《解 説》
X(女性)は、Y証券会社との間でワラント取引を行い、一二五二万円余を支払ったが、ワラント発行会社の株価が権利行使価額を下回ったまま権利行使期限を経過したため、ワラントが無価値となった。Xは、Yの担当社員Aがワラントについての説明義務を怠り、必ず儲かると言って勧誘したので損害を被...
《解 説》
本判決中判示事項として紹介するのは、被告人が窃盗(すり)未遂を行い、かつこれとは別の機会にその被害者を脅迫したという公訴事実につき、犯人は被告人であるとする被害者の供述の信用性を肯定し有罪とした原判決とは逆に、その信用性が十分でなく、かつ被告人のアリバイ等の弁解も排斥し難いとし...
《解 説》
一 本件の原告Xは、朝鮮籍を有する父Aと日本国籍を有する母Bとの間で昭和六二年に生れた子(本件当時五歳)である。しかし、AとBは平成四年三月に調停離婚し、その際、Xの親権者をA、監護権者をBと定められたため、XはBのもとで監護養育されることになった。Xは、出生により日本国籍と朝...
《解 説》
一 事案の概要
原告は、コンピューターシステムに関するソフトウエア業務等を営む被告A社に雇用され、同ソフトウエアの販売等を営む外国会社である被告B社に派遣された従業員であるところ、派遣先の健康診断でHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染していることが判明し、被告B社の代表取締役...
《解 説》
Y漁業協同組合は、M県から昭和五六年三月、宮崎港整備事業に伴う損失補償(新港補償金)として三億五五〇〇万円の支払を受け、次いで同五七年六月、空港整備事業に伴う損失補償(空港補償金)として一億二五〇〇万円の支払を受けた。いずれの場合でも、Yにおいては、配分委員が選任され、配分委員...
《解 説》
一本件は、被告人が中学の同級生又は後輩ら四名(A~D)と共に飲酒した後、深夜の盛り場で相手方六名(ア~カ)のグループと行き合った際、酔余、被告人が相手方に「こらガキ。ええかっこしやがって。くそガキ。」などと罵声を浴びせたことから、集団で喧嘩となったものである。相手方の暴行が被告...
《解 説》
一 本件は、罪となるべき事実に対する証拠の標目として、「被告人の当公判廷における供述及び検察官提出の各証拠によって認めることができる」と記載していた原判決につき、被告人の原審公判廷における供述を示している点では証拠の標題又は種目を示しているものの、それのみでは罪となるべき事実を...
《解 説》
X1の妻であり、X2の母であるAは昭和五一年五月に死亡したが、X1は平成二年六月、Aの遺骨を骨壺に入れた状態で日蓮正宗の被包括法人であるY寺に一年間の保管料二〇〇〇円の約で寄託した。Yは、Aの遺骨を小さな骨壺に移し替え、入りきらなかったAの遺骨を合葬処分した。X1が同三年一〇月...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、ビデオテープの販売、賃貸等を営む被告会社がアニメ映画の海賊版ビデオを情を知りながら販売して頒布したとして、同社及びその代表者が著作権法上の著作権侵害の罪(一一九条一号)により起訴された事案である。
二 著作権侵害の罪の告訴権者
1 著作権侵害の罪は...
《解 説》
1 K市は、市役所内に記者室を設け、そこに机、電話を設置し、市政記者クラブ所属の記者(市政記者)にその利用を認め、記者室の電話代を負担してきた。また、市長をはじめとする市職員と市政記者との懇談会を開催し、その費用もK市において負担してきた。
本件は、K市における右電話代及び懇...
《解 説》
一 本件は、「日本人の配偶者等」の在留資格をもって本邦に在留していた外国人Xの在留資格につき、「短期滞在」の在留資格への変更許可がされ(この変更許可に問題があったことは後記のとおりである。)、その後、日本人である配偶者Aとの間の婚姻無効確認訴訟が係属中は、訴訟の遂行を目的として...
《解 説》
事実関係は複雑であるが、要約すると次のとおりである。
Xらは、本件マンションの敷地の所有者ないし借地権者(旧地権者という)であったが、本件マンションの建設に際し、建設業者T社(後に事業主体がD社に代わる)との間で等価交換契約を結び、本件マンションの区分所有権を取得した。本件マ...
《解 説》
Xは不動産業者であるが、平成二年九月二八日、準学校法人Yとの間で、XがYから大阪市北区内の学校の敷地と建物を代金六五億円(道路部分を除く土地の一平方メートル当たりの単価は七三七万六五六五円)で買受ける契約を締結し、同日、手付金及び中間金合計一九億五〇〇〇万円(違約金と同額)を支...
《解 説》
一 訴外Aは、平成三年四月二日、Y1会社の同僚Y2と仕事終了後飲酒したうえ、会社の自動車に乗ってドライブに出かけたが、運転していたY2のハンドル操作のミスにより車道側のガードパイプに激突して転倒したため、同乗のAが頭蓋内出血により死亡した。
そこで、Aの母Xは、加害自動車の所...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、麻薬及び向精神薬取締法違反等の被疑事実により代用監獄である警視庁滝野川警察署に勾留され起訴された被告人について、起訴後、弁護人から勾留取消しが請求され、第一回公判期日前に、勾留に関する処分を行う裁判官が命令で請求を却下したところ、第一回公判期日後に弁護...
《解 説》
一 本件は、男子同性愛者向け雑誌の出版等を行っている被告人が、同雑誌の編集者Aとともにアメリカ合衆国サンフランシスコ市内に赴き、ポルノショップにおいてビデオテープや雑誌等のいわゆるわいせつ表現物を入手し、Aと手分けして携帯して、これらわいせつ表現物の日本国内への持ち込みを図った...
《解 説》
X(代表者A)は家庭用金物、厨房品の製造販売等を目的とする株式会社であるが、平成元年六月から同四年四月までの間、大手証券会社Yの支店(支店長B)との間で外貨建てワラント取引を行い、通算すると一億六千万円を超える損害を被ったとして、不法行為に基づき、損害賠償を請求した。Xの主張す...
《解 説》
一 本件は、外資系の航空会社である債務者の従業員らが、その日本支社の事業再編・縮小等の合理化により解雇されたことから、その解雇が無効であるとして、地位保全及び賃金の仮払いを求めた事案である。
本件合理化の内容を一言で言うならば、エア・ホステスを含めて一四〇名の従業員がいた日本...