《解 説》
一 Yは、平成一〇年一月一日、第三者割当ての方法で新株二〇〇万株を発行したところ、Yの株主であるXが、右新株発行は、特に有利な価額をもってなされたにもかかわらず、株主総会の特別決議を経ていないとして(商法二八〇条ノ二第二項)、右新株発行の無効確認訴訟を提起した。これに対し、Yは...
《解 説》
Xは、(1)Y会社に対し、平成八年七月三一日に開催したY会社の取締役会においてなされた、XをY会社の代表取締役社長から解任する旨の決議を含む決議(以下「本件決議」という。)が無効であることの確認、(2)Y会社に対し、Xの本件決議がなければ代表取締役として得ていたであろう報酬額と...
《解 説》
一 原告は、昭和三二年三月、T大学教養学部を卒業し、以来、国税庁、国税局を中心に勤務し、昭和五九年七月から平成二年三月まで国税不服審判所において国税不服審判業務に当たってきたが、平成二年四月から平成九年三月までの間、K大学法学部及び同大学大学院法学研究科教授の職に在り、租税法を...
《解 説》
一 Xは、平成九年九月二二日から同年一一月二〇日までの間に、Yに対し、一三九〇万余円の食品製品等を販売していたところ、Yが右食品製品等をZに転売したため、平成一〇年三月二日、執行裁判所に対し、動産売買先取特権(物上代位)に基づき、YのZに対する転売代金債権の差押命令の発令を求め...
《解 説》
一 本件は、週刊文春の平成八年五月二三日号及び同月三〇日号に掲載された随筆について原告らが、名誉を毀損されたとして、各一〇〇〇万円の損害賠償と謝罪広告掲載の各請求をした事案である。
二 本件随筆は、①原告財団がビルを建築するにあたって、ジャスラックから巨額の融資を受けたことに...
《解 説》
被告人は、魚の卸業者で、くろたちかます科に属する魚であるアブラソコムツを買い付けて、加工し販売していたところ、その販売行為と販売前にアブラソコムツ及びその加工品を貯蔵した行為が、食品衛生法四条二号で禁止された「有害な物質」が含まれる食品の販売、販売の用に供するための貯蔵に該当す...
《解 説》
一 Yは海上運送事業等を目的とする株式会社であるが、訴外Aとの間で国際海上物品運送契約を締結し、コンテナ積みされた本件運送品について本件船荷証券を振り出して訴外Aに交付した。本件船荷証券は訴外AからX銀行に裏書譲渡されたが、他方Yは補助参加人Bに対して本件船荷証券と引き換えるこ...
《解 説》
本件は、タクシー運転手である被告人が、深夜、客として乗車させた被害者とその連れから絡まれ、降車した被害者から、運転席の窓越しに「降りてこい。」などとどなられて胸ぐらをつかまれ、運転席から車外に出た後も左肩付近を殴られるなどしたため、タクシーを放置して逃げ出したが、被害者に追いか...
《解 説》
一 本件の事案の概要は、次のとおりである。本件特別抗告事件の抗告人Xは、平成九年に東京地裁に提起された貸金等請求本訴、慰謝料請求反訴事件の被告兼反訴原告であった。Xは、同事件の第一審における審理中に裁判官忌避の申立てをしたところ、同申立ては却下され、Xは即時抗告及び特別抗告をし...
《解 説》
一 税理士Xは、損害保険会社Yとの間で、業務上の過誤についての顧客に対する賠償責任を填補する税理士職業賠償責任保険契約を締結した。Xは、顧客Aの納税申告事務処理に当たり租税法規の解釈を誤って過少申告をしたため修正申告が必要となり、顧客が受けることができた減算処理を受けることがで...
《解 説》
Xは宅地建物取引業者であり、宅地建物取引業法二五条に基づき、営業保証金の供託として地方法務局K支局(国Y)に額面三〇〇万円の割引国庫債権(償還期限昭和六二年三月二〇日)を供託していたところ、平成九年三月二〇日の経過により右国債の償還請求権が時効消滅した(なお、Xの供託物取戻請求...
《解 説》
一 本件事案の概要は、銀行が取引先の会社から手形割引の依頼を受けて約束手形を預かっていたのであるが、取引先会社が破産宣告を受け、その破産管財人が銀行に右手形の返還を求めたところ、銀行は、返還を拒絶し、支払期日に手形交換によって取り立てて、取引先に対する債権の弁済に充当したという...
《解 説》
一 本件は、血縁上の父であると主張する者が、子を認知するために、その前提として、戸籍上の父と子との間の親子関係不存在確認を求める訴訟であり、本件が一審に係属中に子を第三者の特別養子にする家庭裁判所の審判が確定したため、訴えの利益の存否が問題になり、最二小判平7・7・14民集四九...
《解 説》
一 弁護士である被告人は、不動産所有者らと共謀の上、裁判所が不動産競売の開始決定をした土地建物について、その売却の公正な実施を阻止しようと企て、裁判所に対し、賃貸借契約が存在しないのにあるように装って、土地建物は既に他に賃貸されているので取調べを要求する旨の上申書とともに、競売...
《解 説》
一 本件は、賃貸人である株式会社Xが、賃借人である株式会社Y1に対して、本件建物の賃貸借契約終了を主張して明渡請求等をしている事件である。Y1は平二法六四号附則六条一項により解散とみなされ、Y1代表者Aは有限会社Y2を設立しているので、Xは、Y2も建物の共同占有者であるとして、...