《解 説》
本判決は、強盗殺人罪による無期懲役刑の仮出獄中、再び若い女性に対して強盗殺人等を犯した被告人に対して死刑を選択した事案である。被告人は、昭和三三年に二一歳の女性に対する強盗殺人未遂罪で懲役五年以上八年以下に処せられ、昭和四四年には二四歳の女性に対する強盗殺人罪で無期懲役刑に処せ...
《解 説》
一、本判決は、外国人登録法違反のうち、外国人登録原票の記載事項の確認申請義務違反(外国人登録法一一条一項、一八条一項一号)につきなされた控訴審判決である。
原判決(神戸地姫路支判平1、7、4公刊物未登載)は、被告人が昭和六〇年一月一七日までに外国人登録原票の記載事項の確認申請...
《解 説》
一、本件は平成二年二月一八日に施行された衆議院議員選挙千葉四区の選挙無効訴訟であり、合計三件の訴訟が併合されているが、うち二件については選挙区間における議員一人当たりの選挙人数の格差が、昭和六一年法律第六七号による改正当時には一対二・九九、本件選挙当時には一対三・一八であり、し...
《解 説》
X弁護士はY(東京都選挙管理委員会)を相手に、平成二年二月一八日に施行された衆議院議員総選挙が選挙権の平等に反するとして、東京都第三区における選挙の無効判決を求め、出訴した。
右総選挙当時の公職選挙法は、昭和六一年法律第六七号により改正されたものであり、従前の定数配分について...
《解 説》
児童福祉法に基づく里親制度の里親(東京都養育家庭制度の養育家庭)となって五年間Aを養育していたXら夫婦は、東京都児童相談センター(児童相談所)によってAの委託先を変更する旨の措置変更処分を受けたためAを養育することができなくなった。そこで、Xらは、これは、養育家庭センター園長で...
《解 説》
本件事案の概要は次のとおりである。Xらは、民法上の組合であるY1の従業員であったが、上司が犯した業務上横領事件に関与したとの疑いをかけられ、自宅待機を命じられたため、職場復帰等を求めたところ、Y1の業務執行者であるY2により、職場であった福岡事務所から東京地区事務所への配転命令...
《解 説》
XはAに対し、封筒二六〇万一〇五〇円相当を販売し、AはこれをBに二九七万一二〇〇円で転売した。Xは右転売代金につき仮差押えをしたが、本差押命令がBらに送達されるまでの間にAが破産し、Yが管財人に選任され、Yが供託された転売代金全額の払渡しを受けた。本訴は、XからYに対し、主位的...
《解 説》
本件は、XがYに対し、建物建築請負契約に基づく請負金残額の請求をした(本訴)のに対して、YがXに対し、Xのした右請負金残額を被保全権利とする仮差押の執行が不法行為に当たるとして損害賠償請求した(反訴)ケースである。
本判決は、要旨次のとおり判示して、本訴・反訴いずれも棄却した...
《解 説》
地方公務員の採用は、原則として六月間の条件付とされ、その間良好な成績で職務を遂行すれば当然に正式採用となる(地方公務員法二二条一項。なお、一般職の国家公務員についても同様である―国家公務員法五九条。)この条件付採用制度の趣旨は、本判決にも引用されている最三小判昭49・12・17...
《解 説》
一、本件は、漁業、水産物の加工及び売買等を営むウタリ共同株式会社の代表取締役である被告人が、同社の業務に関し、同社の監査役である甲及び同社に雇用され同社が傭船した動力漁船に船長として乗込んでいた乙と共謀のうえ、法定の除外事由がないのに、北海道知事の許可を受けないで、色丹島周辺海...
《解 説》
一、事案の概要を紹介すると、柔道整復師である被告人が、医師、歯科医師、診療放射線技師又は診療エックス線技師の免許を受けていないのに、柔道整復の施術を受けに訪れた多数の者に対し、エックス線照射機でエックス線を照射して撮影し、その読影により骨折の有無等疾患の状態を診断し、もって医業...
《解 説》
一、本件は、神奈川県逗子市におけるいわゆる池子米軍家族住宅建設事業計画をめぐる紛争の一環として提起されたものであり、また、その形態において、国の機関委任として河川管理を行っている地方公共団体の首長が、右事務の委任者たる国を相手方としてその行う工事の差止めを求めるという他に類例の...
《解 説》
X会社はY銀行に預金したところ無断で拘束性預金とされてしまい、そのため資金繰りに困り他から借入れをしてしのいだが、負担しなくてもよいはずの利息を支払うことを余儀なくされたと主張して、Yに対して、契約責任又は不法行為責任に基づく損害賠償の内金一〇〇〇万円を請求したのが本件である。...
《解 説》
Xほか一名は、アメリカ合衆国カリフォルニア州上位裁判所(Superior Court同州第一審裁判所)判決により、Y1、Y2ほか二名に対して補償的損害賠償(compensatory damages)として四二万ドル余及び訴訟費用四万ドル余の請求権を有し、さらにY2に対しては懲罰...
《解 説》
一、本件事案は、警察官がAに対する逮捕状に基づき逮捕のためAの居宅付近で張り込み中、たまたま通り掛かった原告Xを身体特徴からAと誤認し、その確認のための職務質問を開始するとともに任意同行を求めたが、その際の有形力行使の有無程度が問題となったものである。Xは、滋賀県警の警察官三名...