《解 説》
本件は、債務者会社の筆頭株主である債権者が、商法二八〇条の一〇の株主の新株発行差止請求権を被保全権利として、債務者の第三者割当てによる新株発行について、①「著シク不公正ナル方法」による新株発行であり、また、②新株の発行価額が「特ニ有利ナル価額」であるのに商法二八〇条の二の株主総...
《解 説》
一 Xは、宝石・貴金属等の販売を目的とする会社であるが、宝石類の卸売り業者から、香川県のホテルで開催する展示即売会のために宝石類を貸し出して欲しい旨の申出を受けたのでこれを承諾したうえ、Xの代表者Aは、鞄に宝石類を入れて右ホテルに持ち込み、平成三年三月九日・一〇日の両日、右宝石...
《解 説》
一 Xは、ビールの製造、販売等を行う著名な会社であり、欧文字の「Asahi」をデザインした文字標章(原告標章)をその営業表示及び商品表示として使用し、かつ、右文字標章を商標登録(平成三年政令第二九九号による改正前の二八類・指定商品ビール等、同二九類・指定商品清涼飲料等)もしてい...
《解 説》
一 本件の事案の概要
Yは、もと日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)の職員であり、国鉄の公舎基準規程に基づいて本件宿舎の利用を認められ、本件宿舎に居住していた。Yは、昭和六二年四月一日の国鉄改革時に東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」という。)に不採用となり、X(国鉄清...
《解 説》
一 Xは、昭和五二年一月、訴外Aと婚姻し、一四年間にわたる結婚生活の後、平成三年四月離婚したものであるところ、Aは、婚姻中他の男性と不貞行為に及んでYを懐胎、分娩したにもかかわらず、YがXとAの長男として戸籍に記載されていることが誤りであるとし、Yに対し、XとYとの間に親子関係...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和六三年九月、Yが広島県下の吾妻山国民休暇村で開催したパラグライダースクールに参加し、インストラクターの指導でフライト練習を行ったが、飛行中に落下し、腰椎粉砕骨折等の傷害を負った。
そこで、Aらを被保険者とする傷害保険契約を締結していた保険会社Xは、Aに対し、...
《解 説》
一 加害者Aは、かねてから恨みに思っていた隣人Bと自宅前路上で口論になったことから、B殺害を決意し、実弾を装填した散弾銃を自宅から持ち出し、路上にいたBに向けて至近距離から散弾銃を発砲したが、身をかわしたBには命中せず、背後の被害者C、D親子に命中した。加害者は、Bを追いつめて...
《解 説》
一 本件は、二つの併存する労働組合があるバス会社において、一方組合にのみ新車の配車をすることが不当労働行為に該当するとして、他方組合及び組合員が請求する慰謝料請求が認められた事案である。
二 X1(労働組合)及びX1組合の組合員であるX2~X46が、Y(バス会社)に対し、昭和...
《解 説》
一 Xらは、建設会社Yとの間にいわゆる等価交換方式によるマンション建築請負契約を締結し、完成後同マンションに入居したところ、高齢(七五歳)及び右半身麻痺のため、歩行には杖を要していたXが、一階玄関出入口のオートロックシステムの自動ドア(本件ドア)の閉扉の際転倒して負傷した。
...
《解 説》
被告人、弁護人、その他の保釈請求権者が、保釈許可の裁判そのものに対して準抗告(抗告)をすることは、申立の利益を欠き不適法であるが、これらの者も保証金額が高過ぎるとしてその変更を求める準抗告(抗告)は適法になしうるのであって、この点に異論はないと思われる(新版令状基本問題〔小林充...
《解 説》
一 申立人は、大阪府泉北警察署長から委嘱を受けた少年補導員(少年補導員制度の内容等については、兼頭・少年補導と相談の実務、武石・少年警察の実務〔再版〕一〇一問等参照)である被疑者Aが、同警察署の警察官ら及び他の少年補導員らとともに少年補導に従事中、申立人に対し暴行を加えたことが...
《解 説》
一 本件は、Yの従業員から白金の商品先物取引の勧誘を受け、一年間程売買取引を行ったXが、Yの従業員の行為は詐欺に当たると主張したほか、特に、勧誘行為に関しては、商品先物取引所法九四条一号で禁止されている断定的判断の提供、商品取引員の受託業務に関する取引所指示事項で禁止する不適格...
《解 説》
本件は、会社側が組合との間で締結した労働協約を部分解約したことからこの有効性が争われた仮処分事案である。会社Yには、従業員によって組織された二つの労働組合があり、うち一つの労働組合との間で、1賃金に関する項目、2その他の項目で構成されている労働協約を締結していた。その他の項目の...
《解 説》
一 本判決の判示事項
① 製品の製造者は、製品を設計、製造し流通に置く過程で製品の安全性を確保すべき高度の注意義務(安全性確保義務)を負う。
② 製造者が安全性に欠ける製品を流通に置き、これによって製品の利用者が損害を被った場合、製造者は利用者に対しその損害を賠償すべき責任...
《解 説》
一 本件は、被告人が多数の偽造文書を作成し、これを法務局に提出して不動産登記簿に不実の記載等をさせた事案と、他人の自動車内に二連式箱型銃二丁を所持した事案である。
被告人は、銃の所持について、捜査段階では犯行を認めたものの、公判廷においては、自白の任意性を争ったほか、銃は、そ...
《解 説》
一 本件は、自らの姉の配偶者である日本人の養子となったフィリピン国籍の原告らが、数度にわたって、在留資格を「短期滞在」から「定住者」等に変更する旨を許可申請をしたところ、被告法務大臣がいずれもこれを不許可としたため、被告法務大臣に対し在留資格変更不許可処分の取消しを、被告国に対...