《解 説》
一、本件は、金銭消費貸借の借主が貸主あてに担保のため振り出した約束手形に保証の趣旨で裏書をした者が原因債務につき保証をしたといえるか否かが争われた事案である。
借主甲と貸主乙(原告・控訴人・上告人)との間で四か月間に三回の金銭貸借があり、その都度、裏書人丙(被告・被控訴人・被...
《解 説》
一、長男X、二男Yら共同相続人五名の遺産分割協議により、Xが係争土地を単独相続して登記も了したが、YがXの実印等を使用して自己名義に所有権移転登記を経由したため、XからYに対し右登記の抹消登記手続を求めた事案である。Yは、抗弁として分割協議の修正合意又はXの持分の受贈を主張した...
色盲治療方法名誉毀損書件控訴審判決
医師が色覚異常者に対して「まやかし療法」をしていると報じた新開記事につき、その主要部分が真実であり、批判、論評にわたる部分も事実に即したものであるとして、名誉毀損の成立を否定し、謝罪広告等を命じた一審判決を取り消して、請求を棄却した事例
一、詐害行為の後に成立した法人税債権が詐害行為取消権の被保全債権となるとした事例
二、詐害行為取消権行使の結果債権者に支払うべき金員に附すべき遅延損害金の起算日は判決確定の日の翌日である
《解 説》
一、本件被告人三名は、反山口組系暴力団忠成会幹部ないしその組員であるが、昭和五三年七月京都市内のキャバレー「ベラミ」店内で暴力団山口組組長田岡一雄を拳銃で狙撃した(殺人未遂)犯人として指名手配されていた反山口組系暴力団大日本正義団幹部鳴海清を匿っているうち、結局持て余して、ガム...
《解 説》
一、本件の事案は、中核派全学連の中央執行委員会委員長であった被告人が、沖縄返還協定の批准等の反対闘争のため、①昭和四六年一〇月二一日、多数の学生、労働者らをして、公務執行妨害罪を実行させる目的で、日比谷公園において、「機動隊せん滅」等を内容とするせん動演説をし、②同年一一月一四...
損害賠償任意保険の分割保険料の支払猶予期間内に発生した自損事故により被保険者が死亡し、支払猶予期間内に保険料の支払がなかった場合において、保険会社に保険金の支払義務があるとされた事例
一、給与支給機関が地方公務日月等共済組合法一一五条二項に基づき地方公務員共済組合の組合員である地方公務員の給与から貸付金残額を控除して右組合に払い込む行為と破産法七二条二号による否認
二、給与支給機関が地方公務員等共済組合法一一五条二項に基づき地方公務員共済組合の組合員である地方公務員の退職手当から貸付金残額を控除して右組合に払い込んだ場合と破産法七二条二号による否認の範囲
不動産競売目的建物内で元所有者が七年前自殺したことに縁由する生活環境により当該建物の交換価値に減少をきたしたことが民執法七五条一項の不動産の損傷に類するとして売却不許可決定をした事例