《解 説》
一 Xは、貸金返還請求事件について一審において、三億八一五〇万円の支払を命じられたので、これを不服として控訴したが、法定の手数料を収入印紙をもって納付しなかったところ、裁判長から、控訴の手数料として、収入印紙一八九万五四〇〇円の納付を命ずる補正命令を受けたため、これを不服として...
《解 説》
一 事案の概要
Xは、A弁護士会に対し、入会を申し込み、A弁護士会を経てY(日弁連)に対する弁護士名簿への登録の請求の進達を求めたところ、A弁護士会は、Xが弁護士法一二条一項前段所定の「弁護士会の秩序若しくは信用を害する虞がある者」に当たるとして、進達を拒絶する旨の処分(本件...
《解 説》
Xら二名はそれぞれY1県のY2知事に対し、情報公開条例に基づき女川原子力発電所使用済核燃料の輸送計画に関する公文書の開示を申し立てたところ、Y2は本件各公文書の一部につき、同条例九条四号(犯罪の防止に支障がある)、五号(電力会社との信頼関係を損なう)、七号(県の事務事業の円滑な...
《解 説》
一 本件は、死亡した乳児の両親X1、X2が、被告市Y1及び市立病院の産婦人科医Y2に対し、出産後、乳児が死亡したのは、Y2の過失が原因であるとして賠償を求めた事案である。
X1は、第三八週目の定期検診を受けた際、Y2から直ぐに入院するよう指示され、午後三時ころ入院した。Y2は...
《解 説》
一 Xは、昭和三一年に交通事故で左下肢大腿部切断の重傷を負ったが、昭和五五年まで断続的に国民年金及び厚生年金保険に加入し、保険料を納付してきた。Xは、昭和四九年に旧国民年金障害福祉年金の、昭和六〇年に旧厚生年金通算老齢年金(厚年通老)の受給権を各取得し、昭和六一年に障害福祉年金...
《解 説》
一 本件は、満期が変造されたため変造前の満期が振出日より前の日付となった確定日払の約束手形の効力が争われた事案である。
二 本件の事実関係及び訴訟の経過の概要は、次のとおりである。
1 Yは、平成三年一〇月二四日、Aに対し、いずれも満期を平成三年一一月二二日、振出日及び受取...
《解 説》
一 Xは、建築資材の販売を目的とする会社であるところ、平成六年二月から同年八月までの間に、訴外A会社とY会社の二社から成るA・Y共同企業体(以下「本件共同企業体」という。)に対し、代金合計一四一万九一七五円相当の建築資材を売り渡したが、A会社が平成六年八月に破産宣告を受けたため...
《解 説》
一 いわゆる官官接待などに使われた地方自治体の食糧費の使途を明らかにするため、住民が情報公開制度によって食糧費に関する公文書の開示を求める動きが強まっている。本件は、東京都の住民である市民団体代表が、東京都公文書開示条例に基づいて、都知事を相手に、東京都の臨海副都心開発の関係部...
《解 説》
一 甲(原告)は、市議会議員選挙に立候補し、当選した者であるが、その後、選挙法違反の容疑により逮捕勾留されたため、議員辞職願を市議会議長乙(被告)に提出した。折から議会が閉会中であったため、乙は、地方自治法一二六条ただし書に基づき議員辞職許可処分をし、市選挙管理委員会に対し、公...
《解 説》
一 本件は、Y1会社の女性従業員であるXが、社長であるY2からいわゆるセクシャルハラスメントを受け、さらに理由なく解雇されたとして、Yらに対して不法行為に基づく損害賠償を、Y1に対して解雇予告手当の支払を求めていたもので、本判決は、X主張のセクハラの事実の一部と不当解雇について...
《解 説》
Aは、Y保険会社との間で自損事故保険金を一五〇〇万円、搭乗者傷害保険金を一〇〇〇万円とする自動車総合保険契約を締結していたところ、平成七年一月二三日、六〇センチメートルの積雪のあった宇奈月温泉の駐車場で自動車のエンジンを始動させたまま、運転席において一酸化炭素中毒により死亡して...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、被告が平成八年一月二六日発行の東京新聞朝刊二三面冒頭において、紙面の約半分の幅及び九段抜きで、『「メイセー」所有ビル』、『住総が高値で買い取り』、『差し押さえ・越境物件』なる大見出しのもと、『住宅金融専門会社「住総」が、メイセー所有物件を、評価額の二倍...
《解 説》
一 労働力人口の高齢化を背景として、昭和五〇年代から定年延長等による高年齢労働者の雇用安定が政策課題となっているが、一方、個別企業においては、定年延長は人件費の増大等を伴い、賃金体系等の見直しの契機とならざるを得ない。本件は、五五歳から六〇歳への定年延長に伴って新たに就業規則等...
《解 説》
一 本件は、東京都が新宿駅西口の地下通路で進めていた「動く歩道」の設置工事に伴い、平成八年一月二四日朝、都職員が同通路の路上生活者(いわゆるホームレス)が住む段ボール小屋を撤去するための作業などを、威力をもって妨害したとして、路上生活者の支援者であった被告人両名が威力業務妨害罪...
《解 説》
一 X1は、中学一年生であった昭和六三年八月(第一次治療)及び平成元年三月(第二次治療)、口腔右下顎部に腫れと痛みを覚え、一人で、開業医である歯科医Yの治療を受けたが、平成元年五月、X1は別の病院において「右下顎部エナメル上皮腫」との確定診断を受け、同年六月と平成四年八月に、右...
《解 説》
一 本件は、ピアス孔の保護具を製造販売する原告らが、かつて原告らのうち一社から右製品を仕入れ販売し、後に自ら同種商品を販売し始めた被告に対し、右商品の販売が不正競争防止法二条一項三号の不正競争行為にあたるとして損害賠償等を求めた事案である。原告の商品が「同種商品が通常有する形態...
《解 説》
Yは抵当権に基づきAの所有する本件不動産について競売を申し立て、競売が開始されたが、国XはAに対する租税債権に基づき本件不動産を差し押さえ、執行裁判所に対して交付要求をした。Xの係官は右交付要求書において昭和四五年分の期限後申告に基づく所得税債権について、本税を四万円、延滞税を...