《解 説》
一 本件は、Yがした建築確認処分(本件処分)について、建築敷地の隣接地を所有し、これに居住する住民Xが、同処分が建築基準法一九条、四〇条により敷地の安全性について規定する宮城県建築基準条例(県条例)に違反するとして、その取消しを求めた事案である。原審(判自一三九号八五頁)では、...
《解 説》
一 書籍等の取次販売を業とする大手の株式会社のXが、Y銀行に対し、平成六年三月三一日、同年四月三〇日及び同年五月三一日をそれぞれ振出日とする小切手の取立の委任をした。Y銀行は、さらにA銀行に取立を委任したところ、A銀行は各支払呈示の当日右小切手の振出人の当座預金口座に決済資金が...
《解 説》
一 原告らは、郵便局等に勤務する郵政職員であるが、所属の郵便局長等は、近畿郵政局長達第五九号等を受けて、氏名札の着用を命ずる職務命令を発し、これに従わない職員に対し、訓告処分を発した。
郵政省人事局長通達等によれば、引き続く一年以内に三回以上の訓告処分を受けた職員は、定期昇給...
《解 説》
Xの夫Aは、Yとの間で基本契約死亡共済金を四〇〇万円、その死亡が不慮の事故等を直接の原因とする場合に支払われる災害死亡共済金を四〇〇万円、発効日を平成四年六月一日、満期日を同五年五月三一日とする共済契約を締結していたところ、Aは同年同月二三日、米国カリフォルニア州ビバリーヒルズ...
《解 説》
一 本件は、私立高校女子部の生徒である原告が、普通自動車運転免許の取得を制限し、パーマをかけることを禁止する校則に違反したこと等を理由として、自主的に退学するように勧告され、右勧告に従って退学届を提出した結果、同校の生徒の地位を失ったことにつき、右勧告の適否が問題となったもので...
《解 説》
一 本件は、K市長がした都市公園内に船舶を係留していた者に対する船舶の除却命令の取消し(以下「本件取消し」という。)を求める訴えにつき、同命令は既に代執行されたことから、その訴えの利益の有無が問題となったものである(本件取消しの他に、K市に対する国家賠償も請求されているが、ここ...
《解 説》
Xは弁護士であるが、離婚事件の被告Aの代理人であったときにAが仮差押えを受けた不動産をXの事務員らが代表取締役等を勤める株式会社が購入するため便宜を図ったとして、所属弁護士会Y1の懲戒委員会(当時の委員長Y2)より、右所為は法二八条及び弁護士法一六条に直接該当しないが、これらの...
《解 説》
Xは弁護士であるが、平成六年二月一五日、三名の者から弁護士会に対し懲戒申立てを受けた。綱紀委員会は同年九月五日、Xに対する懲戒を相当とする議決を行い、懲戒委員会の審査に付した。本訴は、Xから弁護士会、右申立て及び議決当時の弁護士会長、綱紀委員、懲戒申立人及びその代理人らを相手に...
《解 説》
Xは、昭和六三年四月から平成元年四月までの間、六回にわたりY証券会社から自己又は子らの名義で投資信託を買い、代金合計六八六万円を支払った。各投資信託は、七ないし八年後に償還期限を迎え、償還された金額は元本を下回った。Xは、投資信託が元本割れする可能性のあることについて説明を受け...
《解 説》
一 本件は、県議会議員選挙において当選した原告の選挙運動における出納責任者が公職選挙法(以下「法」という。)二二一条三項三号の罪により刑に処せられたことにより、放置すると法二五一条の二第一項二号の規定により原告の当選が無効とされ、併せて五年間立候補が禁止されることになるため、原...
競売不動産の利用について公法上の規制が存することが代金納付前に判明した場合の民事執行法 75条の類推適用の可否(積極)
《解 説》
一 Xは、平成二年八月、事務所、ロビー、ショールーム、会議室などとして使用する目的で、Yから、Yの所有する建物の一階部分(以下「本件建物」という。)を、賃貸期間二年、賃料月額四二二万八八〇〇円、保証金三億七〇〇〇万円(契約終了時に二割を控除して返還する。)との約定で賃借し(以下...
《解 説》
一 本件の事実関係の詳細は判文に譲るが、要約すると次のようになる。承継前原告Aが本件不動産を所有していたが、Aの息子であるX2がAに無断でその所有名義をXらに移し、これを譲渡担保として四億円を借り入れた。ところが、貸主から譲渡担保の実態は売買契約であるとして本件不動産の明渡しを...
《解 説》
Xらは第二次世界大戦中に朝鮮半島から女子勤労挺身隊員として募集され(X1・X2)、あるいは徴用により来日し(X3)、Yの工場において労働に従事し、昭和二〇年に帰国した。Xらは、賃金が未払いであると主張してYにその支払を求め、さらに劣悪な環境下で強制労働を命じられ、労働時間以外に...
《解 説》
一 Xは、平成三年一〇月当時、○○電鉄株式会社に勤務していた者であるが、同月三日夜、Xら一家がかつて居住していた県の居宅(以下「本件建物」という。)から火災が発生し、本件建物及び本件建物内の家財が全焼した。
そこで、Xは、本件建物及び本件建物内の家財を目的物として、火災保険等...
《解 説》
一 被告人は、覚せい剤使用の罪で懲役一年六月、三年間執行猶予に処せられ、その猶予期間中に再び同じ罪を犯して起訴されたが、第一審判決は、父親の通報で事件が発覚したことや父親において入院の手はずを整えていることなどを斟酌し、被告人を懲役一年、五年間執行猶予、付保護観察に処した。これ...