最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一、Xはドイツのクルップ・コッパースの子会社(日本法に基づく有限会社)であり、Y1監査法人の監査を受けていた(もっとも、Yらは該監査契約は親会社とY1との間で締結されたと主張したが、本判決はXも親会社とともに契約当事者であったと認定した)。Y1は、Xの昭和五二年一二月期の財務諸...
《解 説》
一、本判決は、いわゆる松戸OL殺人事件の控訴審判決であり、争点となった右事件につき、自白の任意性、信用性を否定し、訴訟手続の法令違反、事実誤認を理由として一審の有罪判決を破棄した上、右事件について無罪を言い渡した(別件の住居侵入・強姦、常習累犯窃盗につき懲役六年)。
争点とな...
《解 説》
一、約束手形の期限後裏書を受けた者から振出人に対する手形金請求事件である。
振出人Yは、原因たるべき借入金債務の借主はYの夫であり、Yには振出の原因がないとするほか、初回分と二回目の一部の弁済による原因債権の消滅及び各手形の満期前における、Yの夫に対する貸金債権の大部分がAの...
《解 説》
本件事案の概要は、阿波おどりの開催期間中に、徳島市観光協会が徳島県の設置、管理する都市公園につき占用許可を受けて、阿波おどり演舞場を設置した際、徳島新聞社が右演舞場に看板を設置したことに関し、徳島県の住民である原告らが、右看板の設置は都市公園法六条一項の都市公園占用許可を受けて...
《解 説》
Yは貨物自動車運送事業等を営む会社であり、Xら八名はYに大型貨物自動車の運転手として勤務する者である。Yの業務は長距離運転が多く、超過勤務手当支給の対象となる労働時間の把握が困難なため、一定の計算式と行先別の「セット時間」を決めて、実労働時間によらず、手当てを支給していた。Xら...
《解 説》
一、本件は、航空機内清掃会社の従業員につき、安全配慮義務違反による損害賠償請求が一部認容された事例である。争点とされた箇所は多岐にわたるが、ここでは主要な点のみを紹介する。
X1~X3は、昭和四七年春以来、機内清掃等を業とするY1(AGS)の従業員として機内クリーニング作業(...
《解 説》
X(原告)は、いわゆるクレジットカード利用の立替払契約を業とする信販会社である。右立替払契約とは、Xが契約者に対しカードを発行するとともに、契約者がカードを利用して加盟店から購入した商品代金を加盟店に立替払いし、契約者はその立替金をXに分割等で支払う旨の内容となっていた。
X...
《解 説》
前訴で勝訴し確定判決を得たXは、前訴を提起したY1(代表者Y2)に対して、前訴におけるYらの訴えの提起・遂行等が不法行為に当たるとして損害賠償を請求した。その前訴の内容は、Aから店舗を賃借してクラブを経営していたY1が、支配人Xに対して、Xが売上金を横領しY1の賃借権を侵害した...
《解 説》
一、Xは、各種電気製品、自動車用品及び一般家庭用品の小売販売を営むG社に対し、昭和六〇年一二月二三日から日用雑貨品を継続的に販売していたが、G社は、昭和六二年六月、和議開始の申立てをして倒産し、その後和議認可決定がなされた。Xは、右倒産時G社に対し、一六一五万円余の売掛債権を有...
《解 説》
日本在住のXが、ドイツを訪れた際、日本の法人Y1のドイツにおける現地法人甲に対し、ベンツを購入したい旨申し込んでいた。ところで、ドイツにおいては、国内の物品売買に対し一四パーセントの付加価値税が掛かるが、輸出品についてはこれが掛からないところから、甲がドイツにおける自動車販売会...
《解 説》
Xほか一名は、アメリカ合衆国カリフォルニア州上位裁判所(Superior Court同州第一審裁判所)判決により、Y1、Y2ほか二名に対して補償的損害賠償(compensatory damages)として四二万ドル余及び訴訟費用四万ドル余の請求権を有し、さらにY2に対しては懲罰...
《解 説》
一、本件の訴因事実は、「被告人が、甲と共謀の上、乙から覚せい剤約一グラムを代金二万円で譲り受けた」という覚せい剤の共同譲受けの事実であったところ、被告人は、公判廷において、「甲に頼まれて、同人を覚せい剤を密売している乙方へ案内し事実上両名を引き合わせ、その後の覚せい剤の取引現場...
《解 説》
一、本件の背景となっている事実は次のとおりである。
昭43・8・13 X―石川県から四八万円借入(A・B連帯保証)
昭46・4・12 Y1がXの石川県に対する残債務三六万円を代位弁済
その後 Y1は右債権の回収のためとしてXの家財道具等処分①
昭47ころ X―Y1に対し...