カタログ三冊に(Y各カタログ)に掲載した。なお、X各作品の掲載状況は、Y1の室内...
《解 説》
一 本件は、いわゆる事業受託形式によるサブリース契約につき借地借家法三二条による賃料減額請求が認められるか否かが争われた事案である。
倉庫業者のYと大手不動産会社のXは、平成元年一一月以後一六回の打合会を開くなどして、平成三年七月九日、期間二〇年間、原則として中途解約ができな...
《解 説》
Xは、建築業者Yに対し、自宅の新築を発注し、Yは、自らの設計・施工・監理の下にこれを完成させてXに引き渡した。しかし、本件建物には、(イ)二階居間及び台所の床の傾斜、(ロ)二階台所の勝手口サッシの竪枠の取付け不良、(ハ)二階洗面所の片引き戸の竪枠の取付け不良の瑕疵があり、うち(...
《解 説》
一 本件は、貸金業者である被告との間で金銭消費貸借契約を締結した原告が、貸金業の規制等に関する法律(以下「貸金業法」という。)一七条一項により右契約締結時に被告から原告に交付されるべき書面の交付を受けていないので、利息制限法一条一項に定める制限額を超える利息の弁済が、貸金業法四...
《解 説》
XがYから工業用の工作機械(本件機械)を購入したが、Yが本件機械の加工誤差を二〇ミクロン以内の性能とすることを約した(本件保証)にもかかわらず、同保証内容に従った機械が納入されなかったとして、Xが売買契約を解除したうえで、Yに対して、売買代金の返還及び右性能を前提とした開発費用...
《解 説》
一 原告らは、大阪府が日本下水道事業団(以下「事業団」という)に発注した下水道工事のうちの電気設備工事について、事業団が行った指名競争入札において、業者らが事業団から工事の件名及び発注予定金額の提示を受けた上で受注予定者を決定し、入札価格を調整するという談合をしていたこと、仮に...
《解 説》
本件は、X(原告、控訴人。フランチャイジー、加盟店)が、クリーニング店のフランチャイズ事業をしているY(被告、被控訴人。フランチャイザー、本部)との間で、クリーニング店の経営を目的とするフランチャイズ加盟店契約(本件契約)を締結し、クリーニング店(行徳店)を開業したが業績が上が...
《解 説》
一 新聞社Yが年度ごとに刊行する年度版用語辞典「知恵蔵」について、平成二年版から五年版のブックデザインを担当したXは、Xが関与しなくなった平成六年(一九九四年)版及び七年(一九九五年)版の知恵蔵のレイアウトが、Xのした素材の選択、配列の創作性を再製しており、また、Xの承諾なくX...
《解 説》
一 Xは、昭和六〇年四月から、大府市立大府北中学校の教諭として勤務している者であるが、平成元年一月から二月にかけて、校長の職務命令により、進学関連業務、道徳研究業務等のため、時間外勤務に従事させられたとし、これにより精神的苦痛を被ったとして、Y1(愛知県)とY2(大府市)に対し...