最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 新株の払込みが仮装払込みとなることを知りながら払込金保管証明をした銀行の責任 2 仮装払込みにあたるか否かの判断基準 3 銀行は仮装払込みにあたる場合にその事実を認識しながら(いわゆる悪意)右証明をしたときにのみ保管証明責任を負う 4 保管証明の対象となった払込み中に、仮装のものと真正のものが混在してその特定、識別ができない場合における悪意の認定 5 仮装払込みによる銀行の保管証明責任に関する主張立証責任
附近住民が地方公共団体を相手としてなした、大気汚染、水質汚濁のおそれがあるごみおよびし尿処理場の建築工事禁止の仮処分申請を認容した第一審判決を支持し、これに対する控訴を棄却した事例
1 定期金賠償認容の要件 2 いわゆる植物性人間となった交通事故被害者につき定期金賠償を認めた事例 3 一時払請求に対して定期金給付を認めることと民訴法186条 4 いわゆる植物性人間につき慰謝料請求を認容した事例
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法7条2項、6条1項の機密収集教唆罪が成立し、同法6条3項、1項の機密収集未遂罪は成立しないとされた事例
従前の土地の一部につき賃借権の帰属に紛争がある場合に賃借権の目的となる換地予定地(仮換地)の部分の指定通知が有効にされたと認められた事例
1 代物弁済予約形式の債権担保契約につき予約完結後清算前になされた債務弁済の効力 2 代物弁済予約形式の債権担保契約における債権者の清算義務と債務者の本登記手続義務ないし引渡義務との関係
1 賃金にあたる退職金債権放棄の効力 2 賃金にあたる退職金債権の放棄が労働者の自由な意思に基づくものとして有効とされた事例
債権に対する差押が競合したため取立金が供託された場合において債務者につき破産が開始して供託金が破産管財人に交付されたときと執行方法に関する異議の帰趨
1 共有物分割の訴において共有者3名のうち2名につき共通の代理人を選任することと民法108条 2 共有物である土地建物の分割につき競売によって売得金の分配を命じた事例
1 農業協同組合の職員が権限をこえて組合長名義でした約束手形の裏書について農業協同組合法42条、商法38条1項・3項、42条の適用があるとされた事例 2 准組合員の債務に対する保証と農業協同組合の事業目的
公認会計士法63条第1項(旧)の規定により計理士の業務を営んでいた者が執行猶予付懲役刑に処せられ執行猶予の言渡を取り消されることなく猶予期間を経過した場合における公認会計士特例試験受験資格の有無
1 被害者が、加害者の保険会社に対して有している任意保険金請求権を代位行使した事案について、加害者が無資力ではないとして代位請求を棄却した事例
1 労災等級1級9号該当の後遣症を残すに至った事故当時43才の女性の逸失利益の算定方法 2 右女性の付添看護費等について、定期金の支払を命じた事例
管財人が更生会社の従業員に対し、更生計画の遂行を妨害する行為があるとしてなした解雇が、解雇権の濫用にあたるとされた事例
タクシー料金値上げに伴い歩合給を主とする運転手の賃金計算方法を運転手の不利益に改めるにはその同意を要し、就業規則の改正によってはこれを行なえないとした事例
1 船員の雇用契約書中の「雇用期間乗船後3力月(変更も可)」との記載及び公認申請手続書中の「雇入期間不定」との記載のある場合の雇用契約が解除条件付試用契約と解された事例 2 試用労働者は不適格でない限り試用期間満了とともに辞令の交付なくしても当然に本雇となると解された事例 3 船員法42条にいう「・・・・・・書面で解除の申入れをし・・・・・・」には電報を含まないとした事例 4 すでに適法に全日本海員組合の組合員の資格を取得している者に対する右組合の加入拒否が、規約所定の加入取消事由を具えないとして効力を生じなかった事例 5 右に基づく解雇が無効とされた事例
「解雇の効力を仮に停止する」旨の第一次仮処分命令は、その後昇給差額等の仮払いを求める第二次処分命令申請事件に関し当然に裁判所を拘束すると解した事例
1 地方公務員法28条4項、16条2号、名古屋市職員分限条例に基づきなされた地方公務員に対する失職通知は行政処分であって抗告訴訟の対象となるとした事例 2 名古屋市清掃局現業職員に対する身分上の不利益処分に対する取消訴訟につき、人事委員会、公平委員会に対する審査請求を経ることを要しないとした事例 3 名古屋市職員分限条例の適用範囲は公務外の職員の犯罪にも及ぶとした事例
1 労働者に就労請求権ありとして就労妨害禁止仮処分を認容した事例 2 使用者に対し労務受領拒否による慰藉料支払義務ありとした事例 3 使用者に対し労務受領拒否による制裁的賠償を否定した事例
1 船内荷役中の労働者が積荷の上を通行中、船底に転落負傷したことにつき、使用者に安全通行設備を設けなかった債務不履行かつ帰責事由ありとされた事例 2 右転落につき労働者にも過失ありとして5割の相殺をした事例
1 併合罪の刑の加重にあたり刑法14条を適用しなかった違法が判決に影響を及ぼすこと明らかであるとはいえないとされた事例 2 公判調書中の「公判をした裁判官」欄に裁判所書記官の氏名を、「裁判所書記官」欄に裁判官の氏名を記載したことが単なる誤記にすぎないとされた事例
刑の執行猶予の判決に対する控訴申立期間経過後その確定前に被告人に対する別事件の実刑判決が確定した場合における刑の執行猶予言渡の取消方法
1 道交法88条1項2号にいう「口がきけない者」の意味 2 右規定にいう「口がきけない者」にあたらないとされた事例
接見交通等に関する検察官の新型の書面による意思表示につき準抗告の対象適格性を否定し、他方、具体的指定書を持参しない限り接見を拒否する旨の検察官の処分を取り消した事例
借地権者が同一借地上に接着して存する2個の建物のうちの1個を任意に取毀し借地権の残存期間を越えて存続すべき建物を築造した場合においてその借地全体について建物が滅失したものとして借地法7条を適用した事例
処分禁止の仮処分の対象となっている建物について、異なる当事者の申請による処分禁止の仮処分がなされた場合に、後の仮処分の執行が前の仮処分執行と牴触するとして許されないとされた事例
根抵当権実行による競売において、競売開始決定記載の債権がないことを証明しても、右根抵当権によって担保される他の債権の存することが明らかであるとして競落許可決定の取消を許さなかった事例
宅地建物取引業者の仲介を受けたのち、右業者を除外して直接売買契約を締結した場合、右業者に対する報酬支払義務を認めた事例
父親がその所有地上に自ら旅館を建築所有し、その子がその地上にこの旅館の調理場浴場用建物を建築所有しているとき、右調理場等の敷地につき建物所有を目的とする地上権が設定されたと認定した事例
クレーン車のロープの切断による鋼材の落下事故につき、クレーン車の運転手の操作と作業の註文者の指図に過失があったと認めた事例
融通手形が信用保証協会の免責を定めた「金融機関(銀行)が注意を払ったならば、明らかに通常の商業手形ではないと考えられるもの」に該当しないとされた事例
教材販売会社の営業部長に全く過失ない事故にもかかわらず、会社が自己の都合による欠勤同様にあつかい、会社の給与規定により日割計算によって不当に給与及び賞与を減額した部分も事故と相当因果関係あるものとし加害者に対し、この部分の賠償を認めた事例
自動車の運行供用者であるかどうかは、原則として自動車の利用状況を長期的継続的に考察して、当該自動車の支配権限が何人に帰属しているかを判断して決定すべきであり、事故の際の自動車の運行目的が偶々被害者の需要を充たしたからと云って、運行供用者となるものとは云えないとして、運行供用者および運転者と一定の親族関係があり、事故時同乗していた者を自賠法3条にいう「他人」にあたるとした事例
孫(3才)が、祖父(加害車の保有者)の従業員の運転する自動車に轢かれて死亡した事故につき、祖父と共に家業に従事している被害者の父およびその妻であっても、いわゆる自賠法3条の「他人」に該当するとした事例
交差点の直前で前方信号が青の点滅になったのを認め、相当広い道路(幅18米)を横断中には信号が赤にかわることが十分予想できた筈であるのに、交差点手前で停止することなくそのまま交差点に進入した自転車の過失割合を3割と認めた事例
道路中央付近を進行してくる対向車の進路上にブロックが突出していて、対向車が更に右寄りに自車の進路上に進入してくることが十分予測された筈であるのに、対向車と安全に離合しうるように徐行すべき注意義務を怠った被害車に1割の過失相殺を認めた事例
見とおしのきかない交差点での出合頭の衝突事故につき、徐行せず、相手車の前部をかすめて先に通過しようとした車と、形式的な一旦停止をしたのみで真に安全の確認を怠った車の過失割合を4対1と認めた事例
確定申告もせず、正確な帳簿も作成していなかった建具取付請負業者の労働能力の評価につき、賃金センサスを用いて収入を算定した事例
1 運行供用者責任および使用者責任を否定した事例 2 飲酒運転の自動車に同乗することが、自己の身体生命にとっても危険であることを充分認識しながら、あえて同乗した被害者に40パーセントの過失を認めた事例
停止中の車両の前部から道路を横断しようと走り出た児童(5才6月)に、右車両を追い越すべく対向車線に出た乗用車が衝突した事故について、右児童に事理弁識能力があるとして5割の過失相殺をした事例
車道巾員が約15メートルで、中央に市電軌道の設けられている道路を横断しようとして中央軌道敷上に佇立していた歩行者と、対向車前照灯の直射を避けて進路左側に視線を向けたまま進行したため、その発見が遅れて右歩行者に衝突した自動車の運転手との過失割合を歩行者2、運転者8とした事例
交通事故による傷害(頭痛・頚椎異常等)の治療中、また事故にあって受傷(外傷性頭頚部症候群)した場合に後の事故発生後の症状と治療における後の事件の占める割合を80パーセント程度と認めた事例
幼児が交通事故により受傷して治療中、その母が付添のために休業して蒙った損害を、付添看護費の中に含まれるべきものであるとして認めなかった事例
貸与中の自動車が貸主不知の間に第三者に転貸され、転借人において事故を発生せしめた場合につき貸主の運行供用者責任が否定された事例
1 付近土地の利用状況の変化を理由に借地条件を変更した事例 2 借地人に財産上の給付として更地価格の約10%に相当する金銭の支払いを命じた事例
1 核物質等の人体財産に及ぼす危険性を理由として、核燃料再処理施設を収容する建築物の建築確認処分の取消を求めうるか 2 右施設において取り扱われる核物質等による危険を排除するための司法救済手段
「包装湿潤タオル」に関する実用新案権の登録を無効とした審決が、出願前公知の事実とされた営業は出願後のことであったとして事実誤認を理由として審決が取り消された事例
「剥離に便利な粘着テープ」に関する実用新案登録出願について、引用例のテープが他の一面に刺状隆起があっても、この引用例から容易に推考しうるとして拒絶審決を是認した事例
「密閉撹拌装置」に関する特許発明が引用例の米国特許明細書と技術思想を同じくするとして特許を無効とした審決を是認した事例
「密閉撹拌装置」に関する特許権につき、共有者の一人を相手とした無効審判請求であっても他の共有者を加える旨の補正書を提出することによって、手続的不備にかかわらず、その瑕疵は治癒されたものと解すべきである
「移動体浮上装置」に関する特許権について、引用例の英国特許と技術思想を同じくするとして、特許無効とした審決を是認した事例
「生パンを収容するための容器」に関する特許出願について、補強外層の強度および人為的衝撃を加える標的区域に関する点において引用例と技術思想および構造作用効果を全く異にするとして拒絶審決を取消した事例
「鉄筋軽量コンクリート床版」に関する特許権の特許を無効とする審決について、3つの公知刊行物から容易に考えられるとした審決の結論を是認した事例
「スキー」に関する実用新案登録出願についてガラス質を基体とする繊維質の配列構成に改良を加え、捩れ強度を大きくしたものである点において引用例と異なるとして、拒絶審決を取り消した事例
「物質の内部破裂に依る含浸剤溶液含浸方法」に関する特許出願について、拒絶理由の引用例と目的を共通にし、方法も薬液含浸の方法として異なるところがないから拒絶を相当とした事例
「ポリ(ブテン―1)の製造方法」に関する特許拒絶審決について、拒絶理由とされた引用例が訂正審決によって減縮されたため、同一発明に該当しなくなったとして審決が取消された事例
「算盤珠の軸支部」に関する実用新案登録願について、引用例には、珠の中心より上方の2点において珠を支持し、珠の軽滑を抑制する技術思想は見られないとして拒絶審決を取消した事例
「避難袋」に関する特許権に基づく仮処分申請について、「伸縮自在の狭縮部を1個所以上設けたもの」はスプリングを螺旋状に巻いたものには及ばないとして、申請却下を相当とした事例
「製縄機」の実用新案権に関する権利範囲訴訟審判の審決取消訴訟において、回転伝導部における差異があっても、伝導力遮断の面における作用効果同一である以上、権利範囲に属するものと判断した事例
「金属箔製造法」に関する特許出願について、本願発明が下塗層を剥離層のほか保護層としても利用することにより、工程の省略を達しえたとして、拒絶審決を取り消した事例
香料などに関する「高砂ミクロン」という商標登録出願について、本商標が「ミクロン」と略称されうるとして同じ称呼の引例による拒絶審決を是認した事例
1 週刊新聞「民主青年新聞」、月刊雑誌「青年運動」に掲載された手記、論文は単なる事実の列記あるいは日々の社会事象の報道記事でなく、精神的知的創作として著作権法による保護の対象である。 2 著作権侵害を理由として印税相当額の得べかりし利益、著作人格権侵害および名誉毀損を理由とする慰謝料および未払の弁護士費用についても賠償を命じた事例
弁理士会の会員から、弁理士会理事会決議無効確認を求めた訴訟において、確認の利益なしとした判決をもって訴を却下された事例
カセットテープに関する「ソニー」という商標に基づき、これと殆んど同一の標章使用につき、使用禁止及び損害賠償請求が、被告不出頭のまま認容された事例
「合成樹脂製注射筒」に関する実用新案権に基づく差止仮処分決定が異議事件の判決において是認され権利濫用の主張が排斥された事例
軍手に貼付された標章が塗りつぶされた楕円形状を有していない点に登録商標との相違点があるとして、商標権に基づく差止請求が排斥された事例
河川法施行法第13条により河川保全区域の指定があったものとみなされていた土地が河川管理者の指定により河川区域および河川保全区域に二分された場合、右指定の前後にわたり右両区域にまたがる一連の無許可の土地の形状を変更する行為についての擬律
1 遺産の評価の方法 2 家事審判法9条1項乙類事件につき、審判手続への移行を関係者へ告知することの要否 3 遺産の一部分割の可否