最も長い歴史をもつ判例実務誌
偽造の印鑑登録申請書を受理し、それに基づき印鑑登録・印鑑登録証明書の交付をした市の担当職員に国家賠償法1条の過失を認めた事例
区が国から借受けた国有地上に設置・維持管理する公園に建立された記念碑が戦犯を顕彰しわが国を再び侵略戦争に駆り立てようとするものであるとして、区長の記念碑の不撤去という公園管理を怠った違法確認・記念碑の維持管理費の支出差止め等を求めた住民訴訟について一部を訴え却下・その余を棄却した事例
10年間転売禁止との特約付きで市から新聞社に随意契約により売り渡された土地について、新聞社から放送会社に持分2分の1の売買予約がされたことを特約違反として、新聞社等に原状回復及び損害賠償等を求めた住民訴訟の訴えが排斥された事例
退職後6か月以内に同業他社に就職した場合は退職手当を支給しない旨の退職手当支給規定は、合理的な理由が認められない限り、賃金全額払の原則に反する
神戸から岐阜への配転命令に応じなかった電算端末機オペレーターに対する通常解雇が解雇権の濫用に当たらないとされた事例
一定時刻以降の勤務に対し超過勤務手当を支給するとの労働協約は終業時刻をも定めたものであるから、これと同一時刻を終業時間とする就業規則は、右労働協約と同一内容を定めたもので有効であるとして、右時間以前の勤務の一部を欠いた教員に対する賃金カットを有効とした事例
成田空港建設に反対するため空港建設予定地を含む土地に共有持分権を有する、いわゆる一坪地主に対する共有物分割の訴えにおいて、空港の公益性、公共性を考慮した現物分割をした事例
1 建築基準法上の道路とされる私道部分に設置された工作物に対する隣人からの通行妨害を理由とする撤去請求の可否((1)事件‐消極、(2)事件‐消極) 2 建築基準法上の道路とされる私道部分に設置された工作物に対する隣人からの通行妨害を理由とする撤去請求が、妨害以前に通行の自由・利益を享受していなかったとして棄却された事例((1)事件) 3 建築基準法上の道路とされる私道部分に設置された工作物に対する隣人からの通行妨害を理由とする撤去請求が、妨害排除を求められ得る特段の事情がないとして棄却された事例((2)事件)
進出した大手同業企業との間で双方の利害調整のため店舗併設につき交渉しその主たる内容について合意に達するなど右契約成立・店舗開設を信じても無理からぬ事情にあるのに何ら理由も示さず事実上契約締結を拒否し損害を被らせた事案につき、契約締結交渉過程においてなすべき信義則上の注意義務違反を理由に損害賠償を認めた事例
地方公共団体が定める開発指導要綱は行政指導の指針であり、これに基づき宅地開発業事業主との間でなされた開発協力金支払の合意は私法上の贈与契約であり、右要綱及びその開発協力金規定は憲法29条、地方税法703条の3、地方財政法4条の5等に反するものでないし、本件開発協力金約定が錯誤又は強迫に基づいて締結されたものでないとされた事例
中央競馬において馬の到達順位を誤って判定したこと等に基づき、勝馬投票券購入者の日本中央競馬会に対する払戻金相当額の損害賠償請求が認められた事例
運転資格のない者がクレーン操作中吊り下げていた物が落下して右足を挟まれて負傷した事故につき使用者(元請・下請)に安全配慮義務違反があるとして損害賠償責任が認められた事例(過失相殺3割)
いわゆるエスカレーター式進学制度を標榜する学校法人が設置した女子中学校において、数名の生徒が教室内で学校の施設費が高いなどと雑談したことをとらえ、転校を強要したことが違法であるとして、右生徒からの損害賠償請求が認容された事例
1 警察官が、成田空港管制塔を襲撃した被告らを逮捕するために行なった行為によって損壊した物件について、被告らが警察官の行為を介して右物件を損壊したものであるとして、被告らに右物件について賠償責任を認めた事例 2 被害物件の損害額の算定方法について、被害物件の取得時の価額を把握し、それに被害時における残存率を乗じあるいはそれから定額法による減価をして、被害時における被害物件の残存価額を算出する方法を用いた事例
妊娠中絶手術の際、医師が子宮外妊娠の事実を疑わず、平常妊娠と診断したことが、実際は子宮内外同時妊娠であったとしても、過失がないとされた事例
被保険者であるパチンコ店経営者が従業員との間の喧嘩により死亡した保険事故が不慮の事故であり、その死亡につき被保険者に重大な過失もなく、その犯罪行為によるものともいえないとされた事例
特別売却において、最初の買受け申出をした者が、次順位買受申出人を定めた執行裁判所の措置が違法であるとしてした国家賠償請求が認められなかった事例
殺人被告事件につき、被告人の捜査官に対する自白の証明力を否定し、身代わり犯人であるとする公判廷の供述の証明力を肯定して、無罪を言い渡した事例
逮捕状の発付を得ていない段階で被疑者を警察署に連行し、引き続きなされた逮捕状の執行手続には重大な違法があるから、本件勾留請求はこれを却下すべきものである