《解 説》
一 Xは工場抵当法(以下「法」という。)一条にいう工場に属する建物(本件建物)につき順位一番の根抵当権を設定していたが、右設定登記について法三条に規定する目録(以下「三条目録」という。)は提出されていなかった。Yは後順位の抵当権者であるが、その抵当権設定登記については三条目録が...
《解 説》
一1 債権者Aは、債務者Bに対し、四二〇〇万円と一億二八〇〇万円の二口の貸付を行い、右各貸金債権(以下、それぞれ「甲債権」「乙債権」という。)の担保のため、B所有の不動産につき抵当権の設定を受けた(以下、それぞれ「甲抵当権」「乙抵当権」という。順位は、甲、乙の順である。)。
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《解 説》
一 本件は、いわゆる不公正発行が新株発行の無効事由に当たるかどうかが問題になった事案であるが、その事実関係の概要は、次のとおりである。
Y株式会社は、創業以来、Xのワンマン会社であって、Xが発行済株式の過半数を有して代表取締役に就任していた。ところが、Xが健康を害してから、Y...
《解 説》
一 本件は、第二次世界大戦中、日本軍属として、戦地において戦傷を受け、右手切断、左足切断の障害を負ったいわゆる在日韓国人である原告らが、被告に対し、戦傷病者戦没者遺族等援護法(以下「援護法」という。)に基づく障害年金の請求を行ったところ、被告が援護法附則二項の「戸籍法の適用を受...
《解 説》
一 事実の概要と裁判
Yは、Xから本件土地を賃借していたAからその二分の一を転借し(Xは黙示的に転貸を承諾)、地上に建物を所有していた。Aが賃料の支払を怠ったので、Xは、Aに対し延滞賃料支払の催告をした上で、賃貸借契約を解除し、Yに対して、所有権に基づいて建物収去土地明渡を請...
《解 説》
一 A会社に勤務するXは、約五一一万円の債務を抱え、その返済に窮する状態となり、B弁護士に多重債務の整理を委任した。Y銀行は、Xとの間の当座貸越契約(本件当座貸越契約)に基づき、Xに対し、貸金債権を有していたところ、Xの代理人であるB弁護士からいわゆる債務整理の受任通知を受け、...
《解 説》
一 Xの妻AはY(保険会社)との間で、被保険者をA、事故による死亡保険金を一〇〇〇万円、保険期間を五年とするなどの内容の積立女性保険契約(本件契約)を締結した後、事故により死亡した。本件契約の申込書の死亡保険金受取人欄に受取人の記載はされていなかったが、同欄には「相続人となる場...
《解 説》
一 本件は、平成四年七月二六日施行の第一六回参議院議員通常選挙愛知県選挙区に立候補・当選した被告人が、公職選挙法二三五条一項の経歴に関する虚偽事項の公表罪に問われたいわゆる百日裁判事件である。
原判決が肯認した一審判決の認定事実は、以下のとおりである。
被告人は、右選挙に際...
《解 説》
一 民法四九三条、四九四条の解釈上、一部弁済提供及び供託を有効としてよい場合があるかが問題になったものである。
事案を必要な範囲で要約すると、次のとおりである。
Xは、Y1運転の自動車に横断歩道上を横断中に衝突され、頭蓋骨骨折等の傷害を受け、自賠法施行令二条別表等級第一級に...
《解 説》
一 Xは化粧品小売店であり、Yは化粧品販売会社である。XはYとの間で特約店契約を締結し、Yから継続的に化粧品の供給を受けてきたが、平成四年六月三日Yより特約店契約を解約する旨の意思表示を受け、以後化粧品の供給を受けられなくなった。そこで、XはYに対し、(1)注文済の化粧品の引渡...
《解 説》
農業を営む父親Xは、約三五年間にわたりXと同居してXの農業を助けてきた長男のAに、農地を一括して生前贈与し、その贈与には、受贈者であるAが贈与者であるXと同居して農業を助け、X夫婦を扶養し困窮に至らせないとの負担が付されていた。ところが、その三年後長男Aが死亡し、Aの弟たちがA...
《解 説》
本件の争点は、所有者以外の者の占有する財物を窃取した場合に、刑法二四四条一項が適用されるためには、同項所定の親族関係が窃盗犯人と誰との間になければならないかという問題である。
学説は、三説に分かれている。第一説は、刑法二四四条一項所定の親族関係は、犯人と所有者との間にあれば足...
《解 説》
一 本件は、被相続人の妻及び三男が原告となり、被相続人の遺産である土地を同人の二女に遺贈する旨の公正証書遺言及び被相続人の遺産である骨董品を同じく二女に遺贈する旨の自筆証書遺言がいずれも被相続人の意思に基づかずに作成されたものであるとして、二女を被告として、右各遺言の無効確認を...