一、受刑者の慢性腎炎が進行して末期腎不全に至ったことにつき、刑務所の法務技官 (医師) に、本人への生活指導及び刑務所長へ適切な処遇意見を具申をすべき義務を怠った過失があるとされた事例
二、医師の過失と末期腎不全との因果関係は不明であるが、医師の過失によって病状の進行を阻止することは可能であったとし、その可能性を奪われたことに対する慰謝料の賠償を認めた事例
広範囲重篤な熱傷患者に対する緑膿菌対策として能書上聴力等への副作用があると記載された抗生物質の外用投与を継続し両耳の難聴を招来したとして担当医師らの過失を認め病院設置者である大学の賠償責任を肯定した事例
学校の視聴覚室において、卒業記念の木彫りのレリーフを共同製作中の小学校六年の児童が、同じ組の児童の持っていた彫刻刀で右目を刺された負傷事故について、担当教師の過失及び学校側の安全配慮義務違反が認められなかった事例
杉花粉アレルギー患者に対し減感作療法を施行した医師について、減感作療法施行時及び施行後に過失があるとして損害賠償責任が認められた事例
《解 説》
一、昭和五一年の建築基準法改正で日影規制が新設されて以後、同法の基準やその運用が、日照被害の有無の判断に大きな影響を与えてきているようである。しかし、建築基準法に適合する建物であっても、その建築により受忍限度を超える日照阻害等の結果があれば、違法な建築として、建築差止めや損害賠...
1 男子職員を勤務成績や能力に基づく選考をせず、勤続年数を唯一の基準として一律に昇格させる措置をとりながら、同一の昇格要件を満たしていた女子職員には右昇格措置を講じなかったことが男女差別であるとして、不法行為を理由とする差額賃金相当額、慰藉料及び弁護士費用の損害賠償請求が認容された事例 2 右の場合に、女子職員が現実に昇格したこと等の確認請求が棄却された事例
都職労板橋支部学校分会預金返還請求訴訟第一審判決
地公法上の職員団体の下部組織である分会名義の預金債権が同分会に属し、右職員団体から独立した労組法上の労働組合に属しないとされた事例
根抵当債務者が第三者の銀行取引について保証人となる行為は根抵当債務者と銀行との銀行取引には含まれずその保証債権は根抵当によって担保されないとされた事例
《解 説》
一、本件は交通事件であるが、特に事故と被害者の現在の症状及びこれに対する事故の寄与度が争われた事案である。他に、双方の過失割合も争点となった。
昭和五七年三月、原付自転車に乗っていた原告Xは横浜市内の変形交差点でY社のタクシーと出会い頭に衝突した。当初の診断名は、頭部・右肩・...
モデルガン規制国家鬼償晴求訴訟第一審判決
一、警察庁においてモデルガンの工法につき業界の自主規制を求めた行政指導を撤回し、銃刀法の改正により規制の強化を図ったことが違法でないとされた事例
二、銃刀法二二条の三第一項、同法施行規則一七条の三第一項及び別表第二が憲法一三条、二二条一項に違反しないとしてモデルガン製造販売業者らからの国家賠償請求を棄却した事例
大南大移転工事差止仮処分第一審判決
人格権に基づき大学校舎移転のための土地造成及び校舎建築工事差止仮処分申請が認められた事例
期間入札の開札期日において執行裁判所が定めた保証の額に四〇〇〇円不足する額の保証の提供をした入札人を最高価買受申出人と定めたことが、売却の手続における重大な誤りに当たるとされた事例
地下の通信用ケーブル専用溝内で火災が発生し電話ケーブルが焼損したため利用者が損害を受けたとしても、日本電信電話公社(現NTT)に対し、民法及び国賠法により損害賠償を請求することができないとされた事例
幼児が、虫垂炎に起因する腹膜炎から心裏炎に至って死亡した事案につき、医師は、途中に発現した臍周囲炎を契機に腹腔内の膿瘍を予見して診断、検査を尽くすべきであったのにこれを怠ったとして、大学病院並びにその小児科医師及び外科医師の責任が認められた事例