最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 国税犯則取締法上の犯則嫌疑者に対する質問調査の手続と憲法38条1項の規定による供述拒否権の保障
2 国税犯則取締法上の犯則嫌疑者に対する供述拒否権の告知と憲法38条1項
民法915条1項所定の熟慮期間について、相続人が相続財産の全部若しくは一部の存在を認識した時または通常これを認識しうべかりし時から起算するのが相当であるとされる場合
税務職員が租税犯罪の一般予防などの目的のため脱税の事実を新聞記者に公表したとしても、名誉毀損の不法行為は成立しないとされた事例
昭和48年6月出生の極小未熟児が両眼を失明するに至った結果につき、医療の水準上、病院医師らの診療ならびに説明に関する義務違背がないとして、原審判決を維持した事例
大学内における集会、文書の掲示・配布、拡声器の使用について学長の許可を要するものとした学生規則が憲法違反とはいえないとして、右規則違反等の行為をした学生に対する無期停学処分を有効と認めた事例
1 訂正審判の係属中に当該実用新案登録の無効審決が確定した場合における訂正審判の請求の適否
2 訂正審判の請求が成り立たない旨の審決の取消訴訟の係属中に当該実用新案登録の無効審決が確定した場合における訴えの利益の有無
殺人教唆等の公訴事実につき被教唆者の供述の信用性を肯定しアリバイの成立を否定した原審の判断が支持し難いとして破棄された事例
公団住宅の家賃の増額請求訴訟において、公団が作成所持する収入分析表・公租公課収支表が民訴法312条3号前段、後段の文書にあたらないとして、文書提出命令の申立が却下された事例
債権の一部についての代位弁済により代位者が債権者と根抵当権を準共有するに至ったが、その後右代位者の債権が消滅したときは、右債権者は、右根抵当全部について優先権を行使することができるとされた事例
相続人間の情誼関係の破綻をもって遺産分割の解除条件とすることができないし、また、右破綻を理由として遺産分割の協議を解除することもできないとされた事例
農地の売買契約成立後、市街化調整区域に編入された場合にも、農地法上の許可申請協力請求権は、売買契約成立の日から10年の経過により時効消滅するとした事例
売主と登記名義人が異なる農地を買受け、農業委員会の許可を受けることなく占有を10年継続した事例において、時効取得が肯定された例
1 当事者間の約定に基づき、期間の定めのない通行地役権の設定登記手続義務を認めた事例
2 登記を具備する土地賃借権が背信的悪意者に該るとして、未登記の通行地役権に基づく右土地賃借権設定登記の抹消登記手続請求を認容した事例
破産会社に売渡した動産につき、動産売買の特別先取特権を有する者が、法定の手続によらずに、右動産を搬出してこれを処分した場合においても、特段の事情がない限り、破産会社に損害がないとして、その損害賠償責任を否定した事例
昭和51年5月に開催された「神戸まつり」の際、取材中の新聞社のカメラマンが群集に押された警察の大型輸送車に轢過されて死亡した事故につき、神戸市、兵庫県に損害賠償責任が認められなかった事例
継続的商品供給契約関係にあったメーカーの販売代理店に対する代金不払い、信用不安、販売地域割制度の無視、販売代理店代表者のメーカーの主要商品についての商標登録出願行為を理由としてなした出荷停止措置は正当で債務不履行の責任を負わないとされた事例
1 対抗力のない土地賃借人に対してなされた新土地所有者の建物収去土地明渡請求が権利の濫用とされた事例
2 右の場合に、建物を存置させることにより土地所有者において発生する損害について、土地明渡に至るまでの損害賠償義務を認めた事例
1 漁業権及び入漁権並びに許可漁業及び自由漁業の操業利益の実体上の帰属関係
2 右権利ないし利益の放棄に対する補償金の実体上の帰属関係及び分配方法
1億円の融資証明書を発行した農協に対し、同証明書の記載を信じてマンション建設工事を請負ったところ、融資不実行により建設工事代金の支払が受けられなかったとして建設会社のなした損害賠償の請求が、融資不実行は融資証明書所定の条件が履行されなかったことによるもので農協に違法の点はないとして排斥された事例
保証人が主たる債務者に対し予め求償しうる範囲には保証した債務の元金と口頭弁論終結時までの遅延損害金が含まれるとされた事例
有限会社の名目的平取締役に対する第三者からの損害賠償請求につき、右取締役に職務懈怠はあるが重大な過失が認められないし、仮に、これが認められても損害と右過失間には相当因果関係が認められないとして棄却した事例
1 保険外務員に申込んだ保険契約の成立時期
2 保険料の支払についての立証責任は保険会社において負うとした事例
3 保険事故発生前に、保険料の支払がなされたとは認められないとして保険会社の保険金支払義務を否定した事例
預託会員制システムのゴルフ倶楽部の発起人としての氏名を用いることを許した者について、ゴルフ倶楽部が社団としての実体を欠くとして発起人、名板貸人としての責任を否定した事例
いわゆるネズミ講破産につき、天下一家の会・第一相互経済研究所から宗教法人大観宮へ対してなされた不動産等の無償譲渡が破産者の行為として故意否認が認められた事例
1 自転車に乗った被害者が交差点の信号に従い横断歩道上を進行中、左折してきた加害車に衝突されて負傷した交通事故につき、加害車の運転者及び使用者会社が被害者との折衝等一切を同社が加入している任意保険会社の示談代行に任せ何らの対応措置もとらなかったという事情は、被害者の受傷に伴う慰藉料算定の増額事由となると明示した事例
2 右事故発生につき、被害者に不注意が認められるとしても、加害車運転者の過失に対比すれば極めて軽微なものであるとしたうえ、このような場合に被害者に存する不注意を厳密に論じてすべて過失相殺の資料とすることは民法722条の注意に沿うものかどうか疑問がないわけではないとして、過失相殺率ないし過失割合を示すことなく、算定損害額を若干減額するにとどめた事例
会社代表取締役の傷害事故に伴う逸失利益の算定について、その報酬は労務対価部分と会社の利益配当分とにより構成されるとみるべきであるとして、右報酬中労務対価に見合う額を基準に算定した事例
15歳の高校生の無免許運転事故とその両親の監督義務違反との間に相当因果関係を認め、両親に民法709条の賠償責任があるとした事例
1 交通事故の加害者と被害者の双方を相続した者は、被害者の損害賠償請求権が混同により消滅するので、自賠法16条1項の被害者請求をすることができない
2 混同による損害賠償請求権の消滅は、自賠法15条の「自己が支払をした」場合に当たらない
当初は、夫から妻に対する離婚請求の附帯請求として提訴された、夫から妻に対する、土地権利証の返還並びに退職金と社内預金を預金としたうえ妻に管理させていた金員の残金の返還請求などにつき、離婚請求の取下後、民事通常訴訟の審理手続を履践して審理判決した事例
無国籍者でインドネシア共和国内に住所を有する子から日本人である父に対する認知請求につき、インドネシア共和国民法の適用が、公序良俗に反するとして排除され、被告の住所地法である日本国民法が適用された事例
韓国人夫婦の離婚に伴う財産分与請求につき、法例30条により韓国法の適用を排し、我が国の民法を適用してこれを認めた事例
動産売買の先取特権による物上代位権行使のための差押えは、転売代金債権に対する差押えの方法によるべきであって、仮差押えの方法によることは許されないとされた事例
スナック等の店舗が、カラオケ装置を設備・管理し、伴奏用テープを再生して、他の客の面前でホステスないし客に歌唱させる、いわゆるカラオケ伴奏は、音楽著作物にかかる演奏権を侵害するものであるとして、無断演奏差止と音楽著作物管理団体(JASRAC)に対する著作物使用料相当額の損害賠償が命じられた事例