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1 商法第514条にいう「商行為ニ因リテ生シタル債務」の意義 2 商行為たる売買契約の合意解除に基く前渡代金返還債務と商法第514条の適用の有無
1 貸金債権担保の手段として代物弁済予約を原因とする建物所有権移転請求権保全の仮登記を為し、且つ本登記をなすに必要な一切の書類の交付を受けた場合においても、他に特段の事情の無い限り右は停止条件付代物弁済契約の締結した趣旨と解すべきではなし単純なる代物弁済予約の趣旨と解するのが相当である。 2 単純なる代物弁済予約を停止条件付代物弁済契約と誤解して、予約完結の意思表示を為さないまゝ、本登記を経由するとともに訴訟を提起し約1年6月を経て予備的に予約完結の意思表示をなした場合において、右本登記により債務者の信用が毀損され金融の道を鎖されたと認めらるときは、右完結の意思表示は民法第1条の精神