《解 説》
一 訴外Aは、伊勢総合病院に入院し、喉頭蓋チステの治療を受けていたところ、昭和五八年一月、同病院の医師の過誤により死亡したため、その遺族であるXは、定期保険付終身保険契約を締結していたY(保険会社)に対し、右Aの医療過誤による死亡は「不慮の事故」に当たると主張し、災害保険金一四...
《解 説》
一 Xの子である訴外Aは、平成二年三月、意識障害、思考停止等の症状がみられたため、大分大学医学部附属病院を受診したところ、「モヤモヤ病」と診断されたため同病院に入院し、同年五月、同病院において脳・筋・動脈癒合術(以下「EMAS」という。)を受けたところ、手術後、覚醒不十分で意識...
《解 説》
一 本件は、控訴が控訴期間徒過を理由に不適法として却下された抗告人が、第一審判決正本の付郵便送達は不適法なものであり有効に送達されていなかったから、控訴期間を徒過していないと主張して、右却下決定の取消しを求めて抗告した事案である。
二 本決定は、大要次のとおり判示して、原決定...
《解 説》
一 Xは、平成四年四月一五日、島根県津和野町所在の病院において出生したが、重症新生児仮死の状態にあったため、直ちにYの開設する病院(以下「Y病院」という。)に転院し、保育治療を受けていたが、Y病院に入院中にMRSAに感染し、同年五月二日、他の病院に転院して緊急手術を受けたが、大...
《解 説》
一 本件は、村長である被告人Aが、ゴルフ場建設などを営業目的とする甲会社の現地事務所長の被告人Bらから、ゴルフ場についての土地開発協議申出書の送付や村長としての意見進達等につき、有利便宜な取り計らいを受けたことの謝礼等として額面五〇〇万円の小切手一通(以下「本件小切手」という)...
《解 説》
一 本判決は、袋地所有者が、民法二一〇条により巾二メートルの範囲で囲繞地通行権を有すると共に、その部分に上下水道、ガス、電気、電話の配管線をする権利があることを認めたものである。
二 民法二一〇条は、袋地所有者は、公道に出るために囲繞地を通行することができるとし、下水道法一一...
《解 説》
一 被控訴人らは滋賀県公文書の公開等に関する条例により空港整備事務所の折衝費の明細・領収書等の公開を請求したところ、知事は同条例六条七号により申請を却下した。被控訴人らはこの却下処分に対し訴訟を提起し、大津地裁は請求の公文書につき同号に定める事由は認められないとしてこの処分を取...
《解 説》
一 本件は、XがYに対し、立替払した相続税等の不当利得返還請求をしたところ、Yが、不当利得返還義務の存在を争うとともに、別件訴訟において一部請求をしている違法仮処分を理由とする損害賠償債権の残部をもって相殺の抗弁を主張した事案である。争点はこれに限られないが、事項・要旨として取...
《解 説》
一 本件は、A市住民であるXが、A市が締結した工事の請負契約について、①A市長であるY1は、右請負代金支払資金について工事完成後に起債すべきところ、工事完成前に起債及び支出命令をしたことから、代金支払時期までの利息分の損害を被ったとして、Y1に対し、A市を代位して、右利息相当額...
《解 説》
一 概要
本件判決は、いわゆるロス疑惑事件のうちの銃撃事件に対する控訴審判決である。
この事件は、被告人甲野が、その妻Cを殺害して保険金を詐取する目的で、相被告人乙野と共謀の上、ロスアンジェルスの道路上で乙野にライフル銃でCの頭を銃撃させて殺害したとして、甲野と乙野が起訴さ...
《解 説》
一1 本件は、XがAに対してした本件不動産(本件土地とその上にある本件建物。本件建物は第三者に賃貸中であった。)の販売による売上げ等が、昭和六三年六月期の収益となるか(被告の主張)、それとも平成元年六月期の収益となるか(原告の主張)が争われたものである。
2 基本的な事実関係...
《解 説》
リース会社Xは、Y1に対し、歯科医院を経営するY1の患者に対する診療報酬請求事務処理を行うためのコンピュータをリースしたが、Y1がリース料の支払をしないので、Y1及び連帯保証人Y2に対し残リース料を請求した。
Y1は、本件コンピュータは患者数が三万名までは登録が可能ということ...
《解 説》
一 本件は、酒税法(以下「法」という。)九条一項に基づいて酒類販売業の免許(以下「酒販免許」という。)の申請をし、昭和六三年一二月一九日にその拒否処分(以下「本件処分」という。)を受けた原告(大手コンビニエンスストアのフランチャイズ店)が、本件処分をした被告(税務署長)に対し、...