最も長い歴史をもつ判例実務誌
地震によるブロック塀の倒壊事故につき、ブロック塀の設置または保存に瑕疵があった旨の立証が尽くされていないとして、工作物責任を否定した事例
地方税法24条の5第1項3号、295条1項3号にいう老年者の「所得の金額」の算定に当たって租税特別措置法(昭和54年法律第15号による改正前のもの)29条の3所定の老年者年金特別控除額を控除することの可否
1 建物の区分所有等に関する法律1条にいう構造上区分された建物部分の意義
2 構造上他の部分と区分されそれ自体として独立の建物としての用途に供することができるような外形を有する建物部分の一部に共用設備が設置されている場合と建物の区分所有等に関する法律にいう専有部分
3 共用設備が設置されている車庫が建物の区分所有等に関する法律にいう専有部分にあたるとされた事例
建物所有を目的とする土地賃貸借契約の更新拒絶に正当事由があるかどうかを判断する場合において第三者である建物賃借人の事情を斟酌することの可否
1 一区画の仮換地の一部でこれに対応する従前の土地部分の特定がないものを所有する意思をもって占有した場合における従前の土地の共有持分の時効取得及びこれに伴い右占有に係る土地について取得する使用収益権能
2 甲土地に対する仮換地を乙土地に対する仮換地であると誤信し所有の意思をもって占有した者と甲土地の時効取得
有益費を投じた建物が競落された場合、競落人からの建物引渡要求に対する有益費償還請求権に基づく留置権の行使が認められなかった事例
建物賃貸借の賃料延滞による契約解除建物明渡請求事件において、第一審口頭弁論調書に賃料取立払の約定の存在につき争いがないのに、これを争いあるものとして持参払と認定したことが違法(民訴法257条違背)とされた事例
宅地に対する抵当権の効力は、右宅地上の塀の構成部分になっている深岩石にも及び、右宅地の競落人は、右深岩石の所有権を取得するものとされた事例
1 土地所有権に対抗できない賃借権といえども、これを侵害する第三者の侵害行為の態容と相関的に考察して不法行為法による保護の対象となりうる
2 都市計画による道路指定により賃借人が賃借土地の利用制限を受けこれにより不利益を蒙ったとしても、同人が右借地権の実質的代替物として仮換地の指定を受け、換地が確定しているときは、右不利益は当然受忍すべき性質のものというべきである
土地の賃料につき仮差押え、差押え・転付命令を得た債権者に対し、右仮差押え後の賃貸借終了により土地を返還した第三債務者が敷金返還請求権による相殺をもって対抗することの可否(消極)
破産法72条5号にいう無償行為は破産者の立場から見てその行為が無償であれば足り、保証人の取得する将来の求償権は保証行為の対価には当らない
Aの代理人と称するBが、Aと相手方間の代物弁済予約を締結するに際し、BがAの印鑑証明書、白紙委任状、本件建物の表示登記済証及びA振出にかかる約束手形各1通を呈示し、Aから代理権を与えられているかのようにふるまったとしても、右呈示された書類のみでは本件建物の所有権移転登記手続をすることができないし、本件建物の右予約当時の時価は、右代物弁済予約に際し相手方から交付された融資金額と対比すると大幅に高額であり、さらに、相手方からA本人に電話してその真意を確かめることは容易にできるのにその確認がされていない場合には、相手方がBに代理権ありと信ずるについて正当の事由があると認めることはできないとした事例
1 債務者の破産は、破産債権者が債権者代位権を行使する妨げとなりうるか(積極)
2 物上保証人は債務者の相殺権を行使できるか(積極)
3 債務者の破産は、物上保証人が債務者の相殺権を行使する妨げとなるか(消極)
預入行為者名義の記名式定期預金の預金者は出捐者と解し、銀行が右預金を担保に預入行為者に対し貸付をなし、後日預金と貸金を相殺等した場合に民法478条の類推適用を認めた事例
警察官の暴行を理由とする国家賠償事件において、拘置所長が所持する診療願、診療録、X線フィルムの提出命令の申立が却下された事例
1 ネオン広告看板と建物壁面の占有
2 ネオン広告看板の動産性と民訴法(旧)731条による建物収去土地明渡執行との関係
信用金庫が預り保管中の定期積金証書に基づき預金者でない届出印のある払戻請求書持参人に対し、同日付同人名義の定期預金に切替えた場合と準占有者への弁済の成否
民法915条1項の「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは自分が現実に相続人となり相続すべき遺産(積極・消極財産)の存在の認識が必要か(積極)
虫垂炎間欠期において予防的虫垂切除手術を施行する場合には、特段の事情がない限り、医師につき、右手術に伴う麻酔による死亡事故発生の危険性についての説明義務がないとされた事例
鑑定の結果可能とされる死亡原因の髄膜炎と心筋炎を前提とし、発熱等を呈する患者の診療に当った医師につき過失がないと判断した事例