《解 説》
一 納税者が、取引に際して通常用いられるのとは異なった法形式を採用することによって、通常用いられる法形式によった場合に課される税負担の軽減を図ろうとする場合があり、このような場合には、租税回避の目的でされた法律行為の効果を課税処分上どのように扱うべきかが問題とされることとなる。...
《解 説》
Xは合資会社であり、無限責任社員としてA及びYがいるほか、三名の有限責任社員がいる。Aは、Xの代表者として、Yに対し、YをXから除名させること並びにYの代表権及び業務執行権を喪失させることを求める訴えを提起し、第一審は、審理の結果、YをXから除名することを認めた(除名が認められ...
《解 説》
一 作家Y1の執筆した『石に泳ぐ魚』(出版社Y3が同社出版の雑誌に掲載)は、主人公とその友人との交友関係が描かれている小説であり、Y1の執筆した『表現のエチカ』は、右小説発表後、本件紛争の経緯について、Y1の見解を述べた随筆である。
本件小説において右友人のモデルとされたXは...
《解 説》
一 阪神淡路大震災の二日後に、倉庫会社Y1保有の倉庫から火災が発生し、ABの貨物が全焼した。ABは、損害保険会社Xとの間で貨物海上保険契約を締結しており、Aは、Y2と貨物運送契約を締結していた。Xは、ABに保険金を支払い、ABのY1に対する貨物保管義務違反の過失による不法行為に...
《解 説》
一 本件は、被告人Xと同Yの両名が、①Aとともに、平成六年一月、運送会社事務所から現金等の入った金庫一個を窃取し、②A、B等四名とともに、平成六年三月、民家で家人に手錠をかけるなどして現金等の入った耐火金庫一台を強取し、③Bとともに、平成六年四月、Aに対し、その後頚部にアイスピ...
《解 説》
一 事案の概要
A社は、バブル経済の崩壊等により売上高が減少し、平成五年四月決算期(第六八期)以降は、金融機関から新規融資を受けることができない状態にあった。右状況下で、A社の代表取締役B及びA社の使用人兼取締役であり、経理を担当していたY1は、特定建設業許可の取得及び銀行か...
《解 説》
一 本件は、訴外A(チケット取扱業者)の債務について、保証証券を発行して連帯保証人となった損害保険会社であるXが、自己の負担部分を超えて保証債務を履行したとして、保証証券を別個に発行してXと同様にAの連帯保証人となった損保会社であるYに対し、求償金の支払を請求した事案である。
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《解 説》
一 事案の概要
本件は、相続人の一部の者である原告らが、被相続人から生前贈与等を受けた被告らに対し、遺留分減殺請求権に基づいて、生前贈与等に係る不動産の所有権持分の移転登記を求めたのに対し、被告らが右不動産の時効取得を主張して争った事案である。
XらとY1はいずれも被相続人...
《解 説》
一 平成六年一〇月二四日夜八時一五分頃、東京都墨田区向島一丁目の交差点で直進中のX運転の原付二輪車が対向車線から右折してきたY運転乗用車と衝突し、Xは胸椎・胸髄損傷による両下肢麻痺、両肺挫傷等の傷害を被り、平成七年一月三一日症状固定したが両下肢機能全廃(一級障害)・体幹機能障害...
《解 説》
一 本件は、簡易裁判所書記官が発した債権者Xの債務者Yに対する請求に係る支払督促(以下「本件支払督促」という。)に対し、第三者Zが、Yの補助参加人として異議を申し立てたので(以下「本件異議申立て」という。)、同裁判所書記官において、本件支払督促に係るXのYに対する請求(本判決に...
《解 説》
一 被告は、平成元年七月、本件土地が自分の所有であると主張して、登記名義人の原告を相手方として、処分禁止の仮処分を得た。ところが、その本案の所有権移転登記訴訟では被告は敗訴し、平成八年六月に仮処分登記が抹消された。それで原告は仮処分により土地を売却できず、その間に地価が下落して...
《解 説》
一 本件は、原告が被告との間で行ったワラント取引等について、被告の従業員の行為に適合性原則違反、断定的判断の提供、説明義務違反、助言ないし情報提供義務違反及び一任勘定取引の違法があるとして、原告が被告に対し、不法行為ないし債務不履行に基づき、取引により被った損害の賠償を求めた事...
《解 説》
一 X(女性)は、かねて腋臭に悩んでおり、Yとの間で腋臭症の手術を受ける診療契約を締結してYの執刀による手術を受けたところ、その手術部位に瘢痕が生じたとして、①右瘢痕は、Yの術中の手技に問題があったか術後の患部の処理・固定が不十分であったとの注意義務違反により生じたものであり、...
《解 説》
一 県立A高等学校(以下「A高校」という。)の教諭であるXらは、A高校のB校長が、卒業式に「日の丸」を掲揚することを決定したことに反対して、Xらが担任する学級の生徒に「日の丸」の掲揚に反対する内容の印刷物を配布した上、生徒を放課して、卒業式の前日に予定されていた予行練習及び生徒...
《解 説》
一 本件は、弁護士であるXが、Xに事件を依頼したY1に対し、成功報酬につき、全事件終了時における本件不動産の時価の一割とするとの合意があったと主張し、右時価は三〇〇億円であるとして、その一割である三〇億円を請求し、仮に、右合意が認められないとしても、相当報酬額として、全事件の着...
《解 説》
一 本件は、国立大学に在学していた当時二〇歳の学生が、同大学の校舎四階ひさし部分から転落して負傷した事故につき、学生の両親が、右事故は建物の構造又は管理に瑕疵があったために生じたものであるとして、国家賠償法二条一項に基づき、被告国に対し、治療費等、親固有の慰謝料及び弁護士費用の...
《解 説》
X1及びX2は、Y(統一協会)の信者によるYへの違法な献金勧誘行為により損害を被ったとして、民法七一五条(使用者責任)又は同法七〇九条(Y自体の不法行為責任)に基づき、X1において献金額相当の二一〇万円と弁護士費用四九万円の合計二五九万円、X2において受講料相当の一〇万円、献金...