最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令1条9号に掲げる産業廃棄物の意義
2 家屋等の除去に伴い不要となった廃木材と廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令1条9号に掲げる産業廃棄物
1 他人の債務の支払いを確実にさせる目的などで手形を振り出した者が、民法500条の「弁済ヲ為スニ付キ正当ノ利益ヲ有スル者」とされた事例
2 売買契約における所有権留保と民法504条の「担保」
所有権が将来移転する場合に備えて所有者から所有権移転登記申請書類を預っていた買主が、未だ所有権移転がないのにその書類を冒用して所有権移転登記をした等の事情がある場合に、所有者は右登記を信頼して取引に入った者に対して右登記が無効であることを対抗できないとした事例
契約上の代金債権が譲渡されたのちに、それと同時履行の関係にあった反対債権が不履行のため損害賠償債権に転化したときは、その損害賠償債権を自働債権とし代金債権を受働債権とする相殺は、代金債権譲受人に対抗することができる
裁判所が判決により地代家賃統制令の適用のある土地について停止統制額または認可統制額を超える地代を定めることができる場合
仮差押えの執行が不能に終り仮差押申請が取り下げられたが、提供した担保につき「担保ノ事由止ミタ」とは認められなかった事例
抵当権が設定された土地上に建物を建築した第三者がその後右土地の所有権を取得した場合、抵当権者は、右建物についても民法389条に基づき競売権を取得することができるとされた事例
私鉄の駅構内で2社のタクシーが競合して営業している場合において、私鉄に対し2社のタクシーが交互に乗車稼働する機会を与えるよう命ずるとともに、1会社に対し営業活動妨害の禁止を命じた事例
登記官が、委任状の登記義務者の印影と通知書の回答欄の印影が異なるのを看過して登記申請を受理したことに過失があるとして、国に対する損害賠償請求が認容された事例
印鑑登録証亡失届、印鑑登録申請および印鑑登録証明申請時の本人の確認につき、市職員に過失ありとして市に対する損害賠償請求が認容された事例
中学二年生が学校の休み時間に掛けたプロレス技による同年生の右眼失明等の事故につき、技を掛けた中学生の損害賠償責任は認められたが、その父、母の監督者責任は否定された事例
枇杷葉温圧療法としての施灸を継続した結果、関節痛が増悪し四肢関節拘縮等の障害を後遺とするに至ったとする主張につき、右は民間家庭療法であって治療行為に該当せず、これにつき療法用具の使用を指示しているにとどまる等として、債務不履行および不法行為を理由とする賠償請求が各棄却された事例
上下水道配管幹線のマンホール内で作業中の名古屋市水道局技師が酸素欠乏症により死亡した事故につき、名古屋市の安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任が認められた事例
囲繞地通行権確認訴訟において、原告が主張する通路と裁判所が相当と認めた通路とが一部重複していても、右両通路には同一性がないとして、請求を全面的に棄却した事例
ユンボを使用して杭打ちをするという基礎工事によって隣地上の建物に損傷を与えた事故につき、元請工事者および下請工事者の損害賠償責任が認められた事例
1 知事および市長の補助金交付決定は、地方自治法242条の2第1項2号所定の「行政処分」にあたらないとされた事例
2 相手方に対し行政処分を行うことを含む公法上の手続をとることを求める請求は、地方自治法242条の2第1項4号所定の請求に含まれないとされた事例
虫垂切除手術の際の緑膿菌による髄内感染患者の転医を受けた病院医師につき、抗生物質の髄腔内投与不施行の過失が認められるとして、急性脳脊髄膜炎による死亡の結果に対する大学病院の債務不履行を理由とする賠償責任が肯定された事例
交通事故により頭部打撲等の傷害を受けた児童に対する検査、指示ならびに転医の措置につき診療関与医らに義務違背が認められないとし、頭蓋内出血による死亡の結果に対する被告病院の債務不履行および不法行為責任がいずれも否定された事例
交通事故の被害者の頚椎損傷が既往症や過去の交通事故と競合している場合、症状固定と診断された症状の限度において右事故と相当因果関係があると認めるのが相当であるとされた事例
殺人事件に関連のある不審車両としてパトカーに追跡され逃走中の交通違反車両が検問のため停滞していた車両に突込み惹起した事故につき、パトカー乗務の警察官および検問中の警察官について追跡中止義務・検問中止義務を怠った過失はないとされた事例
1 未登記の船舶の譲受人が海上(船舶)保険の実質的被保険者であるとされた事例
2 相手方の援用せざる予備的相殺の主張
1 支配人として登記されていても、支店の管理課長の地位にある商業使用人は、支配人として裁判上の代理権を有するものではないとされた事例
2 実質上支配人でない者のした訴訟行為はすべて無効であるから、後に弁護士が訴訟を追行しても、右訴訟代理権欠缺の瑕疵が治癒されたものと認めることができないとされた事例
支配人として登記されていても営業の全般に亘る代理権を有しない商業使用人は、支配人として裁判上の代理権を有するものではないとされた事例
株式会社の係長は商法43条1項所定の手代に該当し、その担当職務については裁判外の権限を有することになるから、右係長の一切の代理権を制限するというような主張は許されないとされた事例
実用新案を無効とした審決取消訴訟において、無効請求人である被告が審決で示された無効事由について立証しない以上、審決は取消しを免れない
無効審判請求の代理人である弁理士が、請求の対象である当該発明の外国特許出願の代理人であったことは、弁理士法8条1号の業務を行うことができない事由にあたらないとされた事例
特許無効審判請求において、公然実施(29条1項1、2号)のみならず容易推考(29条2項)の根拠として請求人が提出した証拠について、容易推考性の判断が欠けており、違法であるとして審決を取り消した事例
先願である引用意匠について拒絶査定が確定しても、取下げ、無効若しくは冒認によるものでない限り先願の地位は失わないとして、これと類似することを理由に意匠登録を拒絶した審決を維持した事例
分割出願の新規性否定の先願とされた原出願2項の発明が訂正審判の確定により削除され結果、右分割出願の拒絶審決が根拠を失ったものとされ、取り消された事例
不正競争防止法1条1項1号にいう商品主体混同行為の成否は、当該商品取引の実情に鑑み、取引者・需要者が両表示の外観、称呼、観念から、両表示を全体として類似のものとして受け取るおそれがあるか否かを基準として判断すべきであるとし、商品ウイスキーに使用する「ゴールデン・ホース」の表示およびその英語表示ならびに図形表示が、ウイスキーについての著名表示である「ホワイト・ホース」とその英語表示、図形化表示と何れも類似していないものとした原審判断を維持した事例
1 特許出願手続における補正書不受理処分に対し適法な異議申立てを経ていれば、右補正書の内容の説明の目的で、同日付で提出された意見書に対する不受理処分については、異議申立てを経ずに取消訴訟を提起しても、行政事件訴訟法8条2項3号にいう「正当な理由」があるというべく、不適法とはいえない
2 同日付提出の手続補正書、意見書につき、住所「広島」を「東京」に、審判請求人「佐竹利彦」を「株式会社佐竹製作所」とした誤記があったとしても、審判事件番号、代理人、住所氏名電話等が正しく記載されている以上、審判請求人の同一性の検討、その処理手続にさして困難はなく、誤記につき補正を命じその対応をまって受理の可否を決すべく、これを欠いた請求人相違を理由とする各書面の不受理処分は、出願人に重大な不利益を課するおそれがあり、違法である(取消)
1 深夜、目撃者のない状況下で発生した交通事故重大事犯につき、車両の進行方向が争われ、相反する2つの鑑定結果が提出された事案について、現場に残されたコーナーリング痕、遺留品等の物的証拠に基づき、被告人の運転車両が反対車線に進入して事故を惹起させたものと認定して有罪を言い渡した事例
2 身体に損傷を与えない採血と令状主義の限界
動産売買の先取特権者は、その先取特権を保全するため、債務者の占有する動産について、執行官保管等の仮処分をすることは許されないとされた事例