《解 説》
一、Xはドイツのクルップ・コッパースの子会社(日本法に基づく有限会社)であり、Y1監査法人の監査を受けていた(もっとも、Yらは該監査契約は親会社とY1との間で締結されたと主張したが、本判決はXも親会社とともに契約当事者であったと認定した)。Y1は、Xの昭和五二年一二月期の財務諸...
《解 説》
一、特許権の発生後にその内容を訂正する場合には、特許法一二六条の訂正審判の手続によらなくてはならないが、同条一項は訂正の内容を、(1)特許請求の範囲の減縮、(2)誤記の訂正、(3)明瞭でない記載の釈明、の三態様に限定している。また、そのうちの(1)の特許請求の範囲の減縮の場合に...
《解 説》
一、本件は、道路交通法違反(酒酔い運転)、業務上過失傷害被告事件であるが、本件車両を運転していたのが、被告人であるか、同乗していた被告人の友人であるかという身代わりの有無が争点となった。その概要は次のとおりである。
被告人とその友人Sは、スナックで飲酒した後、Sが運転して来て...
《解 説》
一、本件は、被告会社の従業員兼取締役であった原告が、取締役に再任されなかった際、役員手当を支給されなくなったばかりか、基本給まで減額され、さらに営業成績の低下を理由に再び基本給を減額されたため、被告会社に対し、右各減額分等の支払を求めたものである。
本判決は、「賃金は雇用契約...
《解 説》
X1(当時一六歳)は、窃盗の容疑で三回にわたり警察に逮捕勾留され、家裁に送致された結果、傷害、オートバイ窃盗、公衆電話機荒し及び万引については非行事実が認定されたが、三一件の侵入窃盗の容疑については、アリバイの成立及び自供内容と実況見分調書等に示される現場の状況との食違いを理由...
《解 説》
本件は、暴力団員が、入院中に医師から殴打されたことを根にもち、その七年余後に、仲間二名を同行して当該医師と面談し、こもごも「県の医師会に電話した。」「刑事事件にしてもいい。」などと申し向け、慰謝料名下に金員を喝取しようとしたが、警察に届け出られて未遂に終わった、として起訴された...
《解 説》
一 本判決は、いわゆる「天六ガス爆発事故」に関する刑事事件の控訴審判決である。
右事故は、昭和四五年四月八日午後五時二〇分ころ、大阪市大淀区(現在北区)天神橋筋六丁目からその東方の同区国分寺町に至る地下鉄二号線四工区の建設工事現場において、掘削中の坑内に露出宙吊りされていた三...