最も長い歴史をもつ判例実務誌
建物の信託的譲渡が認められた場合と、債権者が債権の満足を得るため、担保建物について採った処置に関連して債権者に債務不履行による損害賠償義務を生じた一事例
動産の強制執行における第三者異議の訴において、右第三者が債務者と連名で債権者に対し一定額の金員の支払を約し、もしその支払ができぬときは執行を認めるという趣旨の書面を差入れている場合には、特別の事情ない限り、右第三者及び債務者は目的動産が債務者の所有に属することを認めたものというべきである。
白紙委任状及び印鑑証明書を冒用した等公正証書の作成に関する瑕疵を主張することは、執行文付与に対する異議の事由となるのみで、請求異議の事由となすことはできない。
競売申立債権額が真実の債権額より過大であっても、事実債権が存在する限りは、これに基いてなされた競売手続は適法であって、右事由をもって、競落許可決定に対する適法の抗告理由となすを得ない。
債務者の被用者の過失によって、債務の履行不能を生じたときは、使用者たる債務者が被用者の選任監督につき相当の注意をし、または相当の注意をしてもなおかつその結果を生ずべかりしときでないかぎり、債務者の責に帰すべき事由により履行不能を生じたものと解するを相当とする。
賃借人が破産の宣告を受けたときは、賃料前払済の期間内は賃借人から賃貸借を解除しない旨の特約があるときでも、破産管財人は解約の申入をすることができる。
最高裁判所に対する特別抗告事件につき、原裁判所がその権限に基いて、適否の審査をする場合には、民訴第35条第6号の規定は当然その適用を排除される。
建物収去決定において、収去すべき建物及びその敷地の表示は、収去の目的たる建物を特定することができる程度に表示してあれば、必ずしも建物の構造、建坪の詳細を具体的に、又敷地の坪数を正確に表示しなくとも違法ではない。
抗告理由書の提出なきことを理由として即時抗告の申立を棄却した決定に対して、もし右決定前、既に抗告理由書が提出してあった場合には、当然適法な再審申立の事由があることになるか否か。
債権差押命令と転付命令とが同時に発せられ、既に債務者及び第三債務者に送達せられた後においては、もはや第三債務者に対し民訴法第609条第1項の陳述をなさしめることはできない。
不動産仲介業者に対し、不動産買受の仲介を依頼し、その仲介業者から売買物件の存することを知らされ、現地を調査の後、仲介業者に無断で、直接物件所有者と取引して、物件を買受けた場合における、仲介手数料支払に関する商慣習について。
仮差押の担保については、仮執行宣言付本案勝訴判決の執行により仮差押が本執行に移行しただけでは、民訴法第115条第3項にいう訴訟が完結したことにはならない。
競売期日の公告に記載された不動産の表示が、その不動産の現状と著しく異なる場合は、公告には不動産の登記簿上の構造坪数のみの記載では足らず、実測として現実の構造坪数をも表示しなければならない。
1 株式会社設立準備中の発起人が設立中の会社の執行機関としてなした行為から生ずる権利義務が設立後の会社に帰属するといい得るためには、右行為が厳に会社を成立させるために必要な行為であることを要する。 2 設立後会社に権利義務が帰属しない発起人の契約で、相手方が既に会社が存在しその発起人が代表取締役としての権限を有するものと信じ、且つかく信ずるにつき過失のないときは、発起人は相手方の選択に従い右契約の履行の責に任ずべきものである。
1 金員の業務上横領罪に関しその金員保管が業務たることの判示として不備の事例 2 業務上横領の起訴に対し単純横領罪を認定するには訴因変更手続を要しない。
地方公共団体からモーターボート競走の実施事務の委任を受けたモーターボート競走会と地方自治法第142条にいわゆる請負をする法人
1 民事訴訟法第733条、民法第414条第2項の規定に基ずく第一審受訴裁判所の授権決定により債務者以外の第三者として指定された執行吏の地位 2 右執行吏が代替執行の実施を拒否した場合と執行方法に関する異議申立の適否
1 競売期日の公告には、公告当時の年度の公課をかかげることを要するか 2 競売期日の公告における公課の表示が違法と認められた事例