《解 説》
大蔵大臣Yは、A社の主要株主(証券取引法一八八条一項により、発行株式総数の一〇〇分の一〇以上を有する者をいう。)のXから自社株売買に関する報告を受け、内容を検討した結果、Xが法一八九条一項に定める利益を受けたとして、Xに対し、同条四項に基づき、右報告書中、当該利益に関する部分(...
《解 説》
一 Xらは、陶芸家及び陶芸実技の普及等を目的とする会社であるが、Yから継続的に、Yの設置した判決文にあるような構造の設備(「本件ガス消費設備」)を用いて陶芸用の窯に液化石油ガス(ブタンガス)の供給を受けていたところ、本件ガス消費設備中の高圧ゴムホースの亀裂部分から噴出したガスに...
《解 説》
本件は、政治団体であるXが、政党機関紙に掲載された記事により名誉を毀損されたとして政党Y1及び同機関紙編集長Y2に対して、謝罪広告掲載及び一億円の損害賠償請求をしたケースである。Xが問題とするのは、アメリカ合衆国に亡命した元KGB機関員レフチェンコが合衆国議会下院情報特別委員会...
《解 説》
本件は、昭和二七年にスキー指導員の資格を取得したというベテランスキーヤーがシーズン末期の五月中旬谷川岳天神平スキー場において滑降中、クレバスに転落して負傷したという事故について、国有林野の使用許可を受けてスキー場及びリフトを設置し、スキー場の管理を行い、リフトでスキーヤーを運送...
《解 説》
一、被告会社(被上告人)は採石等を目的とする株式会社であり(発行済株式総数は昭和五五年七月二四日当時三万株)、原告(上告人)は右時点において少なくとも被告の株式一万株を有する株主であったところ(原告は二万株を有する旨主張するが、右時点において原告が一万株を有していたことは争いが...
《解 説》
一、A市の住民Xらが、A市長Yらのした財務会計上の行為が違法であるとして、Y個人らを被告として損害賠償を求める住民訴訟(以下「本案事件」という。)を提起したところ、Yが、住民訴訟に準用される行訴法二三条に基づき、行政庁たるA市長(以下「Z」という。)を本案事件に参加させることを...
《解 説》
本件は、職務質問中立ち去ろうとする被告人に対し、これを制止しようとして警察官の用いた有形力の行使が法的に許容されるものとはいえないとした上、その後の所持品検査の段階で被告人から提出を受け、現行犯逮捕に伴う差押により押収された覚せい剤の証拠能力については、これを肯定した事例である...
《解 説》
XはAに貸金債権七五〇万円を有していたので、Yら二名にその取立てのため訴えの提起と追行を委任し、Yらの訴訟活動によって勝訴判決を得た。しかし、その間にAが所有不動産の名義を妻のBに移転していたので、YらはXの委任に基づき、右不動産について処分禁止の仮処分決定を得、さらにBに対し...
《解 説》
本件は、二階建共同住宅に住む被告人が、妻子が入浴中に、周囲をブロック塀及び自宅外壁で囲まれた風通しの悪い居室裏土間で、ガソリンをポリタンクから別のポリタンクに移し替えようとして、ガソリンを土間上に流出させ、このガソリンに被告人のいた場所から約一・五メートルの所に設置されていたガ...
《解 説》
本件はいわゆる赤道(里道、即ち、道路法その他の法律に基づかないまま財産として存在する道路であって、国又は地方公共団体が所有しているもの。公図上、赤で表示されているので、この名がある。)の時効取得が争われた事例である。
未登記の本件土地がもとは被告Yの所有であったことは当事者間...
《解 説》
一、Xらの息子Aは、国の設置する中学校の三年生であったが、放課後、教室においてささいなことから他クラスの生徒であるYと喧嘩になり、Yに後頭部等を殴打され、その結果クモ膜下出血により死亡した。Xらは、Yに対して不法行為に基づく損害賠償請求をするほか、Yの両親に対しては監護教育義務...
《解 説》
本件は代理店契約の成否が争われ、間接事実の総合によってこれを否定する認定をした事例である。
原告Xは昭和四九年五月に、Y(建設機械の著名メーカーで、東証一部上場会社)との間で、信越地区における代理店契約を締結したと主張して特約報酬内金一億円を訴求した。Xは、Yの当時の専務取締...