《解 説》
一 本件は、「事案の概要」にも説明がある通り、癌の摘出手術を受けた者が術後四日目に肺血塞塞塞症(肺塞塞)を起こして死亡したことにつき、医師の対応が争われた事例である。
平成六年一〇月二五日、当時六八歳であったAは、被告Y1が運営する宇都宮病院で前立腺癌の摘出手術を受け、その手...
《解 説》
一 Xらは、昭和六一年五月から、三重県上野市の「上野ニュータウン」内に居住する夫婦であるが、個人または会社名義で建物の解体工事等を業とするYらが、昭和六二年ころから、右ニュータウンから約四七〇メートル離れた所有地に建物解体の際に排出された建設廃棄物を搬入して、産業廃棄物の野焼き...
《解 説》
一 本件は、X1(日本共産党中央委員会幹部会委員・国際部長)、その妻X2、その母X3が、神奈川県警察本部警備部公安第一課に所属する警察官らによって、日本共産党に関する情報を収集するために自宅の電話の通話内容を継続的に盗聴されるなどしたため、多大な精神的苦痛を被った等と主張して、...
《解 説》
宗教法人Y1、Y2は写真週刊誌を発行するXに対して名誉毀損を理由として謝罪広告の掲載等を求める訴訟(前訴)を提起したが、前訴において、Xが同誌上において客観的かつ公正な報道をする、Y1らはその余の請求を放棄する等の内容の和解が成立した(和解条項の詳細につき、別紙その一参照)。そ...
《解 説》
一 昭和六〇年七月二六日、長野市郊外の地附山(標高七三三メートル)の南東斜面において大規模な地滑りが発生し、下部山腹にあった老人ホーム及び湯谷団地に流下した土砂により死者二六名、重軽傷者三名、全壊家屋五〇棟、半壊家屋五棟、一部損壊家屋九棟の被害が発生した。同団地内に土地、家屋、...
《解 説》
一 本件は、被告による動物の縫いぐるみの小物入れの製造販売が不正競争防止法の商品形態模倣行為に当たるとして、原告が差止め及び損害賠償を求めた事案である。
原告は、「ミニチュアリュック」と名付けたキーホルダーと小物入れが付いた縫いぐるみを商品化し、平成六年三月から製造・販売して...
《解 説》
X1は、父A及び母Bの長男、X2が二男、Yが長女、X3が三男であり、順次相続により本件土地三筆と建物一棟を共有しているところ(但し、持分については争いがある)、Xら三名はYに対し、競売による代金の分割を求めて提訴した。裁判所は、Yの尋問を終えた後、当事者双方に本件土地につき、X...
《解 説》
X1は少林寺拳法により門信徒を教化育成するなどの業務を行うことを目的とする禅宗系の宗教法人であり、X2は、少林寺拳法の普及、振興を図ること等を目的とする財団法人である。Yら両名ほか一名は、かつてX1及びX2の元幹部であったが、いずれもX1から破門、X2から除名の処分を受けていた...
《解 説》
亡きAの長女Xは、Aの長男であるY1及びその妻でAの養子となったY2に対し、Aから右Yらへの遺贈がXの遺留分を侵害するとして減殺の意思表示をして不動産の持分移転登記を求め、あるいは不動産の処分により持分権を侵害されたと主張して損害賠償を求め、さらにAから売買により不動産を買い受...
《解 説》
一 本件は、機器販売を業とする原告が、韓国の会社に対して機械を輸出するに際し、韓国国民銀行を発行銀行、被告を通知銀行とする荷為替信用状(L/C)による決済方式をとっていたところ、原告は適切な買取申請をしたのに、被告が、右買取申請書に荷為替信用状に必要とされていない船積指示書を原...
《解 説》
一 Xは、昭和四九年一一月、Yの妻Aを借主として四五〇万円を貸し渡した際、Yが連帯債務者となったとし、平成八年に至って、Yに対し、貸金残金三九五万円と遅延損害金を求めるため本訴を提起した。
原審は、Yが口頭弁論期日に出頭しなかっため、X勝訴の欠席判決を言い渡し、この判決正本は...
《解 説》
一 本件ゴルフ場は昭和四八年にA社により開設され、原告らはA社との会員契約(預託金五〇万円程度)に基づく個人正会員であった。昭和六二年九月にB社はA社から、平成四年三月に被告はB社から、それぞれ本件ゴルフ場の営業を譲り受け、会員に対する権利義務を承継した。B社及び被告は、A社時...
《解 説》
一 本件は、Y漁業協同組合が免許を受けた第二種共同漁業権に係る漁場でY組合の制定した漁業権行使規則の定めに従い漁業権管理委員会の許可を受けて小型定置漁業を営んでいた組合員Xに対して、Y組合においては共同漁業権の行使者の決定権限を総会決議に留保する旨の総会決議が全員一致でされてお...
《解 説》
一 Xは、ドイツの自動車部品メーカーであり、アルミホイール等の製品により世界的に著名な企業である。
Xは、自動車の車輪(アルミホイール)に関する発明について我が国において特許権を有するが、同一発明についてドイツにおいても特許権(対応ドイツ特許権)を有し、その実施品をドイツ国内...
《解 説》
本件は、借地権の設定されている土地の買主が借地権者に対して所有権に基づき土地の明渡しを求めた事案であり、本判決は、対抗力のない借地権を権利濫用法理により事実上保護するに当たって、限界的な判断を示したものである。
一 本件の事案の概要は、以下のとおりである。係争土地は、X補助参...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和二六年に中国に生まれ、同国の大学を卒業して新聞社の記者や通信制大学の副学長として務めていたが、平成元年一月、人文活動を目的とする短期滞在の資格で滞在し、期間更新を経ながら出版社に勤務し、書籍の企画編集、執筆・講演活動等を行っていた。
Aは、平成二年六月、自転...
《解 説》
一 本件は、被告人が、①氏名不詳者と共謀の上、二一歳の女性Aに対し、クレジットカード会社従業員を装い、ハンバーガーショップ内で対面して、クレジットカードを預からせて欲しいなど嘘の事実を告げて、クレジットカードを騙取したという詐欺と②同種手口による詐欺未遂各一件の事案であるところ...