最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 高等学校長の職務権限と職員会議の法的性格
2 校長は全校的教育事項につき職務命令を発することができるとされた事例
3 デモ行進等を生徒会活動として指導したことが特別教育活動の限界を著しく超え、生活指導部長としての職務に違反するとされた事例
4 定時制過程の在学生を新設高校に全員転校させた措置が適法とされた事例
5 校長等の着任を拒否したことなどを理由とする懲戒停職等の処分に裁量権の濫用はないとした事例
判決宣告期日の直前に国選弁護人選任の請求がされた場合にその選任をしないまま判決の宣告をしたことが憲法31条、37条3項に違反しないとされた事例
1 市の留守宅家庭児童育成事業(学童保育)に参加して公園内で遊戯中の6歳の児童が右大腿骨骨折の傷害を負った事故につき、その指導にあたっていた指導員に過失があるとして、市に国家賠償法1条1項所定の損害賠償責任を認めたが、右児童にも重大な落ち度があるとして7割の過失相殺をした事例
2 6歳の児童の受傷入院中母が欠勤してこれに付き添った場合において、児童固有の入院付添費相当の損害を母の休業損害相当額をもって算定し、母固有の休業損害の賠償請求を認めなかった事例
1 地方自治法242条の監査請求に添付された請求者本人作成名義の事実調査報告書が同条所定の違法等の事実を証する書面に該当するとされた事例
2 監査委員の監査請求書不受理の行為が、地方自治法242条に違反する違法なものではあるが、国家賠償法1条1項にいわゆる違法な行為とはいえないとされた事例
1 組合員が組合の決議に基づき失業給付金の不正受給をしたことにより詐欺罪の有罪判決を受けても組合の上部団体等に対し慰謝料の請求をすることは許されないとされた事例
2 右不正受給は組合員と組合の上部団体との共同不法行為であるとし、当該組合員の負担部分が4割であるとされた事例
3 組合の上部団体から組合に対する犠牲者救援基金の支給が組合への一括貸付であり、各組合員は右貸付につき組合から自己への支給相当分の限度で連帯保証をしたとされた事例
動産売買先取特権者(売主)は、債務者(買主)ないしその破産管財人に対し、先取特権の目的物につき、差押承諾請求権ないし引渡請求権を有しないとされた事例
投機的土地取引に関するローン取引において、買主は、土地売買の公序良俗違反による無効の抗弁を、金融会社に主張することができるとされた事例
権利能力なき社団である町内会の内部対立を契機としてその構成員が脱退して結成した新町内会がもとの町内会の財産につき権利を有しないとされた事例
むち打症の被害者との示談交渉の過程で、保険会社の担当者が、被害者の代理人弁護士に対し、「被害者の治療の延引が被害者の資質が加味されたものではないかと思われる」旨の文書を作成、送付したとしても、名誉毀損にあたらないとされた事例
宅地建物取引業者が顧客に投資目的の土地売買契約を締結させる際の勧誘行為が違法であるとして、右契約締結行為につき、右業者たる会社とその代表取締役に不法行為責任が認められた事例
1 相続財産に対して破産宣告がなされた場合、単純承認をした相続人は相続債務を承継する余地があるか(積極)
2 相続放棄の申述が熟慮期間の徒過を理由に無効とされた事例
1 憲法32条は裁判所に出廷して自ら訴訟を追行する権利までも保障するものではない
2 受刑者がその提起した民事訴訟の口頭弁論期日に出廷することを求めたのに対し、刑務所長がこれを許可しなかったことについて裁量権の濫用、逸脱がないとされた事例
著作権者である日本画家の許諾を受けないで、同画家が創作した日本画の複製銅版画(エスタンプ)を多数製作するとともに、勝手に作成保有する右著作権者の名を刻した印鑑を右各複製銅版画に冒捺してその印影を顕出したとして著作権法違反及び印章偽造の各罪に問われた被告人に対し、懲役刑の実刑判決が言い渡された事例
コンピュータープログラムの著作物に対し著作権法119条1号の罪が成立するためには、プログラムの具体的な内容や権利者を知る必要はなく、プログラムであること、権利者が存在することの認識があれば足りるとされた事例
1 警察官の捜査に犯罪をも組成する違法、不当があるのを看過してなした検察官の公訴提起がいまだ公訴権行使の裁量を逸脱しているとはいえないとされた事例
2 逮捕状及び捜査差押許可状の各発付請求の基礎となった証拠資料の収集過程に犯罪行為を含む著しい違法、不当があったとして、被逮捕者の供述調書及び捜査差押の現場撮影写真の証拠能力がそれぞれ否定された事例