《解 説》
一 Aは被害者二名の殺人・放火事件(平成元年三月二八日発生)で重要参考人として取調べを受けていたところ警察署の取調室で死亡した。そこで、Aの遺族であるXらは、①Aの死亡は警察の違法な取調べにより精神的・肉体的に追い詰めて、Aにけいれん発作を起こさせたことに起因し、その際、警察官...
《解 説》
一 ダウン症は、何らかの原因により二一番染色体の過剰(トリソミー)を起こした生殖細胞が受精に関与したために生じた先天性異常であり、筋緊張の低下、奇形、知能発達の遅れ等を特徴とする。
二 近年、胎児異常の原因についての知識と診断技術が進歩し、ダウン症候群をもつ胎児に対しても、羊...
《解 説》
一 原告らの娘A(昭和六三年四月二七日生)は、眼科の検査を受けるため、昭和六三年一二月二四日、被告が開設する病院に入院した。ところが、Aには、同月二六日、発熱、下痢の症状があらわれたため、予定されていた退院が延期され、同月二七日、小児科との共観となり、点滴注射による輸液が開始さ...
《解 説》
一 X町においては、平成八年六月二六日、モーテル類似施設建築規制条例を制定し、同年七月一日これを施行した。同条例によれば、通学路の側端から二〇〇メートルの範囲内にあるモーテル類似施設について町長の同意がない限り建築できないとし、条例違反の建築工事に対し中止を求める措置命令を発す...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、河川で溺死した子供の両親が、子供の溺死は河川を掘削した後十分な埋め戻しをしないまま放置した点において、高知県知事による河川管理の瑕疵があったとして、国賠法二条一項、三条一項に基づき、河川管理者の費用負担者である高知県に対し、損害賠償を求めたが、高知県は...
《解 説》
本件は、納税者Xの雑所得となるA社に対する貸付金の利息及び保証料の帰属年分が争われた事案である。Xは、右利息等につき、二、三の間違いはあったが、継続して支払日基準で記帳していたとして、所得税基本通達三六―八(7)を援用した。これに対し、Y税務署長は、右利息等について弁済期の定め...
《解 説》
一 本件は、宮崎県民である原告が、宮崎県情報公開条例(以下「本件条例」という)に基づき、宮崎県が資本金の四分の一を出資するフェニックスリゾート株式会社(以下「本件法人」という)の株主総会において宮崎県に配布された文書の開示を請求したのに対し、実施機関である県知事(被告)が、その...
《解 説》
Xは、大手証券会社Yとの間で株式の信用取引委託等の取引があったが、Yの社員Aらの勧誘が不法行為に当たると主張し、Yに対し総額三一四〇万円余の損害賠償を求める訴えを提起した。
本件判決は、その控訴審のものであり、原判決を引用しているため、判決理由の詳細は不明であるが、一部につい...
《解 説》
本件は、勤務場所の変更を命じる配転命令に従わず、それを理由に懲戒解雇された従業員が、配転命令及び懲戒解雇の無効を主張して、旧勤務場所に勤務する労働契約上の地位の確認とバックペイの支払を請求したものである。すなわち、原告(独身女性)は、被告から平成五年二月八日に同年三月一五日付け...