《解 説》
本件事案は、おおよそ次のとおりである。Xは、本件農地(畑)の所有者であるが、昭和五一年ころ砂利、資材置場として使用する目的で、Yに対し右農地を賃貸し、昭和五七年ころにはさらに別の農地を追加して賃貸した。Yは、右目的のためにプレハブの仮設建物を建てて右土地を使用し、Xも建物の設置...
《解 説》
一 本件は、Xが、その所有に係る建物(以下「本件建物」という。)一階の一部(以下「本件建物部分」という。)をYに賃貸していた(以下「本件賃貸借契約」という。)ところ、YがXに無断でZ(株式会社)に対し本件建物部分を転貸した(以下「本件転貸借契約」という。)として、本件賃貸借契約...
《解 説》
一 本件は、いわゆるイトマン事件を審理する原裁判所がした帳簿などの提出命令に対する抗告審決定である。
イトマン事件とは、大手商社の社長ら役員と関係者が不動産や絵画など多くの取引に関して巨額の損害を与えたなどとして、商法特別背任その他の罪名で起訴された社会的に著名な事件である。...
《解 説》
一 学校法人Xは、町長Yに対し、その所有にかかる学校用地(以下「本件土地」という。)につき五年間にわたり毎年特別土地保有税の非課税土地認定申請(以下「本件申請」という。)をしたが、その都度、Yから特別土地保有税非課税土地否認決定処分(以下「本件処分」という。)を受けたので、Yに...
《解 説》
一 Xはいわゆるロス疑惑事件といわれる殺人等被告事件で公判中の者であるが(なお、Xは、平成六年三月三一日、東京地裁で有罪判決の言渡しを受けた)、Yが発行した「犯罪百話」昭和篇と題する文庫本の表紙カバー裏側に「阿部定、正田昭、小原保、大久保清、X、かい人21面相…といった“名高い...
《解 説》
一 ここに紹介するのは、いわゆる三越事件の控訴審判決である。
三越事件というのは、当時百貨店三越の代表取締役であった甲が、出入り業者乙と共謀の上、その任務に背き、乙の利益を図る目的で、海外で買いつけた商品を輸入するに当たり、ことさら乙の経営する会社を経由するなどして、合計二〇...
《解 説》
一 一般廃棄物並びに産業廃棄物の収集及び処理等を業とするXは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律七条一項(平成三年法九五条による改正前のもの)並びに浄化槽法三五条一項に基づき、Y1市の市長Y2に対して一般廃棄物処理業及び浄化槽清掃業許可の申請をしたが、右申請書の様式がA市における...
《解 説》
一 A町は、町有地(本件土地)をBの所有地と交換する契約を締結し、Bは同土地につき所有権移転登記を経由したが、その後同土地には、Y1の所有権移転仮登記及びY2の抵当権設定登記がそれぞれ経由された。
A町の住民であるXらは、本件土地の交換契約は、本件土地とB所有地との価格差が大...
《解 説》
一 本件で問題となっている国有地及び市有地(もと国有地)(以下併せて「本件国有地」という。)は、原告ら所有土地と補助参加人ら所有土地との間に挟まれて存在する細長い帯状の土地であり、現公図上は「畦畔」と表示されている。原告ら所有土地は、もと地目田(一部は、後に地目畑に変更された。...
《解 説》
一 被告Yは、浄水器販売やレンタルビデオを業とするフランチャイザーである。原告Xは、平成二年夏に、Yとの間で浄水器販売とレンタルビデオに関するフランチャイズ加盟契約を締結した(以下は、浄水器販売に関する加盟契約を中心に説明する。)。契約内容は、XはYが製造する浄水器「水丸」を京...
《解 説》
Xは、Y2及びAについて、右両名は戸籍上、父Y1、母Bの嫡出子とされているが、その出生当時、Y1とBの間に夫婦関係は実際にはなく、Xが生理上の父親であるところ、今後右両名を認知する前提としてY1と右両名との間に親子関係がないことの確認を求めるとし、Y1、Y2及びAに対して右の訴...
《解 説》
Xは主として木造建築の吹付塗装工事を営む個人業者である。Yの係官はXの昭和六一年から昭和六三年の各年分の所得税について調査のため、Xに説明及び資料の提示を求めたが協力が得られなかった。そこで、Yは推計による課税処分を行った。本件はその取消訴訟である。
本訴において、Yは、①反...
《解 説》
一 事案の概要は次のとおりである。
昭和五九年一月二日、A(昭和五七年一二月八日生・当時一歳一か月)は、風邪ぎみであったのでY2市の休日診療の当番医であった甲小児科医院でY医師の診察を受けたところ、喘息性気管支炎と診断され、呼吸困難改善の効能があるスメルモンコーワの注射をされ...
《解 説》
本件判決は、「全国紙の名誉毀損の時効 原告に立証責任」などの見出しで新聞報道されたものであり(平成五年一一月三〇日朝日新聞夕刊等)、事案の内容は、殺人等の罪名により起訴され、公判中の被告人が、右殺人事件等の報道に関し、自己の名誉を毀損されたとして損害賠償を求めたものである。
...
《解 説》
一 本最高裁判決は、訴え却下判決に対する控訴審において訴えの変更が許されるか否かを扱ったものである。
本件訴訟の経過については、本判決理由の一の1に詳しいが、その大要は次のようなものである。
Xは、昭和六三年八月二二日、XはA(養父、昭和五一年一一月九日死亡)とY(養母)夫...
《解 説》
Xは、区分所有建物の区分所有者集会において、区分所有者及び議決権の過半数により建物の区分所有等に関する法律(以下、単に法という)上の管理者に選任されたと主張し、これを争う右建物の分譲業者で現に右建物の管理の業務に当たっているYに対し、管理者たる地位にあることの確認を求める訴えを...