《解 説》
一 XらはAの妹である。AとYは昭和五八年一二月ころ知り合い、間もなく同居するようになった。Aは、平成七年三月二四日に膵臓癌の手術を受けてから、入退院を繰り返すようになり、平成八年六月二一日から同年七月二一日まで入院した後、同月三一日には再度入院し、同年八月四日には判断能力を喪...
《解 説》
本件は、被控訴人が控訴人に対して、組合事務所等の明渡し及び右明渡遅滞に基づく損害賠償を請求した事案である。
被控訴人は、コルク製品の製造等を目的とする会社であり、控訴人はその従業員で構成する労働組合である。
被控訴人は、控訴人に対し、組合事務所(本件建物)とその敷地(本件土...
《解 説》
一 Xは、三重県一志郡美杉村竹原の上平地区の住民であるが、平成七年に転居してきた訴外A夫婦に同区の簡易水道の利用を認めるか否かの問題で他の地区住民と対立したことなどから、地区住民であるYらから、共同絶交宣言(村八分)を受け、かつ、度々いじめ、仲間はずし、嫌がらせを受けた。
そ...
《解 説》
一 本件は、月刊少女漫画雑誌「なかよし」に連載された連続長編漫画「キャンディ・キャンディ」(本件連載漫画)に関する権利関係をめぐって、原作者であるXと作画者であるY1及びY1の許諾を得て本件連載漫画の登場人物の絵の二次的利用をするY2とが争った事案である。
本判決によると、本...
《解 説》
一 本件は、X会社が、X会社所有の土地上に木造瓦葺二階建建物を所有するY(X会社の元取締役)に対して、土地所有権に基づいて建物収去土地明渡しを求め、Yが抗弁として使用貸借を主張していた事案である。使用貸借の期間が原審口頭弁論終結時まで約三八年八か月に及ぶことから、民法五九七条二...
《解 説》
一1 本件は、Xらの被相続人とYらの被相続人らが共有していた土地につき、家庭裁判所の調停により、持分割合が定められていたところ、Xらが共有持分権に基づく共有物分割を求めるとともに、分割により取得する土地につき持分移転登記手続、明渡し及び賃料相当損害金等を請求する事案である(本訴...
《解 説》
一 本件は、作家・松本清張の著作に係る小説の映像化に関する業務を行う会社の従業員であったXが、YらはXが作成した松本清張の小説の映像化に関する事項についてのリスト(Xリスト)に依拠し、その一部について改変、削除を行って、Xリストと極めて類似するリスト(Yリスト)を作成し、これを...
《解 説》
本判決は、不作為の不法行為(及び債務不履行)の成否が問題とされた限界的な事案において、いわゆる事実的因果関係の存否に関する判断の在り方につき論じたものである。
一 本件の事案の概要は、次のとおりである。A(男性・当時五三歳)は、昭和五八年一〇月に肝硬変に罹患しているとの診断を...
《解 説》
一 本件は、部品について不正競争防止法二条一項三号の「形態模倣」が成立するかどうかが争われた事案である。
Xは、遊戯銃(エアーソフトガン)及びその部品を販売する者であり、Yらは、Xの遊戯銃に当初から組み込まれている部品と交換して、Xの遊戯銃の性能、機能、外観等を変化させ、向上...
《解 説》
一 本件は、XらがYに対し、Yが使用する広告器の形態が、X1が意匠権を有する意匠に類似し、かつ、X2の商品等表示として周知な広告器の形態と類似しておりこれと混同を生じさせると主張して、差止め、廃棄、損害賠償及び謝罪広告を求めた事案である。
X1の登録意匠及びX2が周知であると...
《解 説》
一 本件は、一定の期間内の道の商工労働観光部総務課及び石狩支庁地方部総務課の旅費の不正受給に関する一切の資料(Yは、これを特定の旅行命令簿兼旅費請求書等(本件各公文書)であると特定し、Xもそれを争わなかったようである。このような処理がされるまでの本件開示請求は、その対象の範囲を...
《解 説》
一 Xは、平成八年二月二四日、木島平スキー場の「牧ノ入スノーパーク」(以下「本件スキー場」という。)の第七トリプルリフト終点から連絡通路を通って、山側に向って左側のゲレンデにおいて、谷側に向ってプルークボーゲンで滑走中、スノーボードに乗って後方(上方)から滑走してきたYに衝突さ...
《解 説》
一 X1(夫)とA(妻)は、三男二女をもうけたが、AはY1教会(代表者である牧師Y2)の伝導師になるため、X1と未成年の長男X2、二男、三男を家に残し、同じく未成年の長女、二女と共に家を出て別居した。Aはアパートを借り、教会活動に専念し、長女、二女をY1教会に寝起きさせるように...
《解 説》
一 本件は、原告との間でクレジットカード利用契約を締結していた被告のクレジットカード(以下単に「本件カード」という。)が、原告の提携先の現金貸出機に挿入され、その際、被告が原告に届け出た暗証番号が一回で正しく入力されて現金が引き出された記録があるとして、原告が主位的に金銭消費貸...
《解 説》
本件は、銀行が個人顧客に、保証会社の連帯保証を得た上で、カードを貸与し、顧客は、カードを窓口で提示するか、自動支払機に挿入して暗証番号を入力することにより、無担保で簡易に金融を受けられる、いわゆるカードローンに係るカードが、顧客から盗取され、銀行の自動支払機から貸金の支払がなさ...
《解 説》
一 本件は、大阪市他に在住する原告らが平成六年度の固定資産税のいわゆる評価替えの違法性を争い、国家賠償を求めたものである。原告らの主張は、固定資産評価基準に関する規定を自治大臣の定める告示に委任した地方税法三八八条一項が租税法律主義及び租税条例主義を定めた憲法八四条に、固定資産...
《解 説》
一 X(原告)が、分譲マンションを建設しようとしたところ、右マンション建設予定地の近隣住民がマンション建設反対対策協議会を結成し、その構成員が、平成七年六月下旬から同年一〇月上旬までの間、複数回にわたり、工事車両の工事現場への進入を妨害するなどの方法で、マンションの建設工事を妨...