《解 説》
一 A町は、町有地(本件土地)をBの所有地と交換する契約を締結し、Bは同土地につき所有権移転登記を経由したが、その後同土地には、Y1の所有権移転仮登記及びY2の抵当権設定登記がそれぞれ経由された。
A町の住民であるXらは、本件土地の交換契約は、本件土地とB所有地との価格差が大...
《解 説》
一 本件で問題となっている国有地及び市有地(もと国有地)(以下併せて「本件国有地」という。)は、原告ら所有土地と補助参加人ら所有土地との間に挟まれて存在する細長い帯状の土地であり、現公図上は「畦畔」と表示されている。原告ら所有土地は、もと地目田(一部は、後に地目畑に変更された。...
《解 説》
一 被告Yは、浄水器販売やレンタルビデオを業とするフランチャイザーである。原告Xは、平成二年夏に、Yとの間で浄水器販売とレンタルビデオに関するフランチャイズ加盟契約を締結した(以下は、浄水器販売に関する加盟契約を中心に説明する。)。契約内容は、XはYが製造する浄水器「水丸」を京...
《解 説》
Xは、Y2及びAについて、右両名は戸籍上、父Y1、母Bの嫡出子とされているが、その出生当時、Y1とBの間に夫婦関係は実際にはなく、Xが生理上の父親であるところ、今後右両名を認知する前提としてY1と右両名との間に親子関係がないことの確認を求めるとし、Y1、Y2及びAに対して右の訴...
《解 説》
Xは主として木造建築の吹付塗装工事を営む個人業者である。Yの係官はXの昭和六一年から昭和六三年の各年分の所得税について調査のため、Xに説明及び資料の提示を求めたが協力が得られなかった。そこで、Yは推計による課税処分を行った。本件はその取消訴訟である。
本訴において、Yは、①反...
《解 説》
一 事案の概要は次のとおりである。
昭和五九年一月二日、A(昭和五七年一二月八日生・当時一歳一か月)は、風邪ぎみであったのでY2市の休日診療の当番医であった甲小児科医院でY医師の診察を受けたところ、喘息性気管支炎と診断され、呼吸困難改善の効能があるスメルモンコーワの注射をされ...
《解 説》
本件判決は、「全国紙の名誉毀損の時効 原告に立証責任」などの見出しで新聞報道されたものであり(平成五年一一月三〇日朝日新聞夕刊等)、事案の内容は、殺人等の罪名により起訴され、公判中の被告人が、右殺人事件等の報道に関し、自己の名誉を毀損されたとして損害賠償を求めたものである。
...
《解 説》
一 本最高裁判決は、訴え却下判決に対する控訴審において訴えの変更が許されるか否かを扱ったものである。
本件訴訟の経過については、本判決理由の一の1に詳しいが、その大要は次のようなものである。
Xは、昭和六三年八月二二日、XはA(養父、昭和五一年一一月九日死亡)とY(養母)夫...
《解 説》
Xは、区分所有建物の区分所有者集会において、区分所有者及び議決権の過半数により建物の区分所有等に関する法律(以下、単に法という)上の管理者に選任されたと主張し、これを争う右建物の分譲業者で現に右建物の管理の業務に当たっているYに対し、管理者たる地位にあることの確認を求める訴えを...
《解 説》
一 大阪府立高校の一年生であったX1は、ラグビー部(クラブ活動)の紅白試合の最中に第五頸椎脱臼骨折、頸髄損傷の傷害を負った。この事故は、Y(大阪府)が設置した高校で教育活動の一環として行われたラグビーの試合における学校側(ラグビー部顧問のA教諭)の安全配慮義務違反に起因するもの...
《解 説》
本件は、物上保証人所有名義の土地について担保権の実行としての不動産競売がなされた後、その競売手続における配当表に対し、右担保権の被担保債権の債務者である控訴人が配当異議の訴えを提起した事案であり、一審判決は、担保権の実行としての競売手続において、配当異議の申出ができる者は、差押...
《解 説》
一 本件は、平成三年七月一一日午前一〇時に破産宣告を受けた会社Aの破産管財人であるX(原告)がY(被告)に対し、Aの設定した根抵当権につき破産法七二条一号又は四号による否認を理由として、右根抵当権設定登記について否認の登記手続を求めたものである。
Aは、Yとの間で、平成三年六...
《解 説》
一 本判決は、日本赤軍に所属する被告人が、昭和四八年と五二年の二回にわたって日航機をハイジャックし、その結果として、超法規的措置として受刑者など六名が釈放されたことから、事件発生当時、社会の耳目を集めた事件の第一審判決である。
二 本判決が認定した犯罪事実の要旨は、以下のとお...
《解 説》
一 本件の経過は大要次のようなものであった。
1 X3、X4は昭和六二年一月二二日(以下、年の記載を省略するときは同年を指す。)暴力行為等処罰に関する法律違反の被疑事実で警視庁新宿警察署に逮捕された被疑者であり、二月一二日までX3は新宿署の留置場に、X4は中野署の留置場にそれ...
《解 説》
一 本件は、胎児摘出処置のため入院していた妊婦が子宮破裂により失血死した事案につき、妊婦が激しい腹痛を訴えていたにもかかわらず胎児摘出処置にともなう痛みにすぎないと軽信して診察を怠った点に産婦人科医師らの過失を認めた事案である。
二 訴外亡A子は、昭和六二年八月一八日、第二子...