《解 説》
本判決要旨は、最高裁第二小法廷において本件と同日言い渡された平成五年(オ)第一三号事件判決の判決要旨二と同様の考え方に基づくものである。平成五年(オ)第一三号事件判決においては賃貸人が目的土地の所有者であるという場合が想定されているが、本件は、賃貸人が所有者である第三者から土地...
《解 説》
一 本訴は、原告が被告との間で、引渡検査日の確定期限を定めて被告にカラオケ施設の建築工事を請け負わせるとともに、被告からカラオケ機器を買い入れる契約を結んでいたところ、被告の下請業者A社が建築確認申請を遅延し、申請内容にも不備があったことから、確定期限までに建築工事を完成させる...
《解 説》
一 本件は、捜査段階においてタイ国籍を有する被告人らの取調べの通訳に当たったタイ語を母国語とする通訳人の適格性が争われ、被告人らの各自白調書はその信用性を否定すべきものであると主張された事案についての控訴審判決である。
二 本判決は、まず、捜査段階において外国語を母国語とする...
《解 説》
一 本件は、Yがした建築確認処分(本件処分)について、建築敷地の隣接地を所有し、これに居住する住民Xが、同処分が建築基準法一九条、四〇条により敷地の安全性について規定する宮城県建築基準条例(県条例)に違反するとして、その取消しを求めた事案である。原審(判自一三九号八五頁)では、...
《解 説》
一 書籍等の取次販売を業とする大手の株式会社のXが、Y銀行に対し、平成六年三月三一日、同年四月三〇日及び同年五月三一日をそれぞれ振出日とする小切手の取立の委任をした。Y銀行は、さらにA銀行に取立を委任したところ、A銀行は各支払呈示の当日右小切手の振出人の当座預金口座に決済資金が...
《解 説》
一 原告らは、郵便局等に勤務する郵政職員であるが、所属の郵便局長等は、近畿郵政局長達第五九号等を受けて、氏名札の着用を命ずる職務命令を発し、これに従わない職員に対し、訓告処分を発した。
郵政省人事局長通達等によれば、引き続く一年以内に三回以上の訓告処分を受けた職員は、定期昇給...
《解 説》
Xの夫Aは、Yとの間で基本契約死亡共済金を四〇〇万円、その死亡が不慮の事故等を直接の原因とする場合に支払われる災害死亡共済金を四〇〇万円、発効日を平成四年六月一日、満期日を同五年五月三一日とする共済契約を締結していたところ、Aは同年同月二三日、米国カリフォルニア州ビバリーヒルズ...
《解 説》
一 本件は、私立高校女子部の生徒である原告が、普通自動車運転免許の取得を制限し、パーマをかけることを禁止する校則に違反したこと等を理由として、自主的に退学するように勧告され、右勧告に従って退学届を提出した結果、同校の生徒の地位を失ったことにつき、右勧告の適否が問題となったもので...
《解 説》
一 本件は、K市長がした都市公園内に船舶を係留していた者に対する船舶の除却命令の取消し(以下「本件取消し」という。)を求める訴えにつき、同命令は既に代執行されたことから、その訴えの利益の有無が問題となったものである(本件取消しの他に、K市に対する国家賠償も請求されているが、ここ...
《解 説》
Xは弁護士であるが、離婚事件の被告Aの代理人であったときにAが仮差押えを受けた不動産をXの事務員らが代表取締役等を勤める株式会社が購入するため便宜を図ったとして、所属弁護士会Y1の懲戒委員会(当時の委員長Y2)より、右所為は法二八条及び弁護士法一六条に直接該当しないが、これらの...
《解 説》
Xは弁護士であるが、平成六年二月一五日、三名の者から弁護士会に対し懲戒申立てを受けた。綱紀委員会は同年九月五日、Xに対する懲戒を相当とする議決を行い、懲戒委員会の審査に付した。本訴は、Xから弁護士会、右申立て及び議決当時の弁護士会長、綱紀委員、懲戒申立人及びその代理人らを相手に...
《解 説》
Xは、昭和六三年四月から平成元年四月までの間、六回にわたりY証券会社から自己又は子らの名義で投資信託を買い、代金合計六八六万円を支払った。各投資信託は、七ないし八年後に償還期限を迎え、償還された金額は元本を下回った。Xは、投資信託が元本割れする可能性のあることについて説明を受け...
《解 説》
一 本件は、県議会議員選挙において当選した原告の選挙運動における出納責任者が公職選挙法(以下「法」という。)二二一条三項三号の罪により刑に処せられたことにより、放置すると法二五一条の二第一項二号の規定により原告の当選が無効とされ、併せて五年間立候補が禁止されることになるため、原...
競売不動産の利用について公法上の規制が存することが代金納付前に判明した場合の民事執行法 75条の類推適用の可否(積極)
《解 説》
一 Xは、平成二年八月、事務所、ロビー、ショールーム、会議室などとして使用する目的で、Yから、Yの所有する建物の一階部分(以下「本件建物」という。)を、賃貸期間二年、賃料月額四二二万八八〇〇円、保証金三億七〇〇〇万円(契約終了時に二割を控除して返還する。)との約定で賃借し(以下...