最も長い歴史をもつ判例実務誌
未熟児網膜症医療過誤訴訟において、患者の家族等に説明し新療法受療の機会を与えるべき義務の違背があるとして、担当医師及び病院の責任をともに肯定した事例
1 地方公共団体が地方債を起こす方法によらずに金融機関から資金を借り入れ公共用地の購入代金の支払にあてた場合において支払利息の金額が地方公共団体の損害にはあたらないとされた事例 2 原告の死亡と住民訴訟の終了
1 沖縄における血縁団体であるいわゆる門中が権利能力なき社 団にあたるとされた事例((イ)事件) 2 権利能力なき社団と仮理事の選任((イ)事件) 3 権利能力なき社団の代表者が構成員の総有に属する不動産について構成員から信託的に与えられた財産管理権限に基づき総有権確認請求をすることができないとされた事例((ロ)事件)
民訴法31条にいう「著キ損害文は遅滞ヲ避クル為必要アリ」と認めるべき場合にあたり、訴訟を移送するのが相当であるとされた事例
公務執行中に自衛隊の人員及び貨物輸送者に同乗していた隊員が運転者の運転操作の誤りにより転落死亡した事故につき安全配慮義務違反を理由に国に損害賠償義務があるとされた事例
経理担当社員の偽造小切手による当座預金引出しが会社の事業の執行と信ずるについて銀行側に重大な過失がないとして会社に使用者責任が認められた事例
工場の排出するクロム禍のため健康を蝕まれた被害者らが、右クロム排出源である会社に対し提起した損害賠償請求訴訟に関し訴訟救助の許否を決するに当り、昭和52年11月当時、同居の家族が4人までの救助申立人については年収300万円をもって、また、独身の申立人については年収150万円をもって資力判定の最低基準とすることが相当であるとされた事例
和解が成立したから不渡異議申立預託金を取立人に返還願いたい旨記載した和解書の送付が債権(預託金返還請求権)譲渡の通知の効力を有しないとされた事例
真実と異なる所在地番に所在するものと誤認して建物表示登記をなした登記官に過失があるとして損害賠償請求が認容された事例
第三者の所有名義になっている不動産の買主に対する売主の所有権移転登記手続債務につき、履行の提供があったものとぱいえないとされた事例
店舗賃貸借契約書中の「乙が事情により第三者に権利譲渡を為す時は甲は認諾するものとす」る旨の特約条項につき、賃借人が第三者に自由に当該店舗賃借権を譲渡し、あるいは当該店舗を転貸することを賃貸人において予め一般的に承諾した趣旨ではないとされた事例
国の安全配慮義務違背を理由とする国家公務員の国に対する損害賠償請求権の消滅時効は、後遺症に基づくものであっても、債務不履行の時から進行するとされた事例
無権代理人が禁治産者の後見人になった場合においてさきになされた無権代理行為の追認の拒絶が信義則上許されないとされた事例
市道の拡幅のため甲、乙が道路敷地を市に提供することを協議し、甲が市に道路敷地を提供したのにかかわらず乙が道路敷地を提供しないため、市道拡幅工事が未完成に終ったが、乙が工事完成部分を自己の私有道路のように利用している場合には、乙につき不当利得が成立するとされた事例
1 借地法6条の異議に正当事由があるとされた事例 2 借地契約の期間満了時から1年4月経過した後になされた立退料の提供申出を正当事由存否の判断につき謝酌した事例
1 国及ぴ公共団体は国民各個人に対し無条件にその生命身体を犯罪から擁護すべき義務を負うか(消極) 2 猟銃所持許可の違法を理由とする国家賠償請求訴訟における違法性の判断基準 3 猟銃所持許可の違法等を理由とする猟銃乱射事件の被害者からの国家賠償請求が否定された事例
日照・通風の生活利益が南側隣地上の建物建築により侵害されたことは認められるが、未だその被害が受忍限度を超えるものとは認め難いとして、損害賠償請求を排斥した事例
被告人が令状なしに実質的に逮捕されたことがその後の逮捕状に基づく逮捕及ぴこれに引き続く勾留の適法性に影響を及ぼさないとして、その間に作成された自白調書の証拠能力が肯認された事例