《解 説》
一 本件は、医療過誤訴訟について、Yから民訴法一七条による移送が申立てられた事件である。
本案は、胃癌・癌性腹膜炎により死亡したAの遺族であるXらが、受診したA病院(鹿児島市所在)開設者であるY(全国に病院を開設して医療に従事する社会福祉法人、主たる事務所所在地は東京都)に対...
《解 説》
一 茨城県立総和高校に在籍していたXらの子Aが、平成五年一一月に行われた「全国高校ボクシング選抜大会県選手会兼県選手権大会」(以下「本件大会」という。)に参加し、他高の選手らと試合を行ったが、試合の終了直後、突如気分の悪さを訴えて倒れ、救急車で病院に搬入されたが、数日後、頭部打...
《解 説》
一 Yは、愛知県東海市において、粘土鉱物の精製粉末及び販売等を目的とする会社であるが、昭和六三年九月、訴外A生命保険会社との間で、従業員として勤務していた訴外Bを被保険者、自己を保険金受取人、主契約の保険金額を一〇〇〇万円等とする逓増収入保障特約付平準定期保険契約を締結した。
...
《解 説》
一 本件は、富山県民であるXがY(富山県代表監査委員)に対し、県職員の空出張の有無等を調査する目的で、富山県情報公開条例(本件条例)に基づき、富山県監査委員事務局の平成六年度の出勤簿(本件出勤簿)の開示を請求したところ、Yが平成八年三月二一日付けでその全部について非開示とする旨...
《解 説》
一 本件は自家用自動車総合保険(以下「SAP」という)を締結した中古車が、保険契約締結の約四か月後に盗難にあったとして、保険金請求がなされ、損害保険会社がこれを争った事件で、保険会社側は盗難自体について疑いを持ったようであるが、盗難自体は事実であることを前提として本判決の判断は...
《解 説》
一 富山県立近代美術館は、出展された原告大浦の制作した版画(以下「本件作品」という。本件作品はコラージュと呼ばれる手法を用いた作品であり、昭和天皇の写真、東西の名画、解剖図、家具、裸婦などで構成されている。)を買い取って収蔵し、本件作品を含め出展された作品の図録を作成していたと...
《解 説》
商法二九五条一項は、「身元保証金ノ返還ヲ目的トスル債権其ノ他会社ト使用人トノ間ノ雇傭関係ニ基キ生ジタル債権ヲ有スル者ハ会社ノ総財産ノ上ニ先取特権ヲ有ス」と定めている。本件は、社内預金が右の「会社ト使用人トノ間ノ雇傭関係ニ基キ生ジタル債権」に当たるか否かが争われた事案である。
...
《解 説》
一 本件は、いわゆる長良川河口堰建設差止訴訟の控訴審判決である。
Xら(岐阜県海津郡海津町、岐阜県武儀郡板取村、岐阜市及び三重県桑名市の住民二〇人)は、長良川と揖斐川との合流地点付近に建設される長良川河口堰について、Y(水資源開発公団)に対し、人格権、環境権等に基づく建設差止...
《解 説》
一 本件は、平成三年以来、毎年一二月中旬以降二五日にかけ、原宿から青山通りまでの表参道沿いにおいて、Yが主催者として実施しているクリスマスイルミネーション(本件イルミネーション)につき、表参道周辺の住民らであるXほか五四名が、その実施により付近の生活環境や自然環境が悪化すると主...
《解 説》
一 本件事案の概要及び訴訟経過の概略は、次のとおりである。Yは、父Aの生存中、無断で銀行貸金庫からA所有の株券、預金証書を秘かに持ち出し、その売却代金及び払戻金を着服した。AとXら兄弟は、昭和五〇年七月一六日に右事実を知り、Yに財産の返還を求めたが拒否された。Aはまもなく死亡し...
《解 説》
一 本件は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「法」という。)二条一項七号所定のぱちんこ屋の営業について、ぱちんこ屋の近隣住民であるXらが、Y(東京都公安委員長)が同法三条一項に基づいてした許可が違法であると主張して、その取消しを求めた事件である。本件の争点は...
請負工事に用いられた動産の売主が請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することの可否(積極)
《解 説》
一 事案の概要
YがXらの居住する町内において葬儀営業をしたところ、右営業に反対するXらが貼紙掲示、示威行動によって葬儀営業の妨害を行い、また、名誉を毀損したとして、YがXらに対し損害賠償及び営業妨害の禁止等を求めた(甲事件本訴)のに対し、XらはYの葬儀営業はXらの財産権、環...
《解 説》
一 Yは、昭和六三年一〇月から、訴外A会社との間で手形貸付取引を続けていたが、Xは平成六年八月、取引先であるA会社の代表者から委託されて、Yとの間で、A会社のYに対する債務を極度額四〇〇万円の限度で連帯保証する旨の契約をした。
A会社は、平成八年七月、手形不渡りを出して事実上...