《解 説》
Xは、京大理学部における脳波の解析、神経回路網の解析等の研究者であり、Yは、京大理学部助教授である(いずれも当時)。X、Yは、他の者と共同で、脳波の実験的及び理論的解析に関する研究を続け、昭和四七年から昭和五五年まで、種々の研究論文の公表や学会発表を行ってきた。
他方、Yは、...
《解 説》
組換DNA技術、あるいは遺伝子工学技術、広くはバイオテクノロジー関連特許に関する日本での初めての侵害訴訟の高裁判決である。バイオ産業を手掛ける日本の大企業がアメリカの会社から訴えられ、一審判決で差止めが命じられたことから、当時大きく報じられたが、本判決も、その控訴審判決として、...
《解 説》
この判決は本誌八一三号二六六頁で既報の東京地裁平4・9・22判決の控訴審判決である。
事案の説明は、詳しくはそのコメントに譲って、ここでは判旨理解に必要な点に絞るが、要するに、四人の子の内両親(A夫婦)と同居していた長男夫婦(X1、X2)が両親と不和になったことからの遺族間紛...
《解 説》
一 Xはアメリカ合衆国カリフォルニア州に本店を有するアメリカの法人であり、Yはスポーツ用品の製造販売を業とする日本の法人である。XはYとの間で締結した、アメリカのテレビ番組のキャラクター商品を日本国内で販売することについての商品化権許諾契約(以下、「本件契約」という。)に基づき...
《解 説》
本件は、仮処分及び本訴の提起に要した印紙代及び予納郵券代を不法行為による損害として別訴で請求し得るかとの論点につき肯定的判断を示した控訴審判決である。事案の概要は、原判決が引用されているため分かりにくいが、およそ次のとおりであると思われる。
X(訴え提起当時は、その父A)は、...
《解 説》
X(銀行)は、A社に対して金一億〇三八八万六五八〇円を貸し付け(本件貸金)、A社はY(保険会社)との間で被保険者をA社代表取締役B、保険金受取人をA社とする一時払変額保険契約二口(本件保険契約)を締結し、締結時に右貸付けを受けた金員で一括して保険料を払い込んだ。またXは右貸付け...
《解 説》
本件は、昭和六三年七月二三日、遊漁船第一富士丸(第一富士丸)と潜水艦なだしお(なだしお)が浦賀水道航路の西側境界線を出た付近で衝突し、第一富士丸の乗客及び乗組員の合計三〇名が死亡し、一七名が負傷するに至った事故(本件事故)について、高等海難審判庁が、原告を受審人としてした裁決(...
《解 説》
本件は、X(出版社)がY(新聞社)とのXの出版物についての広告掲載契約の成立を前提に、その掲載をしなかったYに対し、債務不履行を理由として損害賠償を求めたもので、右広告掲載契約の成否が主要な争点である。
原審は、XとYとの間の契約の成立を否定し、Yの出版広告部の部員Bらが広告...
《解 説》
本件の事実関係は次のとおりである。X1はかねてから治療していた糖尿病に加えて合併症が疑われ、更に脊椎麻痺による背部痛及び歩行困難等の症状が急速に出現・悪化したため、昭和六一年九月三日Y1経営の病院に転院し、Y1との間で脊椎治療を目的とする診療契約を締結した。Y2(担当医)は悪性...
《解 説》
一 A個人タクシー協同組合の組合員Xらは、A組合理事のYらがB有限会社からA組合に交付されるべき金員を不法に領得したなどと主張して、中小企業等協同組合法四二条・商法二六七条一項に基づき、A組合に対する損害賠償を求めて、本件代表訴訟を提起した。なお、Xらは、Yらが、A組合監事X1...
《解 説》
沖縄県石垣市真栄里部落には古くから採草、牛馬の放牧、用材及び薪炭の採取等の目的で共有の性質を有する入会地があり、部落会が管理してきていたところ、昭和五二年一月には真栄里入会組合が結成され、土地賃料等の会計処理が部落会から引き継がれた。同六〇年三月一六日、入会組合の臨時総会が開催...
《解 説》
一 本件は、旅客鉄道事業を営む被告の社員であった原告が改札業務従事中に管理にかかる現金を着服したとしてなされた諭旨解雇処分につき、右着服の事実を否定する原告が、諭旨解雇処分の取消と賃金の支払いを求めたものである。
二 もっとも、本件においては、原告が、改札業務従事中に、その着...
《解 説》
一 本件土地(一七六平方メートル)について平成二年四月一〇日競売開始決定が下され、同年八月一日に評価人Y2作成の評価書、同年九月一七日に執行官A作成の現況調査報告書がそれぞれ執行裁判所に提出された。Y2とAはこれに先立ち、共同で本件土地に臨み、北側の境界線を確認したが、南側の平...
《解 説》
本件は、債権者が商法二九三条ノ六の株主の帳簿閲覧等請求権を被保全権利として債務者の会計の帳簿及び書類の閲覧及び謄写を求めた仮処分命令申立事件であり、債権者が債務者会社の代表取締役であった経歴を有し、かつ、未だ営業を行っていないものの、帳簿閲覧等を請求する約九か月前に債務者会社の...
《解 説》
一 本件は、元環境庁長官の大型所得税脱税事件に対する控訴審判決である。
被告人は、昭和四四年以降連続して約二一年間衆議院議員を、昭和六一年七月から約一年三箇月間は環境庁長官を務めたものであるが、仕手筋の人物と知り合ったことなどから、自己の親族や秘書等多数の名義を利用して継続的...
《解 説》
一 議渡担保権者から弁済期後に譲渡担保の目的建物の贈与を受けたXが、所有権に基づいてその建物を占有しているY1、Y2に対しその明渡しを請求した事件であって、譲渡担保権者による弁済期後の目的物の処分と受戻権の関係が争点となった。事案の概要は、次のとおり。本件建物は、Y1がその妻Y...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、社会保険庁が発注した支払通知書等貼付用シールの指名競争入札に絡んで不正談合行為が行われたとして、指名業者等各社の営業担当従業員らが、個人としての刑事責任を問われた事案である。当初一〇名が共同被告人として起訴されたが、本判決は、このうち、事実関係を争った...