《解 説》
Aは、面積六三四平方メートルの土地を賃借し、これをほぼ二分してそれぞれの部分の地上に建物を所有していたが、これを一括して長男Y1に相続させる旨の遺言をしたうえ死亡した。Aの相続人は、長男Y1、二男Y2、三女X1、四女X2および二女の子であるX3、X4であるが、Y1を除く相続人は...
《解 説》
亡Tは、旧ソ連のロシア連邦共和国で出生したロシア人であり、大正一二年ころ日本に入国して以来、洋服などの行商をして生計を立て、本件土地建物等の財産を築き、約六〇年間にわたって日本に居住していた。Tは、一旦本件土地建物を旧ソ連に遺贈する旨の遺言(第一の遺言)をしたが、その後、本件建...
《解 説》
一 事案の概要
1 本件は、Yが、戦中、戦後にわたって経営していた長崎県所在の各炭鉱(既に閉山されている。)の従業員として粉じん作業に従事し、じん肺法によるじん肺管理区分等の行政上の決定を受けたじん肺患者(元従業員)六三名の本人又は相続人(Xら)が、Yに対し、雇用契約上の安全...
《解 説》
本件事案の概要は、次のとおりである。X(中国国籍)は、夫Y(日本国籍)のXに対する暴行及びYの自己中心的な行動により同人らの婚姻が完全に破綻したと主張し、神戸地方裁判所に対し、Xを原告、Yを被告とする離婚及びそれに伴う財産的給付等の訴を提起した。
なお、Xは、査証で入国し、「...
《解 説》
1 Xは、農業振興地域の整備に関する法律八条に基づいて定められた農業振興地域整備計画において、農用地区域とされた区域内に土地を所有しているが、右土地を農用地区域から除外して欲しいとして、農業振興地域整備計画の変更を求める旨の申請をした。ところが、Yが右申請を不承認とし、その旨の...
《解 説》
Xは、Yをフランチャイザーとする学習塾加盟契約自体が不法行為であると主張してYに対し三七〇万円の損害賠償請求の訴えを松山地裁に提起したところ、Yは、右加盟店契約において、Yの本店所在地を管轄する広島地裁を専属的合意管轄裁判所とする旨の合意があると主張し、広島地裁への移送を申し立...
《解 説》
一 Xの夫Aは、昭和三六年四月、静岡県浜松市に採用され、同市清掃部北清掃事務所に清掃業務員として勤務し、ごみ収集業務に従事していたが、昭和五二年六月二五日、業務中に倒れ、救急車で病院に収容されたが、同日、脳卒中で死亡した。
そこで、Xは、昭和五四年三月、Y地方公務員災害補償基...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。
原告は中小企業等協同組合法にいう事業協同組合(以下「本件組合」という。)の組合員であり、本件組合に貸付けをしていた者である。被告らは本件組合とその理事及び監事である。本件組合は組合員に対する事業資金の貸付け等を事業内容としていたが、組合...
《解 説》
一 本件は、T字路交差点を左折する自動車運転者の右方の安全確認義務の程度が問題とされた事案である。訴因とされた被告人の過失は、T字路交差点手前で一時停止した後、時速約一〇キロメートルで左折進行するにあたり、右方道路の安全を十分確認しなかったというものであったが、審理の結果、被告...
《解 説》
一 申立人は、外国人であり、覚せい剤取締法違反等被告事件について通訳を介して審理を受けたところ、高等裁判所は、控訴棄却の判決において「当審における訴訟費用は被告人の負担とする。」との裁判をし、上告棄却により右訴訟費用の裁判は確定した。申立人は、その後、検察官から通訳人の旅費、日...
《解 説》
本件は、XがY証券会社を介して購入した受益証券を、Y証券会社との間に保護預り契約を締結して預託したが、Xがその際他人名義を使用したため、Y証券会社がその名義人からの預託受益証券の返還請求に応じたことから生じた紛争で、Y証券会社はXからの右証券の返還請求を拒絶できるか否かが、争わ...
《解 説》
Iは、精神分裂病患者であり、自傷他害のおそれがあるとしてY県立病院に措置入院されていた者であるが、昭和六一年四月一九日、作業療法の一環として、看護士ら四名の引率のもと他の患者二四名と共に院外散歩に出た際、エンジンキーを付けたまま停車していたライトバンに乗り込んで離脱し、同月二三...
《解 説》
一 本件の争点は多岐にわたるが、Yは、自分が株式運用を委託しているAをXに紹介した。XとAはXがその所有する株式三万株をAに運用資金として一年間預託し、これに対して、AはXが預託した株式の元本及び一定の年一五パーセントの運用利益を保証することを約する旨の株式運用契約(以下「本件...
《解 説》
一 Xは、分譲業者であるYから新築の一〇階建のマンション一〇階の一室である本件建物を買い、これを第三者に賃貸していたが、本件建物内の湿気と異臭が強く生活に適しないため、賃借人がいずれも短期間で転出してしまうので、その原因をYとYから建築を請け負ったZ(Yの補助参加人)とともに調...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、嘉手納飛行場周辺の住民九〇七名が、本件飛行場を安保条約及び安保地位協定によって米軍に提供している被告国に対し、航空機騒音による被害を主たる理由として、人格権、環境権及び平和的生存権に基づき、夜間における航空機の離着陸等の差止め及び昼間における原告らの居...