最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 監獄法施行規則120条の合憲性
2 拘置所に勾留中の刑事被告人と14歳未満の者との接見を許さないとした拘置所長の措置に、裁量権の範囲の逸脱ないし濫用があったとされた事例
選挙運動者に対する金銭供与の共謀者間における供与資金の交付約束が供与の実行直後に履行された場合の供与の罪と交付の罪との関係
児童福祉法24条に基づく保育所入所措置が6箇月の期間を経過した場合における右処分の取消しを求める訴えの利益の有無(消極)
助役が、その所属する普通地方公共団体に対し請負をしている株式会社の取締役であることは、地方自治法166条2項、142条に違反するとして市長を相手に助役の解職を求める訴えが不適法として却下された事例
会社が今後行う直近の人事異動において、支社・支局から本社への配転対象者に組合員Mを含めてこれを行わなければならないことを命じた救済命令についての緊急命令の申立てが、救済命令の適法性に疑問があるとして却下された事例
1 共有の性質を有する入会権に基づく登記請求権は、入会団体構成員らに総有的に帰属するが、入会団体の代表者は、右構成員らから委ねられた財産管理権限に基づき、右登記請求権を自己の名において行使し、訴訟担当として訴訟を追行することができる
2 数村入会において、当該入会地の共有形態は各部落住民らごとに各別に共有持分を有する関係にあるとした事例
3 数村入会における各部落住民らの有する共有持分割合の判断基準
海岸に接して建てられ、海岸を営業に利用したホテルを経営する会社が、ホテルを利用する海水浴客の安全確保のための措置をとるべき注意義務を怠ったとして、海水浴中に溺死した宿泊客に対する不法行為責任を認めた事例
債務者の資産状態について虚偽の報告書を疎明資料として提出して動産仮差押命令を得たうえその執行をした債権者について、故意又は過失があったとして損害賠償責任を認めた事例
いわゆる一般的指定のなされている事件につき、弁護人の接見申出に対する警察官の措置に違法はないとして、弁護人の損害賠償請求を認めなかった事例
小学校6年生の児童が体育授業で、市立小学校のプールに飛び込んだ際に受傷した原因が、禁止されていた飛込み方法によるもので、プールの設置、管理の瑕疵、指導教諭の過失に基づくものではないとして、市の責任を否定した事例
県知事の宅建業法に基づく同業者に対する監督権限の不行使に違法がないとし、取引関係者に対する国賠法上の責任が否定された事例
1 交通事故により両眼失明した被害者につき、労働能力の喪失を80パーセントとした事例
2 視力障害者の将来の盲導犬関係の費用を相当損害と認めた事例
1 信用金庫の代表理事が専務理事の違法な職務執行を探知することが不可能ないし困難であったとされ、同専務理事に対する監視義務違反を理由とする信用金庫から同代表理事への損害賠償請求が棄却された事例
2 信用金庫が代表理事の違法な職務執行の結果不要な土地を取得した場合において、右土地を転売するまでの期間の右土地の取得資金の運用利益を右取得土地から取得しえた果実と等しいものと解して、これを損害と認めなかった事例
被保険自動車が譲渡されても、保険会社の裏書承認がない限り、譲受人に保険契約が移転しない旨の免責条項の適用が、権利濫用または公序良俗に反しないとされた事例
先願について優先権主張が認められるためには、その願書に最初に添附した明細書または図面に記載されている発明が第一国出願の出願書類の全体中に記載されていることを要するところ、先願とされる第一国出願の明細書には本願発明の要旨とする構成が記載されていないので、優先権が認められないとした、いわゆる拡大先願と同一とする拒絶審決を取り消した事例
類似意匠を使用した製品の販売による意匠権の侵害を認めたが、被告に向後イ号製品製造販売の意図がないことなどから差止め請求を棄却し、信用を毀損されたことについて業界関係紙における謝罪広告を内容とする信用回復措置請求を認容した事例
1 私立大学の再入学の許否は、学生の地位の復活の有無に直接かかわるので、法律上の争訟に当る
2 右大学の学費未納除籍者の再入学の許可については、学則上、裁量にかかるものであり、その裁量権の踰越の違法はなかったとされた事例
別居中の妻の許で監護されていた1歳4か月の男児を連れ去った夫に対する妻からの人身保護法に基づく引渡請求が棄却された事例
債務者会社営業所長の事後的作成文書(証明書)は民事執行法193条1項の「担保権の存在を証する文書」に該るとされた事例
手形不渡異議申立預託金の返還請求権の差押転付命令において、差押債権目録記載の手形の被裏書人兼所持人の記載が誤っていた場合に、差押債権の特定が不十分であるとされた事例
破産会社と貨物運送業者との間における家具や呉服等の配送に関する契約は、使用従属の関係が認められず、むしろ仕事の完成を目的とする性質のものであるから、雇用契約ではなく請負契約であり、業者の得るべき報酬は優先的破産債権ではないとした事例
自動車の運転による業務上過失致死傷事件につき
(1)禁錮以上の刑に処せられることにより被告人が失職することが考慮されて罰金刑の選択が相当とされた事例
(2)右の点を考慮しても罰金刑の選択は相当でないとされた事例
輩下の者と被害者拉致の謀議をした暴力団組長について、拉致に失敗した輩下の者らが被害者の殺害を謀議して実行した場合、両謀議の間に同一性・連続性が認められないとして、殺人の共謀共同正犯が成立せず、傷害致死の責任も認められないとした事例
1 いわゆる安全運転義務違反罪の構成要件に該当する行為の範囲
2 故意による安全運転義務違反罪の「罪となるべき事実」の摘示として不十分であるとされた事例
3 前方注視を欠いて一定距離進行した行為につき
(1)故意による安全運転義務違反罪が成立しないとされた事例
(2)故意による安全運転義務違反罪も過失による同罪も成立しないとされた事例
4 過失による安全運転義務違反罪の可罰性を基礎づける過失の程度