《解 説》
一 本件は、同一の日時場所における同一の被害者に対する傷害と窃盗の二つの訴因により起訴された事件について(判決添付の別紙の本件公訴事実(訴因変更前のもの)参照)、裁判所が、起訴状の朗読後、被告人の意見陳述の前に、検察官に対し、本件公訴事実のうち傷害について動機が記載されていない...
《解 説》
Y(A理事長)は昭和六二年にM大学を開設した学校法人であり、Xは平成元年にM大学経営学部の教授に就任した者である。Xは、平成六年三月末日をもってM大学を定年退職したが、同年四月以降は特任教授(定年退職した教授がその後任期を一年として任用される)の地位にあると主張し、これを否定す...
《解 説》
一 Y社は、碍子の生産においては我が国最大手の企業であり、昭和三〇年からベリリウムを新分野製品開発の素材とするため研究開発を行い、昭和三三年からベリリウム製品の生産を開始していた。Aは、Y社の社員であり、昭和三七年から昭和四二年までの約五年間ベリリウムの研究、製品試作・加工等の...
《解 説》
Aは、心筋梗塞を原因とする心のう血腫により死亡したものであるが、死亡の前夜と当日、胸痛を訴えてYの設置する病院で診察を受けていた。本件は、Y病院の担当医師がAの死亡前夜にAの不安定狭心症を肋間神経痛の疑いと誤診して狭心症を悪化させる鎮痛剤を投与したこと、Aの死亡当日に必要な検査...
《解 説》
一 事案の概要
大玉村は、別件の民事訴訟(同村を被告とする二五〇〇万円の支払約束金履行請求訴訟)において裁判所から和解勧告を受けていたところ、村長である被告は、和解案を議会に提出して議決を得た上で、和解金として五〇〇万円を相手方に支払った。これに対して、大玉村の住民である原告...
《解 説》
一 本件の事案は概略次のとおりである。
本件は、AのYに対する建築工事下請負代金債権(本件請負代金債権)の一部(本件譲受債権)の履行を求めた事件である。Yは、本件譲受債権には譲渡禁止特約が存在し、金融業者であるXは、日常の業務から、必要な調査を行えば右特約の存在を容易に知るこ...
《解 説》
一 本件は、不動産競売手続において、物上保証人に対する抵当権の実行による競売開始決定の送達(民執法一八八条・四五条二項)が、郵便に付する送達(民執法二〇条・民訴法一七二条)により行われた場合における被担保債権の消滅時効の中断の効果が問題となった事件である。
X(信用保証協会)...
《解 説》
一 本件は、ゴルフプレイヤーであるXが、ゴルフ場経営会社であるYに対して、その経営する東松山カントリークラブの個人正会員としての入会契約を締結したと主張して、同ゴルフクラブの個人正会員の地位を有することの確認を求めた訴訟である。Yは、Xとの間の入会契約の締結を争うとともに、抗弁...
《解 説》
一 本件は、上告人会社が七〇年(昭和四五年)安保改定期に予想される破壊活動からの企業防衛を標ぼうして、共産党員及びその同調者の孤立化・排除のために実施した労務対策につき、それが思想の自由及びプライバシーの侵害等に当たり不法行為を構成するとして、右対策の対象とされた被上告人ら四名...
《解 説》
Xは、昭和五六年一一月自分の妻がロスアンジェルスで銃撃された事件につき、悲劇の夫・美談の主として週刊誌等に報道されたが、その後昭和五九年一月頃からは一転して右銃撃犯人としての疑惑をもたれ世間の注目を集め、週刊誌、新聞、テレビ等によって広く報道され、Xも自ら進んでテレビ等マスメデ...
《解 説》
一 Xは、横浜国立大学を卒業後、日本電信電話株式会社に勤務していた者であるが、平成三年一一月、投資のため、Yから、ハワイのホテルのワンルームを一八三〇万円で買い受けたうえ、これをYに賃貸していたところ、平成六年八月に至って、Yに対して右ワンルームの売却方を依頼したが、他に売却す...
《解 説》
Yは、ホテル業等を営む資本金四〇〇〇万円の株式会社A(元代表者X)に対する債権を譲り受けた後、裁判所にAが支払不能又は債務超過の状態にあることを理由に破産申立てを行い、その決定を得た。Xは利害関係人として即時抗告を申し立て、Aは資産評価の高い優良なホテルを有していて、正常に営業...
《解 説》
一 Xは、平成五年四月から、社団法人奈良県建設業振興会に勤務していた者であるが、平成六年六月四日、同会の理事長Yと八木の文化会館に行った帰路、電車内で、Yから太腿を触わられ、同月一七日、Yの伊勢の別荘へ赴いた際、Yから胸を触わったり、性交渉に及ぼうとされるなどのセクシュアル・ハ...
《解 説》
Xは、Y1有限会社(代表取締役Y2。Y3、Y4、Y6は取締役)が振り出した額面八〇〇万円の約束手形一通(但し、受取人及び振出日欄は白地)を所持し、呈示期間内に支払場所に呈示したが、右手形は不渡りとなった。右手形の振出後、Y5有限会社(代表取締役Y6はY2の長男)が設立され、Y1...
《解 説》
一 本件は、原告が、その父(訴訟継続中に死亡、原告が承継)の代理人として、住宅設計・施工請負等の会社である被告との間で、事業用オフィスビルを新築した上で、そのビルを被告グループが一括借受して第三者に転貸(いわゆるサブリース)し、第三者の入居の有無にかかわらず、被告が毎月一定の賃...