《解 説》
一 X1は、平成三年一二月一八日、Yの経営するガソリンスタンドにおいて、灯油と誤ってガソリンを買求め、自宅まで運搬されてきたガソリンを石油ストーブに給油して点火したが、給油されたガソリンがタンクの内圧の上昇によりオーバーフローして引火し、絨毯に燃え移って自宅マンションの内部を焼...
《解 説》
一 Xは、Yらの依頼を受けYら間の不動産売買の仲介をして右売買を成立させたと主張して、約定報酬金の残金の支払を求めた。
これに対し、Yらは、①Yら間の不動産売買がXの仲介によるものではない、②Xは宅地建物取引業者としての免許を受けていないのに業として本件契約を仲介したものであ...
《解 説》
一 本件は換地処分取消訴訟の控訴審判決である。
Xらが共有する従前地に対して、Yは三四街区内のA地を仮換地として指定した。Xらは訴外Zとの間で、仮換地AとZに指定された三三街区(東戸塚駅前広場に接している)内の仮換地Bとを交換する合意をし、Yに対して「仮換地交換願い」と題する...
《解 説》
XはYから一棟の建物の西側部分を賃借し、レコード店を経営していたところ、東側部分からの出火により右建物は全焼した。YはXに対し、建物賃貸借契約が終了したことを理由に明渡しを求める訴えを提起し、Yはこれに対し、賃貸借契約の債務不履行又は民法七一七条一項に基づき、レコード店の経営が...
《解 説》
一 本件は、受送達者乙の同居人と称する丙が訴状及び呼出状を受領したが、丙は薬物の使用等による精神障害のため訴状等を受くべき事理弁識能力を著しく欠いていたとして、訴状等の送達の効力が争われるとともに、乙が判決正本を受領した際にも同様の精神状態であったとして、控訴期間の経過の有無が...
《解 説》
一 Xは、A社会保険事務所の担当者から国民年金法による障害基礎年金と厚生年金保険法による通算老年年金とを併給されているとの指摘を受け、右担当者の指導により併給停止届出書を提出した。同届出書は、同事務所からB市長へ、さらにC知事へ進達され、社会保険庁長官(Y)は、Xの障害基礎年金...
《解 説》
本件は、種苗法に基づく種苗(椎茸種菌)の生産販売禁止仮処分事件である。
農業生産上優れた品種を育成することは農林水産業の発展の見地から極めて重要な課題である。種苗法は、農林水産植物の品種の登録制度を設け、育成された新品種を法的に保護している。この新品種の育成者が品種登録によっ...
《解 説》
X1とY1は、X1をフランチャイザー、Y1をフランチャイジー、Y2、Y3を連帯保証人としてコンビニエンスストアのフランチャイズ加盟店契約を締結し、X1はY1に店舗二か所を他から借りて転貸していた。右加盟店契約においては、Y1が競業他者の経営に関与するなどした場合、X1は無催告で...
《解 説》
一 本件は、XがYに対し、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク郡第一審裁判所(ニューヨーク地裁)において金銭の支払いを命ずる勝訴判決を得、民訴法二〇〇条、民執法二四条に基づいて本国における執行判決を求め、民訴法二〇〇条各号の要件として、(一)管轄について、我が国の民訴法上の...
《解 説》
Xは昭和四八年に日蓮正宗から本門寺塔頭の坊の住職に任命され、同五一年一〇月一八日、Y1寺の住職にも任命されて、Y1寺の代表役員の地位にあり、同日から同五七年三月ころまで、宗教行事のないときは施錠をして本件建物等を直接所持し、その後、平成二年四月一二日ころまでの間、Aを本件建物に...
《解 説》
Xは、Y1県の県道上を原動機付自転車を運転して通勤する途中、転倒して脳挫傷の傷害を負った。右道路は、Y2がY1からマンホール設置工事を請け負い、一辺二メートルの正方形にアスファルトが掘削され、砕石が敷かれていた。Xは、Y1の右県道の設置管理には瑕疵があり、Y2は速やかにアスファ...
《解 説》
判示事項一は、扶養義務者の一人が負担した過去の扶養料について、通常の民事訴訟手続により他の扶養義務者に対し求償することができるかという問題に関する判断である。この問題に関しては、判決にも引用されている最判昭42・2・17民集二一巻一号一三三頁が、「扶養権利者を扶養してきた扶養義...
《解 説》
Xは、和菓子等の製造販売業を営み、青色申告の承認を受けていたが、昭和六〇年分以後、右承認を取り消すとの処分を受け、同年から同六二年分までの所得に関して推計課税による更正処分及び過少申告加算税賦課決定を受けたので、右各処分・決定の取消しを求めて出訴した。Yの青色申告承認取消しの理...
《解 説》
本判決は、警備員として稼働していた被告人が、会社を退職せざるを得なくなったのは、当時の上司であった被害者の策略によるものと思い込み、約七か月間、ほぼ連日にわたって、被害者方付近を徘徊し、被害者方に向かって「ばかやろう。」「どろぼう。」などと怒号し、付近の鉄板を足で踏み鳴らし、ダ...
《解 説》
Y県の知事は平成四年六月九日、A社から提出された森林法一〇条の二第一項に基づく林地開発許可申請書を受理した(本件受理)。これに対し、右開発計画に反対運動をしているXら三名は同年七月二〇日、Y県林務課を訪れ、農林水産大臣宛の本件受理についての審査請求書の受理を求めたが、林務課員は...