《解 説》
一 本案は、大阪府豊中市(同地を管轄する簡易裁判所は豊中簡易裁判所、以下同様にカッコ内にその土地を管轄する簡易裁判所を記載する。)の交差点において信号待ちで停止していたX1会社所有車両にY1の運転するY2会社所有の車両が追突し、被害車両に乗っていたX2・X3・X4が負傷し、X1...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、茨城県つくば市及び牛久市に居住する原告らが、被告理化学研究所(以下・被告)のライフサイエンス筑波研究センター(つくば市高野台所在)実験施設のうち、P4実験室におけるP4レベルの組換えDNA実験により、その生命、身体に回復しがたい重大な損害を受けるおそれ...
《解 説》
本件は、雑草が生い茂って見通しの悪い一車線道路のカーブ付近において、単車を運転していた原告と、自動車を運転していた被告とが正面衝突した交通事故による損害賠償請求事件である。本件の争点は、損害額及び過失相殺であるが、事故当時大学生であった原告に後遺障害が残存したため、特にその逸失...
《解 説》
Xは昭和五五年二月、歩行中に交通事故に遭ったが、長期間胸部痛等が消失せず、国立大学医学部附属病院において、同五六年一〇月から五八年一月までの間、持続硬膜外ブロック等のブロック施術を約三〇〇回にわたって受け、同五八年五月にはくも膜下フェノールグリセリンブロック施術を受けた。Xは、...
《解 説》
本件事案の詳細は不明であるが、およそ次のようである。
Xらの子で腎臓移植を受けたAは慢性拒絶反応の進展により腎機能悪化、高血圧が短期間に進行し、Y市の経営する病院に入院したところ、腎不全から鬱血性心不全による肺水腫が生じ、死亡した。Xらは、医師が状況に応じて患者の状況を説明し...
《解 説》
本事案は宗教法人たる債務者の代表役員が責任役員らを一方的に解任したのに対して、責任役員らが債務者に対し地位保全を求めたものである。本決定の論点のうち、民法六五一条の適用の有無、規則に解任についての定めがない場合の解任権の帰属や手続きの二点に関してはすでに多くの裁判例がある。前者...
《解 説》
一 本件は、被告会社に対立姿勢をとる労働組合の指導者(原告)を嫌悪する被告会社代表取締役(被告甲)が、原告を解雇する口実を得るため、関係者と共謀の上、原告のオートバイの座席の下に覚せい剤を隠匿してこれを警察に通報し(本件誣告)、その結果原告が覚せい剤取締法違反の罪により逮捕され...
《解 説》
本件は、佐川急便事件として世上の注目を浴びた事件である。
本件の経緯は本判決に詳しく示されているが、要約すると、佐川急便の傘下にある東京佐川急便の援助のもとに事業資金を得て、株式の取引、ゴルフ場の開発などを行っていた暴力団幹部が、株式取引が破綻状態になり、ゴルフ場の開発も思う...
《解 説》
一 Xは、昭和五八年二月ころから、紙業会社の横浜工場において、自家用トラックを持ち込んで同社の運送品を運転する業務に従事してきたものであるが、昭和六〇年一二月、同工場の倉庫内で、運送品をトラックに積み込む作業をしていた際、足を滑らせて転倒し、頭部外傷等の傷害を負った。
そこで...
《解 説》
一 ビルの管理業者であるY会社の従業員Xら一〇名は、一月に数回程度、二三ないし二四時間連続の泊り込みの勤務に就いている。
この泊り込み勤務に際しては、夜間に七ないし八時間の仮眠時間(以下「本件仮眠時間」という。)を与えられるが、Y会社は本件仮眠時間を労働時間には含めないで、賃...
《解 説》
X女とA男は昭和四三年四月に結婚した夫婦であるが、同四九年には不和となり、X女が家出をした。A男は同五一年四月以降、B女と暮らし、B女の娘Yとは別に暮らしたが、親子の様に付き合っていた。そのうちにYに結婚話が起こったが、Yが韓国籍であることを理由に相手の親から反対されたため、Y...
《解 説》
一 Xは、Y2の発行する広告情報誌『ぴあ』の深夜営業の店舗の広告に、自分の電話番号が誤って掲載された。そのため、頻繁に間違い電話がかかり、Xは、身体的・精神的な損害を受けたとして、Y2及びこの広告を企画制作したY1に対して、不法行為に基づく損害賠償請求(休業損害、慰謝料、弁護士...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、大阪府下在住の在日韓国人であるXが、不動産仲介業者Zらとの間で賃貸マンションの入居について合意したところ、家主YからXが在日韓国人であることを主たる理由として入居を拒否されたため、Yに対し、賃借権の確認と建物引渡を求めるとともに、Y、Zらに対し、差別的...
《解 説》
本件のXらは中学に在学している者及びその親であるが、Yが検定処分をした本件の中学用の社会科教科書には、そのような事実は存在しなかったというのが通説的な立場にあるのにこの説を全く無視して、いわゆる南京事件を実在した事実であると記述しているところ、義務教育諸学校教科用図書検定基準(...
《解 説》
Xは、国民年金法による障害基礎年金及び厚生年金保険法による障害厚生年金の給付の裁定を佐世保社会保険事務所を経由してY社会保険庁長官に請求したところ、不支給決定を受けたので、その取消しを求め、長崎地裁に出訴した。Yは、本件行政訴訟の管轄権は行訴法一二条一項によりYの所在地である東...
《解 説》
Xは昭和六三年九月当時、Y市立養護学校高等部二年に在籍する生徒で、視力障害、中度の精神薄弱、左半身麻痺及びてんかん等の障害を負っている男子であるが、学校内で加療約三週間を要する右眼結膜下出血の傷害を負った(本件事故)。Xは帰宅後、父親AにB教諭から体罰を受けたと話したので、Aは...