最も長い歴史をもつ判例実務誌
一、警察官が捜索差押の際、相手方の同意を得ないでした会話録音の適法性二、いわゆる声紋鑑定の証拠能力三、いわゆる言語学鑑定の証拠能力四、脅迫電話のテープを聴取した被告人の知人等の証言、声紋鑑定、言語学鑑定等を総合して、脅迫電話の声の主を被告人であると断定し、職務強要罪の成立を肯定した事例
保険契約者が取得した死亡保険金は所得税法(昭和六三年法律第一〇九号による改正前のもの)九条一項二一号及び所得税法施行令(昭和六三年政令第三六二号による改正前のもの)三〇条一号所定の非課税所得に当たるか(消極)
借家法一条ノ二にいわゆる正当の事由に基づく都営住宅の解約申入れと東京都営住宅条例(昭和二六年東京都条例第一一二号)二〇条一項六号の適用の有無
給与支給機関が地方公務員等共済組合法一一五条二項に基づき地方公務員共済組合の組合員である地方公務員の給与から貸付金残額を控除して右組合に払い込む行為と破産法七二条二号による否認
多額の損失を生じた競走馬の譲渡に関し、当該損失の帰属主体たる親が当該競走馬の取得に当たり売買代金名目で息子に支払った金員のうち他への譲渡代金相当額等が取得費と認められ、残余は親から息子への贈与であると認定された事例
一、法人が遺贈により取得した土地について遺留分減殺請求がされ、これに対して価額による弁償をした場合の土地の受贈益を算定するに際しては、価額弁償金を控除することはできない
二、法人が遺贈により取得した土地について遺留分減殺請求がされ、これに対して価額による弁償をした場合には、弁償した価額は損失として確定した年度の損金となる
三、法人が遺贈により取得した土地の受贈益を公示価格により算定したことが適法とされた事例 法人が遺贈により取得した土地に借地権が設定されている場合に、その受贈益を算定するに際して借地権価格を減額しなかったことが適法とされた事例
一、住民訴訟における主観的予備的併合が違法とされた事例 二、土地に関する権利が地方自治法二三八条にいう公有財産に該当しないとされた事例 三、土地売買に関する契約の解除は適法であるが、売買代金を返還するのみで金利相当分を付加して返還しないことが違法であるとして、金利相当分について損害賠償を認めた事例県知事が昭和天皇の病気見舞いの記帳等を行うについて、県の公費を支出したことが違法でないとされた事例
一、退職手当に関して一部事務組合が設置されている場合に、退職した職員が所属していた地方自治体の長が地方自治法二四二条の二第一項四号の「当該職員」に該当しないとされた事例 二、一部事務組合のした退職手当の支給に関して地方自治法二四二条の二第一項四号後段に基づく損害賠償請求の相手方が、退職した職員が所属していた地方自治体の長ではなく、地方自治体であるとされた事例 三、地方自治法二四二条の二第七項に基づく住民訴訟における弁護士費用の請求が却下された事例
深夜勤務の大型トラック運転手が予期しなかった積雪及び路面凍結のため閉鎖された国道入口で待機中の突然死につき業務起因性が認められなかった事例
当初の雇用契約は求人票の記載内容等から期間の定めのない常用従業員であることを内容としたものであったが、その後締結された契約により期間の定めのある雇用契約に変更したとされた事例
交響楽団とソロチェリストとの間で契約期間を二年、二年、一年とする各雇用契約が順次締結された場合につき、最後の契約の期間満了により契約関係が終了したものとされた事例
他人名義を使用して契約が締結された場合において、当該契約は、他人名義を使用した契約締結行為者と相手方の間においては成立しないとされた事例
車両置場部分(土地)付きの建物賃貸借において、車両置場部分の一部の土地の解約申し入れにも、借家法一条ノ二の正当事由に準じた「正当の事由」が必要であるとされた事例
ゲレンデを滑降してきたスキーヤーがゲレンデから駐車場に転落して死亡した事故につき、ゲレンデ及び駐車場の占有管理者に損害賠償責任を認めた事例
夜間国道上に駐車していた大型特殊自動車に自動二輪車が衝突して運転者が死亡した事故について、大型特殊自動車の運転者に過失があったとして、民法七〇九条の損害賠償責任が認められた事例
一、産婦が出産直後に大量出血で死亡した事案につき、その原因を子宮頚管又は子宮内壁に存在した未確認裂傷と推認して、担当医に輸血手配遅延の過失があったと認定した事例二、主婦の死亡に対する慰謝料として、本人分一五〇〇万円及び遺族固有分合計一三〇〇万円の総額二八〇〇万円が認容された事例
うつ病患者が精神科病院入院中許可を得て外出した折りに自殺したことについて病院側が保護措置を講ずべき義務を怠ったとは認められないとされた事例
一、「相続させる」旨遺言をした場合における目的財産の帰属
二、遺言の対象となった土地が後に合筆、分筆及び一部売却された場合の遺言の効力
当座預金口座が資金不足であったにもかかわらず手形金を支払った銀行のその弁済を受けた手形所持人に対する不当利得返還請求の成否(消極)
原告Aの被告BCに対する請求ならびに参加人DのABCに対する各請求が合一にのみ確定すべき独立当事者参加訴訟において、AのBCに対する請求を棄却し、DのABCに対する請求をそれぞれ一部認容する旨の一審判決に対して、AがDの控訴に対する附帯控訴をしたにとどまる場合でも、控訴審は、合一確定に必要な範囲で、BCの関係においても、一審判決中D勝訴部分をDに不利益に変更することができるとされた事例
不動産競売目的建物内で元所有者が七年前自殺したことに縁由する生活環境により当該建物の交換価値に減少をきたしたことが民執法七五条一項の不動産の損傷に類するとして売却不許可決定をした事例