《解 説》
一 A(地方公務員)は、昭和六一年三月一九日Y2の運転する軽四貨物自動車(B所有)に衝突・転倒して、傷害を負った。X(地方公務員災害補償基金)は、Aに補償し、AがY2及びY1(BはY1保険会社との間で対人賠償保険契約を締結)に対して有する損害賠償請求権を取得した。そこで、Xは、...
《解 説》
一 本件は、昭和六〇年一二月一七日、岡山県倉敷市の水島製油所において、ケミカルタンカー「第六明和丸」(本船)にベンゼンを積込作業中、本船のタンクが爆発炎上し、本船が損壊して乗組員二名も死亡した事故(本件事故)につき、本船の所有会社及び本船への乗組員派遣会社であった原告らが、本件...
《解 説》
X男とY女は、昭和四八年五月に婚姻した夫婦であり、平成二年一二月以降、Yが子を連れて家を出て以来、別居していたものである。
XはYに対し、悪意の遺棄を理由に離婚、慰謝料及び財産分与を求めて出訴したところ、YもXに対し、婚姻関係の破綻を理由に離婚、慰謝料及び財産分与を求めて反訴...
《解 説》
本件は、いずれも全国酪農業協同組合連合会の業務に関し、全酪連宮城工場において、①全酪連本所の乳業生産部長及び宮城工場長が、多数の全酪連本所の職員や宮城工場の従業員と共謀の上、脱脂乳と凍結クリームを混ぜて造った還元乳を生乳に混入して製造した加工乳について、その容器に「成分無調整」...
《解 説》
一 本件マンションの専有部分である一〇一号室の用途制限の内容に係る同室の区分所有者(本訴原告反訴被告、上告人)と管理組合(本訴被告反訴原告、被上告人)らとの間の紛争である。事案の内容は、本判決及び原判決(本誌七八〇号一九四頁)を参照していただきたい。
争点は、現在の一〇一号室...
《解 説》
一 Y社では、昭和四〇年、K社の鉄道保険部(主として国鉄の退職者を雇用していた特殊な組織であったようである。)で取り扱ってきた保険業務を引き継いだのに伴い、同部で勤務していた労働者をそれまでどおりの労働条件で雇用し、それ以来長年にわたり、組合との間で、鉄道保険部出身の労働者とそれ...
《解 説》
一 有限会社法一九条二項は、社員がその持分を社員でない者に譲渡しようとする場合においては社員総会の承認を要するものと規定している。本件では、社員総会の承認はないが、譲渡人以外の社員全員が譲渡を承認していた場合に、当該譲渡が譲渡当事者以外の者に対する関係においても有効といえるかが...
《解 説》
一 まず、本件事案の概要について説明を加えておく。
建設大臣は、昭和六一年一二月一六日、本件事業認定を行い、北海道収用委員会は、平成元年二月三日、国を起業者とする沙流川水系二風谷ダム建設工事に伴い土地の権利取得裁決及び明渡裁決(本件裁決)をした。これに対し、アイヌ民族である原...
《解 説》
一 ゴルフ会員権を貸金等の譲渡担保に供する場合に、譲渡担保権者である金融会社の選択するところに従い、当該会員権を処分又は帰属清算の方法で処分でき、譲渡担保設定者は譲渡担保権者の請求があり次第、当該会員権の名義を譲渡担保権者あるいは譲渡担保権者の指定する第三者に対して名義変更承認...
《解 説》
一 本件のうち判示事項に関係する部分の事案の概要は、Y2は弁護士Y4を申立代理人として、Xを債務者とする動産仮差押の申立てをし、仮差押決定を得て仮差押え執行がされたが、その後提起された本案において請求棄却の判決が確定したため、仮差押えの申立てが取り下げられ仮差押え執行が取り消さ...
《解 説》
Xら六名は、Yから土地を賃借し、地上建物を所有していたが、賃料不払を理由に賃貸借契約を解除され、建物収去と土地の明渡しを求める訴えを提起された。Xらの訴訟代理人AとYは、平成七年一二月七日、裁判上の和解を成立させ、これによりXらは同八年八月末日限り建物を収去して土地を明け渡し、...
《解 説》
一 本件は、国税犯則取締法(以下「国犯法」という。)二条に基づく強制調査(捜索差押)を受けたXが、骨子以下のような事実関係の下で、強制調査の違法を主張して、国家賠償の請求をした事件である。
X(金融機関)の取引先である本件嫌疑者は、国税ほ脱の手段として、Xにおいて仮名預金をし...
《解 説》
一 本件事案は、以下のようなものである。中核派に近い政治的立場を採る甲は、関西新国際空港建設反対を唱えて泉佐野市議会議員選挙に立候補し、当選者二八人中二七番目の得票数で当選した。この選挙において甲を当選させる目的で、中核派の構成員と目される者五五名が集団で、泉佐野市に居住してい...
《解 説》
一 X1は、昭和六三年九月当時、広島市立早稲田小学校の六学年に在籍していた者であるが、同月九日、学校のプールで実施された水泳練習に参加し、逆飛び込みを行った際、プールの水底に頭部を衝突させて、頚髄損傷の傷害を負い、不全四肢麻痺等の後遺障害が残った。
そこで、X1とその父X2、...
《解 説》
一 Xら(父子)は、その所有の本件土地の一部をA社に売買することになり、平成四年一二月二八日Xら宅でその旨の売買契約を締結したが、その際に、立ち会ったY社従業員Bらにいわれるままに、本件根抵当権設定契約証書、担保提供承諾書、登記委任状に署名押印した(ただし、押印はBにおいてした...
《解 説》
本件は、老人の在宅介護について、イラストや漫画を交えてわかりやすく説明したり、経験者の体験談を載せた書籍の著作物をめぐって、その著作権がXとY1のどちらに帰属するのか、あるいは、XとY1のそれぞれの書籍の発行行為が他方の著作権を侵害するものか否かが争われた事案である。
本件の...