《解 説》
1 事案の概要は以下の通りである。
昭和六二年六月、当時大学生であったXは、側腹痛等でYが運営する病院を受診・入院した。Y病院の担当医は、多発性嚢胞腎及び嚢胞感染を疑い、感染対策として抗生物質の点滴を開始した。しかし、高熱、嘔吐が続くなどXの症状は好転せず、一〇日後のCT検査...
《解 説》
Xは、昭和三年生まれであり、貸しビル会社のオーナー社長であるが、Y証券会社の社員Aの違法な勧誘により、五回にわたりワラントの取引をし、その結果、五〇七四万円余の損害を被ったと主張し、弁護士費用を含めて合計五五七四万円余の損害賠償を求めた。Xが主張するAの違法行為とは、①機関投資...
《解 説》
一 Xは、岐阜県関市にあるYの農場でその従業員として稼働していた者であるが、その就労中、ベルトコンベヤーの端に備えつけてある椅子に座って流れてくる卵を拾って箱詰めする作業をしていたところ、ベルトコンベヤーのギヤボックスに右手が入って負傷し、右手第二指を切断するを余儀なくされた。...
《解 説》
一 事案の概要
1 別件の大麻取締法違反事件の被告人として甲警察署留置場(代用監獄)に勾留中であったA参考人から、覚せい剤事件等の情報を入手した甲警察署のB警察官が、後日裏付けができたら調書化して読み聞けに行くと話してA参考人から白紙の供述調書用紙に署名、指印を徴していたが、...
《解 説》
信販会社Xは、Yとの間のクレジットカード契約に基づき、Yがカードを利用して借り受けた金員の残元金一九万円余とYの夫AがYのカードを利用して買った商品の残代金三一一万余の合計三三〇万円余の支払いを求めて提訴した。これに対しYは、①同居人のカード不正利用による損害をカード会員の全額...
《解 説》
Xは、建物の増改築を業とする会社であるが、平成五年三月七日、八四才の老人Y(翌六年一〇月二五日に禁治産宣告を受けた)との間で代金額一七五万円(消費税を除く)の屋根改装工事契約(フッ素樹脂塗装鋼板の販売と取付工事請負契約の混合契約)を締結し、工事を施工したが、解除されたため一七六...
《解 説》
Aは、昭和六二年一〇月から平成三年七月までの間、Yら保険会社四社等との間で生命保険を多数締結していたが、Aは平成三年九月、京滋バイパスから垂直距離で約二〇メートル下の地点で死亡しているところを発見された。Aの死因は、外傷性クモ膜下出血及び多発骨折による外傷性ショックと判断された...
《解 説》
一 X2とその妻の訴外Aは、昭和六三年一月当時、岩手県大船渡市において洋品店を経営していたが、同月七日、火災により、X3所有の本件店舗が全焼し、A所有の本件倉庫が消火のため、破損、水ぬれするなどの損害を被った。
そこで、Y1ないしY4保険会社との間で、本件店舗と本件倉庫につい...
《解 説》
一 本件は、同一の日時場所における同一の被害者に対する傷害と窃盗の二つの訴因により起訴された事件について(判決添付の別紙の本件公訴事実(訴因変更前のもの)参照)、裁判所が、起訴状の朗読後、被告人の意見陳述の前に、検察官に対し、本件公訴事実のうち傷害について動機が記載されていない...
《解 説》
Y(A理事長)は昭和六二年にM大学を開設した学校法人であり、Xは平成元年にM大学経営学部の教授に就任した者である。Xは、平成六年三月末日をもってM大学を定年退職したが、同年四月以降は特任教授(定年退職した教授がその後任期を一年として任用される)の地位にあると主張し、これを否定す...
《解 説》
一 Y社は、碍子の生産においては我が国最大手の企業であり、昭和三〇年からベリリウムを新分野製品開発の素材とするため研究開発を行い、昭和三三年からベリリウム製品の生産を開始していた。Aは、Y社の社員であり、昭和三七年から昭和四二年までの約五年間ベリリウムの研究、製品試作・加工等の...
《解 説》
Aは、心筋梗塞を原因とする心のう血腫により死亡したものであるが、死亡の前夜と当日、胸痛を訴えてYの設置する病院で診察を受けていた。本件は、Y病院の担当医師がAの死亡前夜にAの不安定狭心症を肋間神経痛の疑いと誤診して狭心症を悪化させる鎮痛剤を投与したこと、Aの死亡当日に必要な検査...
《解 説》
一 事案の概要
大玉村は、別件の民事訴訟(同村を被告とする二五〇〇万円の支払約束金履行請求訴訟)において裁判所から和解勧告を受けていたところ、村長である被告は、和解案を議会に提出して議決を得た上で、和解金として五〇〇万円を相手方に支払った。これに対して、大玉村の住民である原告...
《解 説》
一 本件の事案は概略次のとおりである。
本件は、AのYに対する建築工事下請負代金債権(本件請負代金債権)の一部(本件譲受債権)の履行を求めた事件である。Yは、本件譲受債権には譲渡禁止特約が存在し、金融業者であるXは、日常の業務から、必要な調査を行えば右特約の存在を容易に知るこ...
《解 説》
一 本件は、不動産競売手続において、物上保証人に対する抵当権の実行による競売開始決定の送達(民執法一八八条・四五条二項)が、郵便に付する送達(民執法二〇条・民訴法一七二条)により行われた場合における被担保債権の消滅時効の中断の効果が問題となった事件である。
X(信用保証協会)...