《解 説》
本件は、建設作業中の左官職人が急性心臓死したので、その妻が、右死亡は、業務に起因するものであるとして、労災補償保険法上の遺族給付等を求めたのに対し、被告が、右死亡と業務との起因性を否定し、不支給処分をしたので、それを争って、右不支給処分の取消を求めた事案である。
法律的な争点...
《解 説》
本件は、公立小学校教師Xが、生徒指導について生徒の母親らから批判され、校長から学級担任(六年生)を学年途中で外されたが、これらは名誉毀損などに当たるとして、母親・校長・区・東京都らを被告として、不法行為に基づき二〇〇〇万円の損害賠償を求めた事案である。Xが名誉毀損に当たるとして...
《解 説》
一、Xは、Yの従業員であるが、昭和五九年一月配置転換命令を受けたのでこれを争い、右配置転換命令に基づく義務を負わないことの確認を求める訴えを提起したところ、昭和六三年七月敗訴の第一審判決を受けた。そこでXが控訴したが、Yは、同年八月、就業規則六五条一項一号(勤務成績がよくないと...
《解 説》
本件は、アスピリン喘息患者の薬剤ショック死につき、医師の責任が争われた事例である。
いわゆる新様式であるため、経過等には不明の点が多いが、Aは当時二七才の独身会社員で、アスピリン喘息(アスピリン等酸性解熱鎮痛剤によって発作が誘発される喘息)患者であったが、昭和六三年一月に発熱...
《解 説》
本件事案の概要は次のとおりである。
一、原告永井実可は、聴覚障害者である原告永井哲と婚姻し、昭和五四年一一月四日永井唯が出生し、児童扶養手当法の昭和六〇年改正前の四条一項により児童扶養手当の受給資格を取得した。しかし、原告らはこの手当制度を知らなかったため、原告実可は、唯出生...
《解 説》
本判決は、強盗殺人罪による無期懲役刑の仮出獄中、再び若い女性に対して強盗殺人等を犯した被告人に対して死刑を選択した事案である。被告人は、昭和三三年に二一歳の女性に対する強盗殺人未遂罪で懲役五年以上八年以下に処せられ、昭和四四年には二四歳の女性に対する強盗殺人罪で無期懲役刑に処せ...
《解 説》
一、本判決は、外国人登録法違反のうち、外国人登録原票の記載事項の確認申請義務違反(外国人登録法一一条一項、一八条一項一号)につきなされた控訴審判決である。
原判決(神戸地姫路支判平1、7、4公刊物未登載)は、被告人が昭和六〇年一月一七日までに外国人登録原票の記載事項の確認申請...
《解 説》
一、本件は平成二年二月一八日に施行された衆議院議員選挙千葉四区の選挙無効訴訟であり、合計三件の訴訟が併合されているが、うち二件については選挙区間における議員一人当たりの選挙人数の格差が、昭和六一年法律第六七号による改正当時には一対二・九九、本件選挙当時には一対三・一八であり、し...
《解 説》
X弁護士はY(東京都選挙管理委員会)を相手に、平成二年二月一八日に施行された衆議院議員総選挙が選挙権の平等に反するとして、東京都第三区における選挙の無効判決を求め、出訴した。
右総選挙当時の公職選挙法は、昭和六一年法律第六七号により改正されたものであり、従前の定数配分について...
《解 説》
児童福祉法に基づく里親制度の里親(東京都養育家庭制度の養育家庭)となって五年間Aを養育していたXら夫婦は、東京都児童相談センター(児童相談所)によってAの委託先を変更する旨の措置変更処分を受けたためAを養育することができなくなった。そこで、Xらは、これは、養育家庭センター園長で...
《解 説》
本件事案の概要は次のとおりである。Xらは、民法上の組合であるY1の従業員であったが、上司が犯した業務上横領事件に関与したとの疑いをかけられ、自宅待機を命じられたため、職場復帰等を求めたところ、Y1の業務執行者であるY2により、職場であった福岡事務所から東京地区事務所への配転命令...
《解 説》
XはAに対し、封筒二六〇万一〇五〇円相当を販売し、AはこれをBに二九七万一二〇〇円で転売した。Xは右転売代金につき仮差押えをしたが、本差押命令がBらに送達されるまでの間にAが破産し、Yが管財人に選任され、Yが供託された転売代金全額の払渡しを受けた。本訴は、XからYに対し、主位的...
《解 説》
本件は、XがYに対し、建物建築請負契約に基づく請負金残額の請求をした(本訴)のに対して、YがXに対し、Xのした右請負金残額を被保全権利とする仮差押の執行が不法行為に当たるとして損害賠償請求した(反訴)ケースである。
本判決は、要旨次のとおり判示して、本訴・反訴いずれも棄却した...
《解 説》
地方公務員の採用は、原則として六月間の条件付とされ、その間良好な成績で職務を遂行すれば当然に正式採用となる(地方公務員法二二条一項。なお、一般職の国家公務員についても同様である―国家公務員法五九条。)この条件付採用制度の趣旨は、本判決にも引用されている最三小判昭49・12・17...
《解 説》
一、本件は、漁業、水産物の加工及び売買等を営むウタリ共同株式会社の代表取締役である被告人が、同社の業務に関し、同社の監査役である甲及び同社に雇用され同社が傭船した動力漁船に船長として乗込んでいた乙と共謀のうえ、法定の除外事由がないのに、北海道知事の許可を受けないで、色丹島周辺海...