最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 労働者が採用に当り学生運動歴を秘匿してもこれを理由に不利益を科されないか 2 労働契約の詐欺による取消にも労基法第3条の適用があるか 3 解雇後得べかりし昇給差額及び一時金の請求が認められた事例
1 国家公務員法第79条の起訴休職処分は自由裁量処分か 2 起訴休職処分が目的及び効果に照らし裁量権の行使を誤ったとして取消された事例
借地非訟事件に関する決定3件 (その1)1 借地法第8条の2第1項にいう「其ノ地ノ事情ノ変更」に当たるとして、建物の構造に関する借地条件変更申立を容認した事例 2 右借地条件変更に伴う付随処分として、期間、賃料を変更し、建付地価格の1割相当額(972万円)の金銭の支払を命じた事例 (その2)1 借地契約の残存期間が2年6月に過ぎないが、更新の可能性が大であるとして、借地条件の変更申立を容認した事例 2 付随処分として、借地権の残存期間を当初の借地契約の時から50年と定めた事例 (その3) 借地権の譲渡について、更地価格の20%に相当する金額を賃貸人に支払うことを条件として許可した事例
普通地方公共団体が共同墓地使用条例に基づいて維持・管理した土地が現実に耕作されていたとしても、農地調整法または農地法にいう農地に当らないとされた事例
実用新案登録無効審判の審決取消訴訟において審決で判断されていない新たなる公知刊行物に基づいて実用新案の登録無効を主張することの許否
遅延損害金に関する賠償額の予定のない金銭消費貸借において、債務者が任意に利息制限法第1条第1項所定の率の2倍をこえる約定利率と同一の率によって遅延損害金の支払をした場合、その支払った金額のうち同法同条同項所定の率をこえ、その2倍をこえない範囲の金額を賠償額の予定の支払をしたものとみなすことの適否
1 自動車損害賠償保険金の充当の順序 2 傷害(一眼失明と顔面の傷痕)につき両親に固有の慰藉料を否定した事例 3 弁護士費用を通常損害とした事例
1 自賠法第3条但書にいわゆる「構造上の欠陥又は機能の障害」の意義および右要件と不可抗力の抗弁との関係 2 ブレーキ故障による追突事故につき運転手に過失がないとされた事例
1 無断運転につき所有者の運行供用者責任が否定された事例 2 付添費、休業補償費の費目につき主張をこえる認定をした事例
1 白地未補充の白地手形の権利者は、利得償還請求権を取得しうるか 2 白地未補充の白地手形の権利者は、白地未補充のまま、利得償還請求権を取得し、これを行使しうるか
1 昇格、昇給処分と不利益処分の成否 2 事務吏員を消防隊長に任命した処分が地方公務員法第56条に反すると認められた事例
1 権利範囲の解釈基準 2 製造販売中止の後の差止請求が認められた事例 3 いくつかの工業所有権が一つの機械のうちに取り込まれている場合、一つの権利に基づく損害賠償額の算出方法において寄与率が取り上げられた事例
建物の朽廃を免かれるために改築、大修繕をする必要があることを理由とする建物借家人に対する解約申入についての正当事由の有無(積極)
1 不動産の強制競売における鑑定人の過失は、当然に執行裁判所の過失となるか 2 不動産の強制競売手続における鑑定結果の採用についての執行裁判所の注意義務
1 先入車両優先の原則と広い道路通行車両優先の原則との関係 2 訴訟に備えて破損自動車をそのまま保管した費用は相当因果関係ある損害ではないとした事例
1 自動車運転の資格の有無を確かめずに貸与したことを過失とした事例 2 会社の自動車の使用を許された従業員が、これを第三者に貸与した場合における会社の運行供用者責任(肯定)
1 更新拒絶の正当事由を肯認し難いとして増築許可申立を認容した事例 2 右借地権の消滅を理由とする土地明渡の訴と防火上必要な小規模な増築申立
1 改築許可申立を認容した事例 2 許可に伴う付随処分として、借地条件(地代増額・存続期間の延長)の変更と、30万円の支払を命じた事例
第1の株主総会における取締役等の選任決議が不存在であるため、以後8回にわたる株主総会の決議の不存在確認請求が認められた事例
地方公共団体(長)が違法に住民から町税及び延滞金を賦課徴収したとしても、その自治体が積極消極の損害を受けているものではないから住民訴訟の対象となるべき行為又は事実にあたらないとした一事例
審決取消訴訟において、出願人が必須の要件を主張しても、そのことが特許請求の範囲に記載されず、また明細書にもその作用効果に記載がない場合には、必須の要件ということはできない
1 犂に関する特許権について、旧特許法における権利範囲確認の審判に関し、特許権者から、確認の対象となったイ号の犂を製造販売している会社の代表者である個人を相手方として審判請求をすることは利害関係ありとした事例 2 右イ号の犂がそのヘキ面を所望に捻曲せしめる」との構造を有しこの点において右特許発明の技術的範囲に属する旨認定した事例
布団などに螺挿して移動を防ぐためのピンに関する実用新案権について、その技術的範囲は、登録請求の範囲に記載された「周辺に鋸歯を有する竜頭」の要件を欠く製品には及ばないとした事例
印刷物を指定商品とする「チバ」という商標登録出願が拒絶され、同旨の審決の取消を請求する訴訟において、取消を求める事由について具体的主張がない場合に審決の説示自体から審決を正当とした事例
食料品について判示のような図形部分に特徴のある商標権について、ホテルの地下グリルにおいて販売する食料品ピーザを宣伝広告するために、看板・ポスター・ちらしなどに前記登録商標と外観が類似する商標を使用した行為が商標権の侵害に当るとされ、調査費用について賠償が命じられた事例
「セッティングパーマ器」に関する実用新案権について、対象物件に設けられている針突起が単なる付加的構造にすぎないとして差止請求を認容した事例
「建築用ハッカー」に関する実用新案権について、その権利を侵害する物件を製造販売している者に対する差止の仮処分が認容された事例
審理の途中で刑訴法332条による移送がなされた場合、移送前後の各裁判所構成裁判官が同一人であるときの公判手続更新の手続の要否
1 捜査中の被疑事件の参考人に対して逃避をすすめる行為は証憑湮滅罪に該当するか 2 右の参考人に対して虚偽の供述を求める行為は右罪またはその教唆罪に該当するか
大型貨物自動車が片手運転の自転車を追い抜くにあたり、自転車が道路中央部分に進出したため発生した衝突事故につき、大型貨物自動車運転者の注意義務を認めた事例
いわゆるひき逃げ事件について、被告人運転の車が加害車両であるかどうかに関し、事故前後の情況証拠を詳細に検討し、否定した事例
夫婦の一方の自署した名下に、その委任・承諾を得ず他方が有合せ印を押捺して離婚の届出をしたとしても、届出当時夫婦間に離婚合意が成立し、且つその届出意思があれば、右届出による協議離婚は有効であるとした事例
申立人(妻)と相手方(夫)の収入のうちそれぞれの生活費に充て得べき額の合計を基準とし、生活保護基準の比率によって、相手方の負担すべき婚姻費用、分担額を定めた事例
1 親権者変更審判において職権で未成熟子の養育料の支払を命じた事例 2 父親の未成熟子に対する養育料分担額の算定にあたり、労研方式を採用するとともに同居中の叔母の最低生活費を控除した事例
危急時遺言の確認審判において、方式不遵守により遺言の無効が一見して明白である場合を除き、方式遵守の有無については一応不問に付して、真意の確認をなすべきである
沖縄在中の日本人妻が日本在住の米国人夫(インディアナ州)を相手方として申立てた離婚調停において、米国国際私法の判例上当事者双方又は一方の住所の存する州(又は国)が離婚の管轄権を有し、その準拠法であることが認められるとして、法例29条により目本法を適用し、家事審判法24条の審判をした事例
べトナム在住の米国人夫(ノースカロナイナ州)から、日本人妻に対する離婚調停の申立につき、両名は既に1年以上別居し、申立人からの生活費の支払いもなく、もはや婚因生活は完全に破綻している事案において、米国法および日本民法によれば離婚が相当であるとして家事審判法24条の審判をした事例
1 日本人男が自己の配偶者(ドイツ人)の子(ドイツ人)を養子とするにつき、ドイツ法によれば緑組の準拠法は養親の属する国の法律であるが、縁組に必要な同意はもっぱらドイツ法が適用されるべき旨が定められているところから、縁組の実質的要件についてはドイツ法に従うのが相当であるとした事例 2 縁組に関するわが国の家庭裁判所の許可審判は、ドイツ法上の裁判所の認許と制度手続は異なるが、縁組の当否を審査する点においては類型を同じくし、本質上著しい差異はないから、わが家庭裁判所の許可審判をもって右認許に代えることが許されるとした事例
日本においてなされた米国人夫(ヴァージニア州)と妻の子(日本人)との間の養子縁組につき、米国の裁判所の養子決定、わが国の家庭裁判所の許可審判のいずれも得ていない無効な縁組であるとして、家事審判法24条により縁組無効確認の審判をした事例
犯罪者予防更生法42条の通告事件により期間を付して医療少年院に送致された者に対する収容継続の申請を不適法として却下した事例
戻収容決定をするについては、少年に対し面前告知ないし審判期日における告知を必要と解すべきところ、少年の所在不明によりこのような手続を履践できなくなった以上、本少年に対する戻収容申請は理由がないことに帰するとして、これを棄却した事例
尊属殺人を犯した少年の事件について、本件犯行は心神喪失の状況下になされたもので、少年は少年法3条1項1号の犯罪少年に該当せず、また同条1項3号のぐ犯少年にも該当しないとして、事件を審判不開始にした事例