土地区画整理事業における仮換地指定処分について照応原則に反し違法であるとしつつ、右処分が取り消されると公の利益に著しい障害を生ずるとして、右処分取消請求に対して事情判決をした事例
《解 説》
事案の概要
Xは所有の不動産を自分の経営する会社債務及び活動資金の融資のためにY2信用金庫に極度額五億円の根抵当権を設定して活用してきたところ、Xの長男がAに騙されて本件不動産の権利証、Xの印鑑証明書等をXに無断で持ち出し、本件不動産の登記名義がAに、次いでAからY1に移転さ...
1 司法警察職員による捜索差押処分の違法を理由とする準抗告の対象 2 女性の司法警察職員が女性の身体捜索を実施する場合に、刑訴法115条にいう「成年女子の立会」は必要か(消極) 3 同一の捜索差押許可状に基づきビル内の捜索及び同ビル内に所在した多数の者の身体捜索が行われた場合において、そのうちの一部の者に対する身体捜索の方法に違法があったとしても、その者以外からの押収処分は違法とはならないとされた事例
《解 説》
X会社の従業員によって組織されたZ組合は、昭和六三年にX会社に対し組合結成を通告するとともに再三にわたり団体交渉の申入れを行ったが、X会社は文書により回答するのみで直接話し合う方式による団体交渉には一度も応じなかった。福島県地方労働委員会はX会社の右行為が不当労働行為であるとし...
1 課税処分に先立つ質問調査手続において、納税者が要求した第三者の立会いを拒絶したとしても、右の事情は課税処分の取消理由とはならない 2 課税処分の時点における推計の必要性の存在は、推計課税の要件ではない 3 課税標準等を算出するいくつかの推計方法がある場合には、最も合理的であると認められる推計方法によって算出される課税標準等をもって、真実の課税標準等の額に合致するものと推認すべきである 4 労務費を推計するに当たって、平均同業者率を用いるよりも本人率を用いる方がより合理的であるとした事例 5 原告が主張した本人率に修正を加えたうえで、係争各年分の労務費を算定した事例
《解 説》
一、本件は、昭和六二年六月二八日に施行された鹿児島県大島郡住用村の村長選挙(以下「本件選挙」という。)において、村役場庁舎二階会議室を投票記載場所として行われた通常の不在者投票(以下「本件不在者投票」という。)が、実質的に立会人を欠く違法なものであったかどうかが争われた事件であ...
保安林内の市有地における市道建設に関与した市建設局長らの行為が住民訴訟の対象となる財産管理行為に当たらないとされた事例
《解 説》
Y1は昭和五四年四月、父親Y2の身元保証のもとにX水産会社に就職し、同五七年三月、東京駐在所主任となった。Xは同年四月、Aとの間で水産物等の継続的販売契約を結んだが、Aについては二億円の与信枠を設け、これを超える分についてはXの管理在庫とすることになっていた。Y1は同五八年二月...
《解 説》
本件は、もと総会屋のXが、Y(銀行)との間でXが発行する業界新聞の販売等の取引を継続していたが、昭和五六年の商法改正を機に、Yから総会屋の閉め出しの一環として取引を打ち切られたため、新たにYの株式を取得し、株主名簿の閲覧及び謄写を請求した、という事案である。一審(本誌六六七号二...