《解 説》
Yは、電子機器等の販売を主たる業とするX株式会社に勤め、その営業所長であったが、取引先であるAに対し、XにおけるAに対する与信限度額である七〇〇〇万円を超え、かつ、会社の規定による上司の決裁を受けず、合計二億九八八六万円余相当のパソコン等を売り渡し、その後A社が倒産したため、X...
《解 説》
Aは乳癌により入院中の平成九年六月四日、病院内において弁護士X1ほか二名立会いの下に危急時遺言をした。X1は、民法九七六条二項に基づき、家庭裁判所に同遺言の確認を申し立てたところ、同日、家庭裁判所調査官がAに真意の確認の調査をした。Aは、同年七月一三日死亡した。同家庭裁判所は、...
《解 説》
Xは歯科医であるが、平成二年七月、Y証券会社の営業担当者Aの勧誘によりワラント四〇口を価格一二八〇万円、手数料九万八六〇〇円で購入したが、その直後、湾岸戦争が勃発したため、株価が低迷し、平成六年三月の権利行使期限までに株価が回復しなかったため、売買されず、無価値のものとなった。...
《解 説》
一 本件は、コンピュータ用ゲームソフト等の製作、販売を主たる業務内容とする原告が著作者人格権及び著作権を有するゲームソフト(本件ゲームソフト)用のパラメータ(プレイヤーの能力を示す数値―能力値)をデータとして収め、本件ゲームソフトのプログラムの実行に当たりゲーム機のハードウェア...
《解 説》
一 本件は、自動車の借主が起こした事故につき貸主が運行供用者責任を負うかどうかが争われた事件である。
1 Yは、所有する本件自動車を友人のAに二時間後に返還するとの約束の下に無償で貸与した。
しかし、Aは、当初から右自動車を長期間使用する意図を持ちながら、これを隠して借り受...
《解 説》
Xはテレホンクラブを開業するためにYから平成七年八月七日にホストコンピューター等を購入し(第一契約)、同月一〇日にマルチサービスシステムソフトOS/2一式等を借り受け(第二契約)、同年九月七日、プリンター等を買い受け(第三契約)、同月一八日からテレホンクラブの営業を始めたが、同...
《解 説》
A県の県民であるXは、愛知県公文書公開条例に基づき、同県代表監査委員Yが保管している「平成七年度の他の自治体からの監査委員事務局への来庁に関する依頼書」の公開を求めたところ、同文書は同条例六条一項二号(個人に関する情報)及び五号(国、他の地方公共団体との協力関係、信頼関係を損な...
《解 説》
Xは建築請負業者であるが、平成五年二月ころ、Yから住宅の建築を請け負い(代金額はXによれば三七四一万円、Yによれば二六五五万円である)、同年一二月末までに本件建物を完成してYに引き渡した。XはYから支払を受けた二四一六万円を控除し、残代金一三二五万円の支払を求めて出訴した。これ...
《解 説》
Xは、昭和六二年四月、Y1県内の学校法人Y2の理事長となり、同六二年一二月以降、Y2に専門学校を併設することを計画してY1に手続をとり、平成元年三月にようやく県知事から設置認可書の交付を受けることができた。Xは、学内等の反対運動により同三年三月二日理事長を辞任し、同年四月七日理...
《解 説》
被告は、建物の維持管理等を業とするカリフォルニア法人であり、日本に営業所を有し、原告アメリカ合衆国から、在日アメリカ大使館の燃料タンクの保守点検等の業務を委託されていた。本件は、被告の従業員であった訴外A他一名が本業務に従事していることを利用して、原告大使館の燃料タンクから長期...
《解 説》
一 本件は、「抗真菌外用剤」に関する発明の特許権者であるXが、「水虫・たむし治療用クリーム剤」及び「水虫・たむし治療用液剤」(被告製剤)を製造販売するYに対して、特許権侵害を理由として、被告製剤の製造販売の差止め、廃棄及び損害賠償を求めた事案である。
本件発明の特許請求の範囲...
《解 説》
一 本件の事実関係は、次のとおりである。(1) 平成三年九月三〇日、大阪地裁は、Aの所有する不動産について、抵当権の実行としての競売の申立てに基づき、競売開始決定をした、(2) 同年一〇月一一日、Aは、破産宣告を受け、被告が破産管財人に選任された、(3) 同月二三日、東大阪税務...
《解 説》
一 株式会社である原告は、他の株式会社(以下「訴外会社」という。)が被告に対して有する貸金債権を同会社から譲り受け、同時に、被告との間で、右譲受債権を目的とする準消費貸借契約を締結した。また、原告は、その後、被告に対し、別途金銭を貸し付けた。
原告は、被告に対し、右各債権に基...
《解 説》
一 本件事案の概要は、青年海外協力隊訓練所に雇用されている外国人の語学講師(Xら)が、雇用主である国際協力事業団(Y)を相手に、一定の年次有給休暇の日数を有することの確認と、年休を超過した分としてカットされた賃金の支払を求めたものである。Xらは毎年雇用期間一年の契約を繰り返し締...