最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 憲法14条1項、15条1項、3項、44条但し書と国会両議院議員の選挙における選挙人の投票価値の平等 2 公職選挙法13条、同法(昭和50年法律第63号による改正前のもの)別表第1及び附則7項ないし9項による選挙区及び議員定数の定めの合憲性 3 衆議院議員選挙が憲法に違反する公職選挙法の選挙区及び議員定数の定めに基づいて行われたことにより違法な場合において行政事件訴訟法31条1項の基礎に含まれている一般的な法の基本原則に従い選挙を無効とする旨の判決を求める請求を棄却するとともに当該選挙が違法である旨を主文で宣言すべきものとした事例
1 名誉毀損の摘示事実につき真実と誤信する相当の根拠がないとされた事例 2 弁護人が被告人の利益擁護のためにした行為と刑法上の違法性の阻却 3 弁護人が被告人の利益擁護のためにした名誉毀損行為につき正当な弁護活動として刑法上の違法性が阻却されないとされた事例
1 借地契約が法定更新された場合における慣習に基づく更新料請求権の存否(消極) 2 合意更新の場合における更新料の性質および更新料支払いを附款とする合意更新の効力(肯定)
仮登記担保権者から清算未了のまま目的不動産の譲渡を受けた第三者が債務者の意思に基づかないで所有権移転登記を経由した場合と債務者の右登記抹消手続請求権
相続人が被相続人から贈与された金銭をいわゆる特別受益として遺留分算定の基礎となる財産の価額に加える場合と受益額算定の方法
建築工事の請負人が途中で工事を投げ出して逃亡した場合に工事の出来高及び持ち込み材料の所有権が注文者に帰属したものと認められた事例
1 他人の物を買い受けた者はその物の所有権移転義務不履行による損害賠償債権をもってその物を留置しうるか(消極) 2 占有取得後、過失により自己に占有権原がないことを知らない状態となった後その物に関して債権を有するに至った者と民法295条2項の適用(積極)
1 司法警察員の逮捕状の請求に故意過失が認められないとして国家賠償法に基づく損害賠償責任が否定された事例 2 通常逮捕の理由としての犯罪の嫌疑
1 破産宣告後の債権届出期間内に債権届出が皆無であった場合に破産裁判所のとるべき措置 2 破産裁判所が右の措置をとらなかった場合の国家賠償責任を否定した事例
1 法人税法上償却できる資産としての営業権の意義 2 赤字企業の営業の譲渡がなされた場合には譲受会社の法人税の計算において営業権の減価償却を否認するのが相当とされた事例
都行政財産である中央卸売市場の施設使用の許可の取消しと補償の要否(昭和49年法律第71号による改正前の地方自治法の適用を受ける事案)
1 監獄法19条1項、監獄法施行規則48条1項は、代用監獄たる留置場に拘禁されている者の処遇に適用がある 2 柔道用の帯、タオルを戒具として使用して、違法がないとされた事例
1 贈与の基礎となる情宜関係が、受贈者の忘恩行為により破綻消滅し、贈与者が困窮したことを理由に贈与物ないし価格の返還請求を認めた事例 2 忘恩行為につき不法行為を構成するものとして慰謝料請求を認めた事例
1 銀行取引の保証と過振り不足金 2 本人の実印を所持した代理人と金融機関との間で締結された過振り不足金の支払を目的とする準消費貸借を主債務とする連帯保証契約につき民法110条の正当理由がないとされた事例
1 任意捜査において許容される有形力の行使の限度 2 任意捜査において許容される限度内の有形力の行使と認められた事例
起爆装置の欠陥により爆発しない手製爆弾の導火線に点火して投てきした行為が爆発物取締罰則1条にいう爆発物の「使用」にあたるとされた事例
1 預金等に係る不当契約の取締に関する法律2条、4条1号と金融機関に預金等をする者又は預金等をすることについて媒介をする者と通じた特定の第三者の処罰 2 預金等に係る不当契約の取締に関する法律2条2項にいう、「金融機関に預金等をすることについて媒介をする者」にあたらないとされた事例
高等学校のラグビー部の合宿訓練において、部員が日射病で死亡した事故につき、同部の顧問として全般的な指導監督に当っていた同校教諭に業務上過失致死の責任があるとされた事例
1 緊急逮捕が刑訴法210条1項の「直ちに」の要件を欠き違法であるとされた事例 2 違法な逮捕拘禁中の取調によって作成された被疑者の供述調書の証拠能力が否定され、これに続く勾留中の取調によって作成された同人の供述調書の証拠能力が肯定された事例