《解 説》
一 自然公園法は、「すぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もって国民の健康、休養及び教化に資すること」を目的として掲げている(一条)。そして、同法によれば、環境庁長官は、「我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地」を、区域を定めて国立公園として...
不動産競売事件において,最低売却価額の決定に当たり,競売市場における特殊性を考慮した減価率を40パーセントとしたことに重大な誤りはないとされた事例
《解 説》
一 本件は、不動産競売事件において、評価人が競売市場の特殊性を考慮して減価率を四〇パーセントとしたことは不当であり、最低売却価額の決定に重大な誤りがあること等を理由とする売却許可決定に対する執行抗告の申立てに対し、最低売却価額の決定に重大な誤りはないとして、抗告を棄却した事案で...
《解 説》
一 本件は、昭和四三年一〇月二一日の「国際反戦デー」に、被告人らベトナム戦争反対を唱える多数の学生が中心となって、当時国鉄新宿駅を経由して行われていた米軍用ジェット燃料輸送を阻止するため、新宿駅周辺で集団示威行進を行った上、駅構内を占拠し、列車等の運行を妨害するなどして駅の内外...
《解 説》
一 外国裁判所の判決を我が国において執行するには、執行判決を得なければならないが(民事執行法二四条、二二条六号)、本件は、アメリカ合衆国のカリフォルニア州裁判所においてY1社及びY2(Y1の代表取締役であった者)に対しX(オレゴン州のパートナーシップ。我が国の民法上の組合、合名会...
《解 説》
一 本件は、学校教員と学校法人との間の雇用契約をめぐる争いである。Xらは、学校法人Y(中学・高校を経営)に専任講師として雇用されたが、臨時雇用契約期間終了通知を送付された。そこで、Xらは、Yに対し、雇用契約上の権利を有することの確認及び未払賃金の請求をした。これに対して、Yは、...
《解 説》
一 本件は、宇都宮地決平2・11・2(行集四一巻一一・一二号一八一一頁)の執行停止決定の本案事件であり、本誌八七九号一四八頁に掲載された宇都宮地判平6・5・25の控訴審判決である。原審の判断が全面的に是認されたものであり、事案の概要等の詳細は、原判決についての前記コメントを参照...
《解 説》
一 Xは、平成四年一月当時、佐賀県立唐津東高校の生徒であったが、同月一六日、同校体育館内において、正課体育の授業としてラグビーの練習に参加した際、多数の生徒により背中から覆い被さられ、頚椎捻挫の傷害を負った。
そこで、Xは、体育担当教諭には、①練習開始前に、この練習に付随、発...
《解 説》
一 Xは、貸金業等を目的とする会社であり、平成五年四月、訴外A会社に対して六〇〇〇万円を貸し付けたが、その際、右貸付の担保として、訴外B会社が振出し、Y(合資会社)が引受けした本件手形(額面金額及び支払日は白地)の交付を受けた。
しかし、その後、A会社が右借受金を支払わないた...
《解 説》
一 本件は、執行官の現況調査の過誤を理由とする国家賠償請求事件である。
1 本件土地(面積約五万四〇〇〇㎡の山林)につき不動産競売手続が開始され、現況調査が命じられた。現況調査を担当したA執行官は、地元の町役場職員の指示説明に基づいて調査の対象となる土地を特定し、現況を調査...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、平成七年四月の愛媛県議会議員選挙で当選した被告甲に対し、選挙犯罪の判決が確定したA、B及びCが公選法二五一条の三第一項所定の「組織的選挙運動管理者等」に当たるとして、いわゆる新連座制の適用による当選無効と五年間の立候補禁止が請求された事案である。甲は、...
《解 説》
一 本件は、請負人の報酬請求に対して注文者が瑕疵修補に代わる損害賠償債権を自働債権とする相殺の意思表示をした場合に、注文者は、相殺後の報酬残債務について、何時から履行遅滞による責任を負うかが問題とされた事案である。
二 Xは、Yからホテル新築工事を請け負い、工事を完成させてこ...