《解 説》
一 Xは、Y1の経営するスイミングスクールのアルバイト水泳指導員であり、上司のY2の監督を受けながら受講生の水泳指導をしていた。
事故当日、Xは、指導員二名で一五名の受講生を水泳指導する予定であったが、他の指導員が休みをとったために、Y2の指示により一五名の受講生を一人で指導...
《解 説》
一 本件は、京都市教育委員会が、カセットテープを購入して、これに君が代を録音して学校に配付し、卒業式などでこれが再生演奏されたため、君が代反対の立場より提起された住民訴訟である。原告らは、テープ購入は君が代を強制する目的にでたものであり、また憲法の保障する思想良心の自由などを侵...
《解 説》
X1の子で大学一年生のX2(一八才)は、Y区が設置した公園のいわゆるターザンロープで遊んでいたところ、同ロープの台座から転落し、頭蓋骨線状骨折等の傷害を負った。Xらは、Yの公園緑地課長Aにおいて公園の管理上過失があったと主張して損害賠償を求める訴えを提起した。Xらの責任原因に関...
《解 説》
一 Xは、昭和六三年三月、訴外A証券会社に入社して営業活動をしていたが、平成二年ころから証券市況が悪化し、自分が担当していた顧客が投資信託の値下りによって損失が生じたことから、証券取引上禁止されている損失補填を自己資金で行うようになった。そして、その後、Xは、営業ノルマをこなす...
《解 説》
XはAに対し、認諾調書に基づき、八九〇万円の損害賠償請求権を有していたが、AにはBがYに対して有していた六七〇万円の準消費貸借契約に基づく債権のうち一〇〇万円の譲渡をBから受けた以外に見るべき資産がないとして債権者代位権に基づき、Yに対し一〇〇万円の支払いを求めた。これに対しY...
《解 説》
本件は、被告発行の転換社債を複数取得した原告が、複数の架空名義に分散して転換請求を行い(右名義が架空名義であり真実の権利者が原告であることについては争いがない。)、右架空名義人が単位未満株主として登録された後(架空名義人四一七名・各九八五株・なお一単位は一〇〇〇株)、右各架空名...
《解 説》
本件は、現に訴訟係属中の事件において自働債権として相殺の抗弁を主張している債権を別訴において請求した事案である。本件判決は、右のような場合においても審理の重複と判断の矛盾を避けようとする民訴法二三一条の趣旨は妥当するとして、本件請求中、係属中の先行訴訟において相殺の抗弁が提出さ...
《解 説》
一 Xは、殺人未遂等被告事件で懲役一〇年の確定判決を受けて熊本刑務所で服役中の者であるが、(一)平成三年四月、実母及び二男宛の手紙(本件信書)の発信が不許可にされたこと、(二)同年五月、刑務作業後の洗体の際に使用水量を制限されタオルの石けんによる洗濯を禁止されたこと、についてい...
《解 説》
一 被相続人が、相続人に対し、生前贈与し、又は遺産相続に関して相続分の指定、遺贈等の遺言をした場合、これらの処分が相続人の遺留分を侵害することがある。この場合、遺留分を侵害された相続人は、遺留分減殺請求権を行使することによって当該贈与又は遺言の効力を遺留分侵害の限度で否定するこ...
《解 説》
一 本件は、強制競売の目的物である建物に借地権が存在することを前提として建物の評価及び最低売却価額の決定がされ、売却が実施されたことが明らかであるにもかかわらず、実際には建物の買受人が代金を納付した時点において借地権が存在しなかった場合に、建物の買受人が、買受けの目的を達するこ...