《解 説》
一 本件は、在留資格のない原告が、被告市に対し、国民健康保険被保険者証の交付を求める申請をしたところ、被告市が、原告には在留資格がなく、国民健康保険の被保険者資格を定めた国民健康保険法五条の「住所を有する者」に該当しないことを理由として、国民健康保険被保険者証を交付しない旨の処...
《解 説》
一 訴外K(金融機関)は、訴外会社S所有の土地及び同土地上の建物に共同根抵当権を設定した。訴外会社Sは、根抵当権設定後に右建物を取り壊し、Yは土地を買い受けて所有権移転登記をし、さらに右土地上に新建物を建築して保存登記した。訴外Kは、右土地について根抵当権実行による競売を申し立...
《解 説》
一 事案の概要 Xは、Aに対する貸金債権を被担保債権としてA所有の本件土地に抵当権を設定し、抵当権設定登記を経由し、右登記の登記済証を保持していた。AはXに対し、Xから借りた金員を返還するために銀行との間で融資の交渉をするのに、本件土地の右登記済証を示す必要があるのでこれを貸し...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、原告が、酒税法(以下「法」という。)九条一項に基づき、酒類販売業の免許を申請したところ、税務署長から、法一〇条一一号の規定に該当する事由(需給均衡維持の必要)があるとして申請を拒否する本件処分を受けたため、その取消しを求める事案である。
原告は、法九...
《解 説》
一 X会社は、甲野太郎及び甲野花子夫妻によって「甲野ガーデン」の名称で営まれていた生花販売業を会社組織化したもので、昭和五九年二月一八日に生花、鉢物の仲卸及び販売等を目的として設立された。花子は、太郎との離婚に伴い、平成元年一二月、いったんはX会社の業務から離れたが、翌年初めに...
《解 説》
本件は、人物絵の絵柄(本件絵柄)の著作権を有するXが、本件絵柄の使用許諾期間満了後もその使用を継続して右著作権を侵害したYに対し、Yの商品の小売価格の三パーセントに製造個数を乗じた額が右著作権の行使につき通常受けるべき金銭の額に相当する額(著作権法一一四条二項)であると主張し、...
《解 説》
一 本件は、原告らが被告に対し、商標権に基づいて、被告による標章の使用の差止め及び損害賠償を求めるのに対し、被告が、登録商標との類似性を争うとともに、被告商品に付された標章は、装飾ないし習俗的表示にすぎないものであり、自他商品識別機能を有する標識ではないから、商標としての使用に...
《解 説》
一 本件は、合資会社変更登記処分の取消の訴え(原訴訟)が提起され、右処分を取り消す旨の判決(東京地判平9・10・13本誌本号二三八頁)が確定した後に、右合資会社が行政事件訴訟法(以下「法」という。)三四条に基づき提起した「第三者の再審の訴え」である。すなわち、合資会社である再審...
《解 説》
一 相手方A、B、C及びDの被相続人は、山形県立の病院で検査を受けた後に死亡したが、相手方らは、被相続人が死亡したのは、右病院の担当医師らの検査の過誤等によるとして、山形県を被告として、不法行為ないし債務不履行による損害賠償を求めて、Bの住居地(義務履行地の一つ)を管轄する横浜...
《解 説》
一 事案の概要
Xは、協議離婚したYとの間で、XとYとの間の長男Aの養育費としてAが成人に達するまで、毎月五万円ずつ支払うなどの合意があったとして、Yに対し、将来分を含めて、養育費の支払を請求した。
二 判決要旨
第一審判決は、養育費の請求につき、養育費の合意(協議)が調...
《解 説》
一 Xは、訴外A会社に勤務し、平成四年一二月、東京都目黒区内の建築工事現場において作業中、Y1会社の従業員であるY2と些細なことから揉み合いとなり、Y2に地面に投げつけられたため、脳挫傷等の重傷を負った。
そこで、Xは、加害者Y2に対しては民法七〇九条により、Y1会社に対して...
《解 説》
一 本件は、島田市の下水道施設の電気設備工事について独占禁止法違反の談合を行ったとする日本下水道事業団と各社に対し、島田市に代位して、談合がなければ形成されたであろう価格と実際の落札価格又は請負価格との差額相当額等の損害賠償を求めた住民訴訟である。
本件において、原告らは、財...
《解 説》
一 本件は、被告銀行との間で、デリバティブ取引の一つである通貨スワップ取引を行った原告会社が、ベルリンの壁の崩壊に伴いドイツマルクが急騰したことにより損害を被る見込みとなったために、リスクヘッジをする目的で、さらに、複数の通貨スワップ取引を行い、その結果として被った損害について...
《解 説》
一 本件は、商法二八〇条ノ三ノ二所定の公示(公告又は通知)を欠く新株発行の無効の訴え(同二八〇条ノ一五)において、新株発行差止めの事由の有無が問題となったもので、著しく不公正な方法によるもの(同二八〇条の一〇)ではないとはいえないとして、公示を欠く右新株発行を無効とした最高裁の...
《解 説》
一 Xは、その著書の中で、ベトナム人僧侶の焼死事件である「ファム・ヴァン・コー事件」について、これが堕落した僧侶の心中行為であるとする政府系仏教協会副会長ハオ師の談話を紹介した。Y1は、この事件がベトナム政府の宗教政策に抗議する集団自殺であるとした上、この事件に関するXの執筆姿...